場所を移して近くの喫茶店。私なりに集めてきた埼玉県内の高校のパンフレットを広げて雷轟と話し合う。
「とりあえずどこの高校に行くかだけど……。まず野球が強いところは避けた方が良いね」
「どうして?」
「大きな理由は雷轟が初心者だから。よしんば入れたとしても、碌に守備も出来ない雷轟だとずっとベンチ外だろうね」
「酷いよっ!!」
「そもそもの話、強豪校が求めている人材は実績がある選手なんだよ。だから実績のじの字もない初心者は基本的に歓迎されない」
(まぁ例外はあるだろうけど……)
とりあえず雷轟が強豪に入るのが無理という理由で梁幽館、咲桜、美園学院、椿峰は駄目だね。そもそもウチのシニア出身の人が入るし。可能なら誰とも被らない高校で私自身の実力も磨いていきたいしね……。
「じゃあここは?柳川大附属川越高校……通称柳大川越!朱里ちゃんが入ってるシニアにも近いよ!」
「私基準で決めるんじゃないでしょ?雷轟が行きたいと思うところじゃないと……」
しかも柳大川越って去年の秋大会でベスト8まで勝ち進んでるよね?勢いに乗りたいだろう柳大川越から見ても、そこらの強豪と考える事は同じだろうし、止めた方が良さそうだね。
「そっかぁ……。でもどうしようか?」
「まぁ理由なんて簡潔な方が良いんじゃない?家から近い……とか、校風が良い感じ……とか」
「う~ん……!」
(悩んでるなぁ……。煮詰まり過ぎるのも良くないし、一旦休憩にしようかな)
休憩にしようとパンフレットを纏めていると、雷轟の目が1つのパンフレットに行った。
「この高校……!」
「ど、どうしたの?」
「制服が可愛い!!」
「えっ……?」
「決めた!ここの高校にする!強豪とかそんなのどうでもいい!強豪だったら、頑張って頑張って上手くなる!ここに決めた!!」
凄い勢いで進路先が決まった!?制服の可愛さで決めるっていうのも今時の女子って感じがするな……って、この高校は……!
「……雷轟、本当にここに進学するの?」
「うん!」
「そう……」
雷轟の決意は固そうだ。さっきまで頭を抱えていたのが嘘かのような即決っぷりだね。
(去年に不祥事を起こして野球部は停部と1年間対外試合禁止、それに加えて次々と部員が辞めて行っている(二宮調べ)……か。余り良い反応はされなさそうだ)
しかしそれでも雷轟が進むと言うのなら、私はそれに着いて行き見届けよう。雷轟遥の行く末を……!
「進学先……決まったね」
「うん!なんかピンと来たんだよ!良い出会いが待ってる気がする!!」
「何それ……?」
雷轟の言ってる事はよくわからないけど進路も決まった事だし、私は私で色々と準備をしておこう。
(今投げている球が通用しなくなった時に備えて、新しい球種の開発を二宮の意識外からしておこうかな。敵に回る事も確定したしね……)
私と雷轟の進学先は……新越谷高校だ!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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