あなたが結月ゆかりになって弦巻マキに食われる話 作:Sfon
昨日、いただいた感想ほぼ全件に返信しました。今後も逐次返信していくので、ぜひ感想をよろしくお願いいたします。
砂浜にはすでに大きなパラソルが二本立てられており、レジャーシートまで敷かれていました。スタッフさんがやってくれたようで、パラソルの下で休んでいます。あなた達が来たのに気づくとバトンタッチして、施設へと戻っていきました。
あなたはとりあえずパラソルの下に座り、みんなを眺めることにしました。風が吹いているのでそれほど暑くもなく、東京の方が過ごしにくい気がするほどです。視界の先では茜ちゃんと葵ちゃんがさっそく海に入って遊んでいます。イアちゃんはパラソルを挟んで隣に座り、マキさんは持ってきたカメラで琴葉姉妹を撮影しているようです。
貝殻を拾ったりして遊んでいる琴葉姉妹を眺めていると、隣のイアちゃんから声を掛けられました。視線を向けると、イアちゃんがレジャーシートにうつぶせになって背中の紐を解いています。
「ゆかりちゃん、背中に日焼け止め塗れなかったから、塗ってもらえないかな?」
日焼け止めを手渡してきたイアちゃんの体はあなたから見ても華奢で、身長もあなたの方がわずかに高いですから、ほかの面々とは少し違った印象を持つでしょう。誰よりも白い肌をしており、腕も腰も首も病的ではない程度に細いので儚い印象を持たせます。
イアちゃんもあなたに対しては常にタチですから、基本的に背中を見せることはありません。そういう場であればもともと心構えができているので多少はマシでしょうが、今回のように不意打ちだとかなり面食らうでしょう。
マキさんの様子が気になり横目で確認しますが、琴葉姉妹のすぐ近くでの撮影に夢中であなた達がちょっと何かした程度で気づく様子はありません。あなたは一つ深呼吸をして、日焼け止めを受けとりました。
日焼け止めを背中に出し、邪念を一生懸命に排除しながら手のひらで塗り広げていきます。今はそういう場でないのでよこしまな視線を向けるのはイアちゃんに悪いですし、きっと彼女もそんなことを考えて頼んではいないでしょう。
そうは言ってもマキさんに塗ってあげたときとはまた違う手の感触で、あまり肉がついていないスレンダーな体つきではありますが、女の子には変わりないので柔らかさはあり、そしてなんといっても時折漏らす息が色っぽくて胸が高鳴ります。
下半身に近いところを触るのに抵抗があったあなたは触るのを肩甲骨当たりまでにとどめていましたが、すぐにイアちゃんからクレームがついてしまいました。
「ゆかりちゃん、もうちょっと下の方までお願い」
そこは自分でも塗れるだろうと文句をつけますが、塗りムラがあったら嫌だからと説得されてしまいました。反論したくはあるものの、確かに塗りムラによる指の跡が付くこともないとは言えません。
腰まで塗っていると、自然とイアちゃんのお尻が視界に入ってしまいます。そんなにまじまじと見たことが無かったですが、誤って触れてはいけないので見ずに塗ることはできません。
「ゆかりちゃん、どうしたの?」
どうやらあなたの初々しい反応に気づいたようで、イアちゃんはあなたをからかい始めました。あなたの方に向けた彼女の表情は、できるだけ抑えているもののちょっとニヤけているように見えます。
追撃とばかりにお尻をクイクイ振ったり、太ももを開いたり閉じたりするものですから、お尻の間に水着が挟まってシルエットが浮き出てきました。ほっそりとした太ももやふくらはぎにも視線が行ってしまい、ここまでされては誘われているのが明白です。どんどん耳元が熱くなり、居心地が悪くて足をムズムズさせてしまうでしょう。
あなたは流石に耐えられなくなって手を引くと、新たなリクエストがイアちゃんから飛んできます。
「水着の紐、結んでくれない?」
もう耐えがたくなっていたあなたは半ばヤケになり始め、手早く結んであげてそそくさと距離をとりました。体を起こしたイアちゃんはあなたを見てニヤニヤしていますが、努めて知らないふりをします。
「ゆかりちゃんは照れ屋さんだねぇ~」
些細な抵抗をするあなたにイアちゃんはにじり寄ると、耳元の髪を触られました。そしてそのまま耳を撫でられ、囁かれます。
「ゆかりちゃん、耳、真っ赤だよ?」
彼女の指先は魔法がかかっているのではないかと思うほど、あなたの体を繊細に刺激して、背中に痺れを流し込みました。思わず鼻から大きく息を漏らし、身震いしてしまうでしょう。気が付けば思考が回らなくなっており、すっかり受け身の体制になってしまいます。
唇はくっついてしまい、声を出すこともできません。腕は縮こまり、イアちゃんがパーカーの上から肩を撫であげた刺激をこらえようとして、袖を握りしめます。
いつの間にかイアちゃんはあなたの腰へお腹をくっつけ、あなたのお尻を太ももで挟むようにしてあなたと密着しています。そして右の太ももが撫で上げられてそちらに意識が向かった隙に、彼女の左手がパーカーの下に入ってあなたのお腹をさすり始めました。
「ゆかりちゃん、今なら……」
「はーい、そこまででーす」
いよいよかと体をこわばらせていると、図ったようなタイミングでマキさんからの助けが差し伸べられました。イアちゃんは不満げにしながらも、素直にあなたから離れていきます。
「もうちょっと楽しませてくれてもいいじゃないですか」
「車の分と合わせたら十分楽しんだでしょ? それに今晩だってあるんだから」
聞き捨てならないセリフがあったような気もしますが、とりあえずこの場は鎮められたようです。
気分転換のためにあたりを少し散歩しようと立ち上がると、マキさんに引き止められます。
「あ、ゆかりちゃん、パーカー脱がないの? さすがに暑いと思うけど」
確かに暑いことは暑いですが、我慢できないほどではありません。それよりもパーカーを脱ぐこと自体に抵抗がありました。パーカーを脱ぐということはもちろん水着姿をさらすということになりますが、水着姿というのが思ったよりも恥ずかしいのです。
ボディラインが出るのはもういつものワンピースで慣れっこですが、太ももが付け根まで出たりへそが出たりする経験は今までありませんでした。周りにいるのが見知った間柄だけだとは言え、それとこれとは別の話です。
あなたが渋っているとマキさんが立ち上がったあなたの目の前にやってきて、両肩に手を置きました。いつになく真剣な表情を見せている彼女は流石にからかえません。ちょっと面食らっているあなたに、彼女が話しかけます。
「今までは無かったけど、人気がもっと出てきたらどんどん撮影のお仕事も増えてくると思う。写真集だって出るかもしれないし、ドラマや映画のお仕事だって出てくるかもしれない。私たちはそういう時に求められた役をちゃんとやらないといけないし、事務所がNGを出さなければ基本的に受けるっていう気概は必要だと思うんだよね」
確かに、人気のある女性声優が写真集を出すのはそれほど珍しいわけでもありませんし、夏なら水着だって着ていてもおかしくないでしょう。かなりの納得感があります。これはマキさんが正しいだろうと胸を張って言えるほどです。
すっかり腹落ちしたあなたは覚悟を決めました。その表情にマキさんも気づき、柔らかく笑みを浮かべます。気づけば彼女の後ろに茜ちゃんや葵ちゃん、イアちゃんも立っており、優しく微笑んでいました。
「というわけで、ゆかりちゃんの水着撮影会を行います!」
余談ですが、笑顔の根底には威嚇や攻撃があるそうです。
マキさんにカメラを向けられ、ほかの面々からも熱い視線を受けながらパーカーを脱ぐというのはかなり緊張するでしょう。あなたの一挙手一投足を観察されており、ちょっと指先を動かせば、そのたびにマキさんが持つ一眼レフの連写音が鳴り響きます。
パーカーのチャックを下げ、思い切って一気にパーカーを脱ぐと誰かが「おぉ……」と声を漏らしました。彼女たちの視線があなたの首筋から胸元をたどり足先に至るまでを撫で上げ、頬や耳へと熱が集まっていきます。
何とかその視線から体を隠そうとパーカーを抱えてしまいますが、すぐに思い直してすぐ後ろのレジャーシートの上に放り投げました。今のあなたは人前に出るのが仕事です。記者会見の場に水着で現れるグラビアアイドルだっているのだから、身内に水着を見せるくらいなんだ、と自分に言い聞かせます。地面を見つめていた視線も上げて、マキさんが構えているレンズを覗き込みました。
あなたの雰囲気が変わったのに気づいたマキさんは、カメラを構えつつ良いアングルを探し始めます。あなたには写真を撮られた経験なんて宣材写真くらいしかないので、何をすればいいかまるでわかりません。ですから、やる気を見せるという意味も込めて、取ってほしいポーズを聞いてみることにしました。
「おっ、やる気出てきたねぇ~。じゃあ、そうだなぁ……」
それから、マキさん主導であなたの撮影会が始まりました。茜ちゃんや葵ちゃん、イアちゃんもあなたにスマホを向けながらあれこれ取ってほしいポーズのリクエストをし始め、あなたはそれに答え続けます。足をきれいに見せるポーズや腰のラインを見せるポーズなどなど、目的に応じた数多くのポーズを次々に試すにつれて、だんだん自信がついてくるでしょう。
幾らか撮影してはマキさんに見せてもらい、カメラの液晶に映る自分の姿を確認しては改善点をみんなで話し合う。これを何度も繰り返していると、陽があっという間に傾いていきました。
映画のような夕焼け空の下、みんなでマキさんの持つ一眼レフの液晶を覗き込み、今日撮った幾枚もの写真を眺めれば、胸いっぱいに充足感が満ちていくでしょう。あなた一人のポートレート、タイマーで撮った集合写真、あなたが見よう見まねで撮影した、三人それぞれの写真。どの一枚にもエピソードが詰まっています。
「いやぁ……たくさん撮ったねぇ。じゃあ最後に一枚、気軽に集合写真を撮って終わろっか」
太陽は今にも水平線に接しそうで、あと数分もしないうちに空が染まるでしょう。マキさんは三脚を立て、カメラを取り付けて波打ち際に向けました。
あなた達はカメラの前に向かい、マキさんに言われた場所へ腰を下ろしていきます。昼間は痛いほどに焼けていた砂浜ですが、既に熱を失いかけていました。
あなたはカメラの真正面に女の子座りをして、葵ちゃんと茜ちゃんはあなたの左右に腰を下ろします。二人ともあなたの太ももに手を置き、あなたの手を握ってしなを作りました。イアちゃんはあなたの右後ろで膝立ちになり、あなたの肩に手を置いて体を寄せます。
「よーし、良い感じ! じゃあいくよー!」
タイマーをセットし、マキさんが小走りであなたの左後ろにやってきて膝立ちになりました。イアちゃんと鏡合わせになるようにして肩に手をかけ、顔をあなたの耳元まで近づけます。
シャッターが切られるまでの時間は思いのほか長く感じますが、変な顔で映らないようにと自然な笑顔を意識して保ちます。早く早くと願っていると、カメラから断続的な電子音が鳴り始めました。もうすぐシャッターが切られるのでしょう。
電子音に耳が向かっていたその時、不意にマキさんの囁き声が流れ込んできます。
「ゆかりちゃん、水着、とってもかわいいね。すっごく似合ってる」
シャッターが響いた時、左頬に熱を感じました。そして視界一面が夕暮れに染まった空で埋め尽くされ、自分が今砂浜に仰向けになっていることに気づくでしょう。
起き上がろうとしてもできません。おなかの上にはマキさんがまたがり、両腕を頭の横で掴まれています。頭の上にはイアちゃんの顔が逆さにうつり、上から覗き込まれているようです。困惑しているあなたに、マキさんが顔を近づけて言い放ちました。
「ゆかりちゃん、無防備すぎ。写真撮りながらずっとお預け食らってたんだから、覚悟してね?」
直後、あなたの唇が熱に包まれると、なにかが吸い出されていきました。それは意識かもしれませんし、理性などといわれるものかもしれません。少なくとも、体を洗うのにかかる時間はこれで延びたに違い無いでしょう。