20話 無人島試験
無人島試験2日目がはじまりDクラスとBクラスはバカンスを始めた。
「本当に良かったのか?神条」
「ん?なにが?」
「お前なら1人もリタイアさせずに最終日まで残りなおかつリーダー当てもできていたはずだろ?」
「まあ、できない事はないね。でも割に合わないよ。1週間も無人島だよ。めんどくさいよ〜」
「それを俺にやれと言ってるのが神条なんだが」
「いいじゃん残る人には報酬出してるでしょ」
頬を膨らませながら綾小路を見る。
「はぁ、まあいい、予定通りAとCを当てればいいんだな」
「うん、それでいいよ〜。後は頃合いを見て、Cクラスに仕掛けるから」
意地の悪い笑みを浮かべる。
「なにをするんだ?」
「それはね〜。食中毒になってもらおうと思ってね10人ほど」
「毒でも混ぜるのか?」
「まあ、そういう事だよ〜。こういう島には大体ある植物を使うんだよ。」
「物知りだな。」
「まあね〜。例をあげるとクワズイモとか見た目がサトイモとほぼ一緒なの。まあ、死ぬ事はないから大丈夫だよ。ちょっと嘔吐して試験を続ける事ができないくらい。」
「なるほど、一ノ瀬の性格ならクラスを第一に考えてリタイアさせると言う事か」
「ふふ、そう言う事だよ。もう見つけてあるから後は仕込むだけ。」
「だが、それが一番難しいと思うんだが」
「大丈夫、大丈夫、そこのところは龍園くんに任せてあるから。私達にはなにも影響はないよ。私達はあくまで毒性がある植物を教えただけだから。」
「という事はAクラス以外は少数を残してリタイアするということか」
「そういう事、だからCクラスにはこれを渡そうと思ってね。」
神条はそういうとポケットから櫛田の名前が書いてあるリーダーカードを出した。
「普通に渡しても疑われるだけだと思うが」
「Cクラスの人に拾ってもらうんだよ。わざと落としてね。それにリーダーを変えれるなんて誰も気づかないでしょ?」
「ああ、たしかにな。それに、どこにもリタイアした場合リーダーを変えなければならないとも書いてないからな。」
「明日の昼遊んだら私達はリタイアするから最終日の事は頼んだよ。」
「わかった。それとよく高円寺を説得できたな。」
「ふふ、高円寺くんとお喋りしたら大丈夫だったよ。今日でポイント全部消費するから今日まで待って欲しいって言ってポイントを渡しただけ」
「高円寺はポイント使いが荒いらしいからな」
「ま、そういう事」
話が終わると昼食の準備ができたと堀北が呼びに来た。
「俺は先に行っておくぞ」
「うん、りょうかーい」
綾小路が見えなくなるのを確認すると堀北は神条に抱きつく。
「もう、どうしたのかな〜?」
「おねえちゃんが明日リタイアするから」
「ふふ、かわいいな〜。ちゃんと綾小路くんの言う事聞くんだよ〜。綾小路くんの言葉は私の言葉と同義だからね」
「うん、わかった。」
「ちゃんと成功したら褒めてあげるからね。期待してるよ」
「がんばる!」
「じゃあ、お食事に行こうか」
「うん!」
堀北はキラキラとした笑顔を向けながらベースキャンプへと向かった。
そして3日目となった。
昼過ぎまで遊びリタイアするために教師達がいるベースキャンプへと向かう。
すると何やら騒がしい。
Cクラスの数名の生徒が担架で次々と運び込まれていく。
そこで神条はニヤリと笑みを浮かべた。
櫛田に状況を聞いてこいと目線を送った。
櫛田は一ノ瀬の元へむかい事情を聞き始めた。
集団食中毒を起こしてしまい、10人近くの生徒がリタイアする羽目になってしまったと。
前日の打ち合わせ通りに堀北に介入してもらう。一ノ瀬に少人数を残してリーダー当てに集中するべきではないかと提案する。1人のリタイアにつき-30ポイント引かれるので10人リタイアした時点で0ポイントとなる。それなら失うものがないので最終日まで残りリーダー当てにかけた方がいいのではないかと一ノ瀬に提案した。
少し困惑した表情を浮かべたが一ノ瀬は堀北の提案を受け、自分のクラスの元へと戻っていった。
「予定は変更するか?」
「うん、予定は変更するよ。こんなに早く龍園くんが仕掛けるとは思ってなかったからね。あのカードはCクラスに見せなくていいよ。そのかわりAクラスの情報を与えてあげて。それならAクラスを完璧に潰せる。」
「了解した。4日後の結果発表の日に」
「うん、結果発表を楽しみにしてるよ。」
そう言って数名を残し神条達はリタイアした。
そしてこの日、Bクラス、Cクラス、Dクラスの生徒の殆どがリタイアしていった。
神条が船へと戻ると坂柳が出迎えた。
「あれ、参加しないと思ってたけどいたんだね。」
「はい、無理を言って船に乗せてもらいました。流石に無人島はダメですが。」
「まあ、それは仕方ないよ」
「それで順調ですか?」
神条はクスッと笑う。
「うまくいけばAクラスは1ポイントも残らないよ」
「説明していただいてもよろしいですか?」
「うん、もちろんだよ」
神条と坂柳はカフェへと向かった。
注文を済ませて席に座り話を始める。
「それで神条さん、現状を教えていただいてよろしいですか?」
「まずAクラスは龍園くんと契約を結んで200ポイント分の物資をAクラスに支払ったその代わりにAクラスは卒業まで龍園くんに一人当たり2万ポイント払う契約をした。それに加えて龍園くんは他のクラスのリーダーカードの現物か写真を提供しないといけないってわけね。」
「なるほど、これは葛城君も下手を打ちましたね。」
はぁと期待外れのようにため息を溢す。
「明らかに割にあってないもんね〜龍園くんのプラスが大き過ぎるもん。」
「保守的な割にはこうも杜撰だと先が思いやられますよ。話がそれましたね続きをどうぞ」
「そこで私は龍園くんと協力することにしたのダミーのリーダーカードを龍園くんに渡して写真を撮ってもらった。」
「なるほどリーダーのすり替えですか」
「そういう事だよ。これでAクラスは-50ポイントが確定したわけ。ここからはあくまでも予定の事を話すね。まずAクラスのリーダーが分かり次第それを3クラスで共有する。これで合計-200ポイント、坂柳さんが参加できなかったから-30ポイント引かれてるから残りは40ポイント。後は坂柳さんの配下のスポットの誤使用で-50ポイントで20ポイントってわけだよ。後は龍園くんが何か行動を起こすらしいから0に近づくと思うよ」
「なるほど、しかしCクラスの一ノ瀬さんがよく参加を表明しましたね。彼女はかなりの保守的考えを持っている人と思っていましたが」
「それは簡単だよ。攻撃に出なければならない状況にしてしまえばいいの。今日Cクラスの十数人が船に運び込まれたのは知ってるよね?」
「はい、かなり顔色が悪かったようですが」
「この件でCクラスは-300ポイントを超えたの。それによってCクラス的にもリーダー当てに頼らざるをえないってわけ」
「なるほどそこでAクラスのリーダーの情報を流すというわけですか」
「うん、そういう事だよ。これでCクラスも下手を打たなければ50ポイントは手に入るってわけ」
「しかし、その体調不良者をどうやって?」
「学生だから毒性のある植物の情報なんてそうそう持ってない。毒性のある植物の情報を龍園くんに教えてあげたの」
「神条さんはあくまでも情報を提供しただけという事ですか。」
「そういう事よ。まあ大方、Cクラスの狩場に毒性のある植物を混ぜておいてんでしょうね。詳しいことは私も知らないけど」
「Dクラスは誰が残られたのですか?」
「堀北さんと綾小路くん、それに他数名だよ。綾小路くんが裏で手を引く係。表面上は堀北さんの手柄にするためにね。」
「あまり、クラスの事には興味がないのですね。」
「まあね、私は契約の内容さえ果たせればいいから。後は放置してなんの問題もないし。後はゆっくり最終日を待つだけだよ。」
「ふふ、そうですか。でしたらそれまでの間、私の相手をしていただけないでしょうか?」
「ふふ、いいよ。チェスがしたいんでしょ?言っとくけど私、そんな強くないよ」
そう言って坂柳と神条はチェスを始めた。
後日談
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松下千秋
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長谷部波瑠加
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佐藤麻耶
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幸村輝彦
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三宅明人