野球神様に誘われて人生やり直しました ~パワフルプロ野球の世界に転生~   作:駿州山県

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急な展開で申し訳ありませんが、今話から話は覇堂高校に変わります


2章 1話 覇堂高校1

 

明日天空中央高校と甲子園の決勝戦で戦う。だと言うのに俺はずっと気になっていたことがあった。

覇堂高校の木場嵐士のことだ。最初俺たちはスバルをあんな状態にしたあいつを憎んでいた。あいつ憎し、あいつに勝つため頑張っていたのも嘘ではないと思う。

だがライバルとして認識されて、面と向かって勝負を挑んで、甲子園予選の決勝戦で戦って……多くを話すようになって、やつのことが少しずつわかっていった。

木場嵐士は決して悪いやつじゃない。それどころかスバルを認めて、実力があるのになぜ頑張らないのかと彼なりに叱咤激励していて、その方法は間違っていたかもしれないけど、それを俺たちは最後の最後で汲むことができた。

だから、どうしても気になってたまらなかった。もし立場が違えば……。

 

『じゃあ、行ってみようか』

 

そう思ってしまったからか、またもやつの声が聞こえた。

 

「待て! 今は明日の甲子園の決勝戦が!」

 

『ダメダメ。そんな状態で勝てるわけないって。

 じゃあ、行くよー』

 

その声を最後に俺の意識は途切れた。眠くなったとは明確に違った。

 

 

 

俺は覇堂高校に入った。

中学で野球を頑張っていた俺は、全国から強者の集まるこの覇堂高校になんとか入学することができた。

覇堂高校の練習は全国屈指と言われるほど厳しく、辞めていく仲間も多い中なんとか諦めることなく続けることができた。

チームは木場と星井の二人に引きずられてどんどん成長し、全国屈指のチームになった。

俺はまだレギュラーを勝ち取れていない、だが……木場と星井と一緒に甲子園に行くため、一層気合をいれて練習をすることにした。

 

「パワプロくん、とうとうオイラたちも念願の一軍に昇格したでやんすね」

 

苦しい練習を一緒に耐え抜いた矢部くんが隣で言う。

あれ? 矢部くんってパワフル高校に入学してるんじゃなかったのか?

そう疑問に思ったのだが、なぜかすんなりと受け入れてしまっている自分がいた。

 

「そうだな矢部くん。

 だがここからが本番だ。

 もっと頑張ってレギュラーを目指さなければ!」

 

そう二人で気合を高めていると、

 

「パワプロせんぱぁーいっ!

 昇格おめでとうございまぁーす!」

 

部室のドアが開けられると同時に元気な声が入ってきた。

木場の妹の木場静火だ。

 

「ありがとう、静火ちゃん」

 

パワフル高校の時にも思っていたが、この子……本当にかわいい。

 

「アタシ、先輩のこと応援していますから。

 サポート、超はりきっちゃいますよ!」

 

「静火ちゃん、静火ちゃん。

 オイラも1軍に上ったでやんすよ?」

 

「あーそーですねー。

 おめでとーございまーす」

 

俺との会話を邪魔された静火ちゃんは矢部くんに適当な返事をしていた。

 

俺に向けられた好意的な言葉にデレデレしていると、

 

「所信表明が始まるぞ!」

 

今日は木場がキャプテンになって初日だったので、みんなで集まることになっていた。

キャプテンが木場,副キャプテンは星井。その説明があり、二人からの話が始まった。

 

「前の代では甲子園には出場したものの三回戦敗退。

 優勝は果たせなかった。

 先輩たちの悲願はボクらの代で果たそう!」

 

スバルの……いや、星井の気合の入った言葉にみんなは拍手をすると同時にそれぞれ気持ちを高ぶらせていた。

覇堂高校に入学することになった瞬間、俺とスバルは子供の時からの親友ではなくなってしまっていた。

どうやらストーリーが都度変わるらしく、スバルのあの時の記憶も当然のようになくなっていた。よって、呼び方もスバルではなくて星井だ。

 

「キャプテンに任命された木場嵐士だ。

 てめえら、わかってんだろうな?

 オレたちでテッペン獲るぞ。

 覇堂の練習は日本一、つまりオレたちが一番強い!

 ガンガン行くから気合入れろよ!」

 

星井とは全く異なる、感情重視だったがそれでもチームメイトは星井の話と同様気を昂らせていた。

流石チームを引っ張る二人だと思う。

 

「気合なんて一時的なものだ。

 具体的な方針を言ってもらわないとな」

 

だが、そんな中反対的な意見を述べる者もいた。

キャッチャーの水鳥だ。星井より論理的でクール。だが頼れるキャッチャーだ。

 

「盛り下げるね水鳥くん。

 嵐士を信じて、みんなでがんばろうよ!

 

反面、とても軽い感じの者が金原。能天気な感じであるがこいつが曲者で足は速いしミートもとても上手い。

そう言えば、覇堂の1番はこいつだった!

 

「まずはランニング10周、行くぞ!」

 

木場の合図で練習が始まった。

ただのランニングでさえ気合が入る。そんな中一人だけ違う者がいた。

 

「どうしたんだ星井。

 声が出てないぞ?」

 

副キャプテンのはずの星井の元気がなかった。

 

「さっき、ボクは木場と同じことを口にしたんだ。

 だけど木場が言うとみんなの瞳に炎が灯ったんだ。

 その差について考えていた……」

 

パワフル高校の時、星井は言っていた。

木場に負けたと。この時からすでにその予兆があったのかもしれない。

 

「良くも悪くも木場は野球バカだからさ。

 細かいことは気にせずに頑張っていこうぜ!」

 

そうフォローしたが、星井は完全には納得してない様子だった。

 

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