短いですが時間ができたらまた投稿します。
23話 騙し合い
『55万ポイント』
オークションが始まり数分後、入札が行われた。
「どこのクラスでしょうか?真澄さん」
「そんなのAクラスじゃないの?龍園のクラスが攻撃的な事はあんたも知ってるでしょ」
「まあ、それもあると思いますが。ここは考えてる時間もあまりありませんね。とりあえず入札しましょう」
坂柳は端末を操作して入札を行う。
『60万ポイント』
「とりあえず、時間が延長されましたね。」
「とは言っても2分でしょ?」
「いいえ、真澄さん。相手から与えられた2分間と自分が作った2分間は心の余裕が違います。」
「そ、あんたがいいならいいんじゃない?」
『60万ポイント』と表示されて他のクラスも動きだす。
「チッ、さっきに引き続き、入札が行われたがひよりはどう思う?」
「そうですね。子グループは私達Aクラスの優待者ではありませんから他の3クラスのどこかと言う事はわかります。最初の入札は攻撃、次の入札は防御と言ったところだと思いますよ」
「たしかに、その可能性が高いな。せっかくだ一枚俺達も噛むとしよう。」
龍園は端末を操作して入札を行う。
『70万ポイント』
「予定通りね。他のクラスの入札が始まったわね。」
「堀北さんはこの後入札しないんですか?」
少し怯えた目をしながら佐倉は問いかける。
「少ししたらまた開始するわ。私達の目的は最初のうちに相手の資金を削る事と相手を煽る事よ。」
「で、でも。資金的には私達は余裕があると思うんですけど。堀北さんに協力してって言われてますし」
佐倉は堀北に耳打ちする。
「それは私も聞いているわ。でもただ競り落とす事が最適とは思わない。あの人に流れるポイントは私達からではなく他のクラスからの方がいいわ」
「た、たしかにそうですね。」
「とりあえず、また入札を行うわ」
『72万ポイント』
「そんなに少なくていいんですか?」
「これも作戦のうちよ。相手の手持ちを探る意味でもね。それにこの入札は私達Dクラスと思わせる事もできるわ。撹乱目的よ」
その全クラスをモニターで見ているピエロの少女はこの状況を満喫していた。
「ハハ、見てよ。みんなの表情面白いよね」
ケタケタと笑いながら綾小路を見る。
「お前ならどうするんだ?」
「私なら〜こんなオークションなんかに参加しないよ〜。だって割に合わないじゃん。」
「参加せずに傍観すると言う意味か?」
「まあ、それに近いかもね〜。だってプライベートポイント払ってまでクラスポイント欲しくないし。まあ、どうしてもクラスポイントが欲しかったらあのメールが届いた時点で12人集めて全グループの試験を終了させるよ。」
「しかし、間違えた時のリスクを考えれば不用意に動けないのが普通だと思うが」
「ん?私が間違えるわけないじゃん。全グループ正解に決まってるよ。万が一間違えたとしても私達Dクラスのクラスポイントを考えてみなよ。減っても問題ないでしょ。まあ、他のクラスにクラスポイントはいっちゃうけど。」
たしかに彼女の言っている事は理解できる。報復など恐れず全てのグループを終了させる、法則さえわかってしまえば優待者の特定は簡単だ。しかし、それは全グループを確実に当てなければならない。
彼女にとってリスクなどないのだろう。
「このゲーム、お前の勝ちしかなかったと言うわけだな」
「そんな事はないよ。人は誰しも平等だ。私の喉元に噛みつくチャンスはいくらでもあった。あの子達はそれがわかってないだけ。」
「お前は本当に人は平等だと思っているのか?」
「もちろんだよ。人は何かあるたびに不平等だと言う。生まれた環境、能力、人種、家柄、様々な要因を持ち出し不平等を提唱する。だけどね、誰しも生あるものなら平等に持つものがあるそれは死だ。生物であれば逃れる事のできない、絶対的平等だ。そして殺す事、殺される事これは誰にもできるだろう?」
「たしかにそうだが……」
「あ、自ら命を断つ事も平等の一種だね。誰でもできるし。あ、Bクラスが動いたね。」
『100万ポイント』
「坂柳、そんなに振り込んでいいの?他のクラスの優待者も競り落とすならあまり使わない方がいいんじゃない?」
「いいえ、真澄さんこれが正解ですよ。これは長期決戦は不利です。短期決戦で相手の戦意を奪うのが狙いです。それに削れる所から取る方が効率がいいではないですか」
「チッ、またうごいたな。今のはBの可能性の方が高いな。」
「どうしてそう思うのですか?」
「防御型の一ノ瀬なら最初の段階で動いてる筈だ。クラスが1番大切だからな。それにDクラスにはあんなポイント出せる奴はいないだろ」
「たしかにそうですね。でも彼女なら出せるのではないですか?」
「学年で1番ポイントを保有しているのはあいつだろうがそれはない。自分のクラスの情報を簡単に売るような奴だ、そんな奴がクラスの為に動く事はない」
「それもそうですね。入札はされるんですか?」
「Bクラスに50万ポイント使わせたなら充分だろ。あまり目立っても標的にされるだけだ。」
ちょうど投票の受付時間が10秒を切ろうとしたとき。
『120万ポイント』
終了間際の投票に驚愕しているものが多い。
「この投票、龍園君でしょうか?私達のポイントを減らす為の策を打ってきたとも考えられますね。」
「坂柳、このままだと取られちゃうよ。」
「少し時間をください、投票はすぐ行います。」
「これはAクラスの攻撃の可能性が高いわね。その前のがBクラスの坂柳さんが自分達の優待者を守りにきたとみて間違いないないわ」
「でもCクラスの一ノ瀬さんが投票したかもしれないですよ。」
「それはないわ。彼女なら自分達のクラスを優先するはずよ。彼女のクラスの優待者は子グループにはいないわ」
その様子をモニター越しにニヤニヤとした表情でピエロの少女は見ている。
「やっと動いたね。ふふ、楽しみだなどんな動きを見せてくれるのかな?私のジョーカー」
後日談
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松下千秋
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長谷部波瑠加
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佐藤麻耶
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幸村輝彦
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三宅明人