最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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VS前橋シニア②

暮羽さんの速球系2種と対極のスローカーブ……。これ等を上手く攻略しないと、前橋シニアに勝つのは不可能だ。

 

「あんなスローカーブがあるなんて聞いてない~!完っ全に速球系を意識してたよ!」

 

バッターボックスからおめおめと帰って来た金原がぶーたれる。まぁ予想外ではあったよね。尤も二宮なら既に知ってそうだけど……。

 

「瑞希ちゃんなら暮羽さんの球種の把握はしてそうだけど……」

 

「あのスローカーブはわかっていたとて、簡単に打てる代物じゃないね」

 

そうなんだよねぇ……。決め球っていうのはわかっていても打たせない自信のある球なんだ。今の私にはまだそれが宿ってないけど、暮羽さんにはあのスローカーブがある。しかも左投げだから、左打者が当てるのは難しい。そうなると期待出来るのは右打者なんだけど……。

 

「いずみちゃんと亮子ちゃんは打つのてこずりそうだね。あのスローカーブは……」

 

「う~ん……。確かにアタシも亮子も左打ちだし、届かないねぇ……」

 

「暮羽の投げるスローカーブは左打者には決して届かせないようにコントロールされているし、まだ右打者の方が希望は持てるだろう」

 

ウチの優秀の左打者2人にそこまで言わせる程の実力を暮羽さんは持っている。正直嫉妬しちゃいそう……。

 

「そんな物欲しそうにしなくとも、朱里さんは実力者ですよ」

 

あれ?二宮に考えを読まれた?

 

「だね~。そもそも実力がなかったら、ウチでエース張れてないって☆」

 

「そうですよ!朱里せんぱいはもっと自信を持ってください!」

 

金原と橘にここまで言われるとは……。なんか情けない。

 

「……朱里ちゃんはリトル時代に肩を壊してからずっと自信をなくしてるんだよ。自分を過信しても何も良い事がないって言うようになったんだ」

 

「丁度その頃からでしたね。朱里さんが消極的になったのは」

 

(尤も朱里さんの場合は同時期に大切な人が目の前で殺されてしまった……というのが1番大きいでしょうが)

 

リトル時代に色々あって、私は自分に自信が持てなかった。私は……少しは自信を持っても良いのかな?

 

『アウト!チェンジ!!』

 

初回は三者凡退。暮羽さんの投げる球を決め打ちするのは難しそうだ。

 

「行きますよ朱里さん。こちらも相手打者を捩じ伏せましょう」

 

「了解」

 

私の球を二宮が上手くリードする事によって、相手打者をきりきりまいにする事が出来る。私はシニア全国で1番奪三振を稼いでいるけど、それは二宮の尽力が大きいんだよね。

 

(二宮の上を行く球を私なりに開発していかないと……!)

 

無理をしない程度に、私は二宮に知られないように新しい球種開発を努めるとして……。今はこの局面を乗り越える必要があるね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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