クレイジーな奴のいる教室へ   作:転生したい

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お久しぶりです。

何も思いつきませんでした。




28話 ご遊戯

28話 ご遊戯

 

 

深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。

 

ニーチェの言葉である。

 

現在ではこの言葉のこの部分のみ知っている人も多いだろう。

 

前文はこうだ。

 

怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなければならない。

 

怪物である彼女を理解すると言うことは怪物と同じ思考に近づくと言うこと。

 

異常者の考えは異常者にしかわからない。

 

彼女は望んでいる自分と同じ異常者、怪物の登場を。

 

 

 

 

 

 

 

「平和だね〜。嫌になるくらい。とても平和な夏休みだ。」

 

フカフカのソファーに寝そべりながら彼女は呟く。

 

「俺にとってはこれくらい何もない方がいいんだがな」

 

珈琲を啜りながら彼女へ視線を向ける。

 

「君の言わんとしている事はわかるよ。なぜ、私が何もしないのか?って言いたげだね」

 

「俺の話は聞いていないみたいだな」

 

ため息をはくと彼女は笑顔をこちらに向けていた。

 

「参った、その顔はやめてくれ」

 

両手を上げて降参をの意思を示す。

 

「君は全然変わらないね〜。私とこれだけいるのに全然染まらない。だからこそ、君は私のそばにいられるんだろうね。」

 

「その染まると言う表現はいまいちわからないが。」

 

「ふーん、まあいいや。外に出ようか。いつまで部屋にいてもつまらないし」

 

2人はショッピングへ駆り出した。

 

 

「意外にも人が多いんだな」

 

「夏休みだからね。いつもよりは増えるよ。」

 

そう言う彼女を見ると視線が自分に向いていないことに気づく。

 

視線の方向へ目を向けると先輩とおぼしき生徒がなにやら言い合いをしている。

 

「不良品が、お前に未来なんかねぇんだよ。さっさと退学しちまえよ。」

 

「南雲のおこぼれでその位置にいるくせに。偉そうにしてんじゃねぇよ。」

 

「不良品にそんなこと言われても何も響かねぇな。口がついてること自体が驚きだがな」

 

「調子にのるんじゃねぇぞ!」

 

一方の生徒はてがでかけるが寸前の所で思いとどまっている。

 

「あぁあ、あと少しでお前は退学だったのによぉ。チキン野郎」

 

 

 

どうやら、あの煽っている方は南雲先輩を盾にああやってストレスを発散しているんだろうな。

 

ああ、あの先輩には不幸が訪れるんだろうな。なぜなら隣の彼女が笑っている。

 

それも眩しすぎるほど笑顔だ。

 

「いい事、思いついた。」

 

先輩には御冥福をお祈りすることにしよう。

 

彼女は携帯を操作し誰かに連絡を入れているようだ。

 

「ふふ、楽しみだな。はじめての試みだし楽しめそう。」

 

「何をする気なんだ?」

 

「面白い事だよ。まあ見てなよ。」

 

 

彼女はまた綺麗な笑顔をこちらへ向けてくる。

 

 

そして名も知らぬ先輩は2人とも退学した。

 

詳細はは知らないが傷害事件が起きたらしい。

 

お互いを刃物で傷つけ合いそのまま退学。

 

 

「まあまあ、上手くいったね〜」

 

「何をしたんだ?」

 

「ん?お話しただけ。復讐したくないですか?ってもう1人の先輩には退学させたくないですか?ってお話したんだよ。」

 

「お前が直接手を下した訳ではないんだな」

 

「そんな事したらあしがついちゃうじゃん。そんなバカな事はしないよ。」

 

「だが、明らかにこの結果は異常と思われても仕方ないと思うんだが」

 

「大丈夫だよ。だって2人とも素行が悪いで有名だったみたいだし。周りの人もあの2人ならやりかねないって噂してるくらいだしね。」

 

「条件は整っていたと言うわけか。」

 

「そう言う事だよ。いい遊び見つけることができたよ。あと何人かお試しでやってみようって思ってるよ」

 

「差し詰め、コンサルタントをしていくわけか?」

 

「そうだね。大物までのお遊びと行こうか」

 

 

それから彼女は鬱憤が溜まっている生徒に囁き続けた。

 

新学期が始まるまでの約1ヶ月ほどで多くの生徒が退学していった。

 

その理由は様々であり、最も多い理由が傷害事件である。

 

 

 

 

そんな中彼女はというと。

 

「随分と面白いことをしているね。准」

 

「何のことでしょう?楓花さん」

 

カフェの一室で鬼龍院と話していた。

 

「私には隠し事をしてもわかるぞ。」

 

「ハハ、降参ですよ。それで何から話しましょうかね」

 

「そうだね。このお遊びのきっかけは何だね?」

 

「上級生の言い争いを見ました。正直言って気にも留めないような言い争いです。不良品がどうとか、退学してしまえとか。醜い醜いものですよ。それを見て私は思いました。なら叶えてあげようと。」

 

「それが最初の被害者達かい。」

 

「被害者とは失礼ですね〜。実験体ですよ〜。」

 

子供のように洋菓子を口に頬張る。

 

「それでその2人を洗脳したと?」

 

「洗脳はしてないですよ。焚き付けたというのが正しいです。お互いに相手を陥れる方法があると知ったらすぐ心を開いてくれましたよ。後はゆっくり見物です。」

 

「どうだった?」

 

「面白かったですよ。まあ、お互いを斬りつけ合う様は滑稽でしたけどね、お互い正当防衛を主張するつもりだったようですけど、そんな事できないんですよね。だってお互い刃物持ってるのに」

 

「准が伝えたのか?」

 

「ええ、そうですよ。」

 

「准にしては軽率な行動と思うがね。」

 

「まあ、これが殺人にまで発展していればかなり軽率だったと思いますが。ただの傷害事件です。普段から素行が悪いので有ればなおさらその延長戦と考えるのが普通です。」

 

顎に手をおきながら鬼龍院はうなずく。

 

「たしかに的を得ているな。学校側の穴を上手く付いている。何せここは国が運営する学校、不祥事は表沙汰にしたくない。そこを逆手に取ったというわけか。」

 

「そろそろ、対策もうたれるでしょうし、しばらくはお預けですけどね。」

 

「たしかにこれほど傷害事件が続けば学校側も対策をうつか。」

 

「いえ、学校側は対策をしないと思いますよ。実力主義を謳っている学校ですよ。」

 

頬に笑みを浮かべながら紅茶を啜る。

 

「なるほど、全ては生徒の実力次第。退学したのはその生徒に実力がなかった。それで済むわけか。」

 

「それにこの学校おかしすぎるんですよ。入学するまでここの内容に関する事は一切出てこない。普通ありえます?卒業生が漏らすなり、退学者がネットに書き込んでもおかしくないですよ。つまり国規模で隠蔽してるんですよ。」

 

「たしかに言われてみればそうだな。考えればすぐに思いつく事だが、ここにいる生徒は生き抜く事で必死だからなそんな事まで頭は回らんか」

 

満足気に頷き話始める。

 

「話を戻しますね。対策をうつのは2年生の皆様方ですよ。いわゆる南雲派の人たちですね。」

 

「ハハ、なるほど、退学したのは南雲派の奴らだったか。たしかにそれなら合点はいく。奴が対策をしないわけがないか」

 

「私が関わってるって知っているのは2人だけ。楓花さんと綾小路くん。他の人は2年生から退学者が出たという情報だけ知ってる人がほとんどじゃないですかねぇ。」

 

「一年ほどまえ南雲に反発した17名が退学になっている。2年生はまたかという認識だろうな。」

 

「情報提供者には事欠かないので知っていますよ。爆弾も仕掛けている事ですし。あとは着火のみですかね。」

 

「南雲を退学させる気かね」

 

「ええ、後々は。散々使い倒してボロ雑巾のようにして捨ててあげますよ。あの小物にはそれが似合ってますから。」

 

「南雲がボロ雑巾か面白いな。その時を楽しみにしてるよ。」

 

「はい、ぜひ」

 

彼女達の間に沈黙が流れる。

 

 

そこには二人の静かな笑みだけを残して。




なるべく早く頑張ります

後日談

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