22話 優待者オークション
2回目の会議が終わり、各クラスのリーダー達は12人を引き連れ会場へと向かっていった。
各クラスの表情は固い、それもそうだろう、なぜなら自分のクラスの優待者を人質に取られているからだ。
いつでも試験を終わらす事ができる。つまり裏切るなら-150ポイント以上の損失が出ると言う事だ。
「坂柳も呼ばれた口か?」
「ええ、どうやら龍園くんにもあのメールが届いていたようですね。」
「メールの差出人に心当たりはあるか?」
「あの人しかいないでしょう。」
2人は銀髪紅目の少女を思い浮かべる。
ニヤリとした表情で全てを見透かしたような瞳を持つ少女。
「それは俺も考えたが裏で手を引いている奴がいる可能性もあるだろ?」
2人には疑問が残る箇所がある。自分のお得意様を裏切るような行為を彼女はするのだろうか。しかし彼女の理念には面白いや利益を考える部分も存在する。
「たしかにその可能性もありますね。あの人はポイント次第で動きますから。4クラスの中にあの人と繋がり主催者として出させたと言う事も考えられます。」
「ああ、後ろにはDクラスとCクラスもいるからな全クラス集めたって事だろうな」
「しかし、メールには皆様が望む結果となるでしょうとありました。つまり何かしらの方法で優待者の情報を開示するという事でしょう。それなら12人集めた理由が伺えます。」
「たしかにな、上手くいけばクラスポイントが手に入るようになっているって事だろうな」
「ええ、私からすればAクラスに戻るチャンスですね。ふふ」
「クク、俺からすれば引き離すチャンスってわけか」
2人はお互いを睨み合い笑い合っている。
2人にとってどちらに転ぼうとも自分が勝てればいいと言う考えを持っている。
「にゃは、なんか前は凄いことになってるね。」
「それはしょうがないと思うわ。今は3クラスが拮抗している状況だもの。今回の試験でリードしたいと言う気持ちが強いのでしょうね」
「いったいあのメールはなんなのかな?」
「私もわからないわ。でも一つだけわかるのは今から4クラスで争うと言う事よ。一ノ瀬さんもそれをわかって来ているはずよ」
「うん、さすがに前回の無人島試験で0ポイントだったからね。ここで挽回しないとなっては思ってるよ。」
「一ノ瀬さんのクラスはたしかAクラスと約300クラスポイント差くらいだったわね。羨ましいわ」
「Dクラスは今回の試験でポイントを狙うの?」
「もちろんよ。別に私達は上に上がる事を諦めたわけじゃないわ。この試験できるなら私達もポイントが欲しいの。貴方もクラスを勝たせたいと思うなら少し考えを改めた方がいいわよ」
堀北は冷たい瞳で一ノ瀬を見る。
「そ、それはどう言う意味?」
「いずれわかるわ。貴方は優しすぎる。話をしていたらどうやら着いたようね。」
全クラスが所定の会場に着いた。
部屋に入るとそこにはピエロの仮面を被った者が4人が待っており。入室した順番に四方が囲まれている場所へ案内される。
そこには壁にモニターが設置されており端末が1つ置かれている。
全クラスの案内が終了すると正面に設置されているモニターがつく。
そこにはピエロの仮面を被った女子の姿が写し出された。
「皆さんはじめまして。この度はお集まりいただきありがとうございます。集まってもらいましたのは優待者オークションを開催したいと思い皆様にメールをお送りしました。」
その言葉を聞き多くの者が動揺した声を出し困惑している。
「オークションの内容についてお手元にあります。端末を参照してください。」
各クラスのリーダー達は机の上に置かれた端末を開き内容を確認する。
優待者オークション
優待者オークションとは子グループから亥グループまでの12グループの優待者の情報を商品とし競売を行う。
子グループから順番に1人ずつ行われ、入札後2分間入札が行われなかった時、落札とする。
入札については匿名での投票とし落札したクラスも発表されない。公平に秘匿性を高める為全てのクラスに仕切りを設けている。
金額については50万ポイントからスタートし、最低でも1万ポイント以上の入札を必要とする。上限はないものとし、支払い能力確認の為、端末に現在支払える額を送信する必要がある。また、今回行われている船上試験での報酬を担保にすることもできる。クラス単位でのポイントの送金も認める。
落札者が出たクラスはこちらのピエロの立ち合いの下その場で落札したグループの試験を終わらせなければならない。試験終了の放送が確認され次第、次の競売へ移る。
この部屋を出る場合はオークションを辞退したものとみなしそのクラスの優待者は残ったクラスへ分配される。
オークション中はこちらが配布した端末以外の使用を禁止とし全ての端末の電源を切りピエロが持つカゴへと入れなければならない。落札時のメールの送信時のみ端末の使用を許可する。
落札時以外での試験終了の放送が起きた場合、こちらのピエログループが一斉に残ったグループの優待者のメールを送信し全ての試験を終了させる。
競売がはじまり10分以上経過し落札者が出なかった場合、ピエログループが試験を終了させるものとする。
本件は全てクラスの自己責任の下行う事とする。
上記の内容に同意する場合、以下に署名を行う。
一ノ瀬以外の各クラスのリーダー達は署名を行い、自分の端末をピエロに預ける。
一ノ瀬はクラス内で話し合いを行なっている。
「どうしたらいいのかな?」
「俺は自分達のクラスの優待者を競り落とす事にかける方がいいと思う。こういう時の為にクラスでポイントを集めたんだ。クラスのために使うべきだと思う。」
「そうだよね。私達は自分のクラスを競り落とす事にしよう。」
一ノ瀬は署名を行った。
全員の署名が完了するとモニターに移るピエロの少女が話し始める。
「全クラスの署名が完了されました。では今から子グループの優待者から競売を始めさせていただきます。」
そこでモニターが変わり現在の金額50万ポイントと残り時間の10分が表示された。
一方ピエロの少女はというと。
「ねぇ、どうなると思う?」
「さあ、俺には見当もつかないが。子グループの優待者を有する坂柳のクラスが一番最初に動くと思うが。」
「それもそうだよね〜。守備的に動くのが普通だもんね〜。でもそれじゃあ面白くないんだよね〜ふふ。」
何かを期待するような目で堀北が映るモニターをみる。
「お前の手元にはそれぞれのクラスの申告されたポイントがあると思うが、どのクラスが一番多いんだ?」
「綾小路くんはどこが多いとおもう?」
「龍園のクラスと思う。先日の試験で坂柳のクラスからポイントも振り込まれている筈だし、元からのポイントも多いからな」
「ふふ、普通はそう考えるよね〜でも、正解はーーー」
会場では競売が始まり2分が経過しようとするが誰も動かなかった。
お互いが出方を伺っている。
しかし突如その均衡が崩れる。
『55万ポイント』
モニターにそう表示され制限時間が2分にきり変わった。
やっと動き出したね〜
お互いを削り合って戦ってね。
楽しみにしてるよ。
ピエロの少女は細く微笑んだ。
実際、競売に参加する前なら勝つ方法はあるんですけどね。
ちなみにこの話では自分のクラスの優待者を同じグループの優待者以外の人が指名してメールできるようになってます。
その場合、当てた事による+50クラスポイントは当てられた事による-50クラスポイントで相殺され。50万ポイントの行き先が変わるだけとしました。
ルールについての不備は後で修正するかもです。
後日談
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