私達のシニア3年間の試合は全て終了した……。色々とあったけど、総合的に見て楽しかった。楽しかったんだけど……。
『朱里先輩!』
『和奈先輩!』
「わっ!わわっ!?どうなってるの!?」
今私と清本は後輩達に囲まれて、もみくちゃにされている。あ、汗が出て来た……。
「まぁ帰ってきたらそうなるよね~。朱里と和奈は☆」
「2人共シニア史上初の大記録を残したからな。一応私といずみも女子選手としては並の男子選手以上の活躍はしている筈だが、あの2人を見ると、それが完全に霞んでしまう」
金原と友沢が完全に傍観に入っている……。見てないで止めてくれない?
「改めまして、これが和奈さんと朱里さんが残した記録になります」
一旦落ち着いたところで、二宮から私と清本の成績が発表された。
清本和奈
打率 6割7分2厘(リトルシニア累計)
安打数 210(リトルシニア累計)
本塁打数 200(リトルシニア累計)
打点数 480(リトルシニア累計)
盗塁数 11(リトルシニア累計)
四死球 71(リトルシニア累計)
まずは清本の成績。数字にして見ると、驚き以外の言葉が見付からない……。打ったホームランの数と総合安打数が可笑しいんだけど!?
「ヤバいねこれ……。清本がホームランを打ち始めたのって、嶋田さんの理論を実践してからなんでしょ?」
「そうですね。それ以降は最低でも1試合に2本はホームランを打っています」
うん。改めて聞くと本当にヤバい。こんな化物を嶋田さんは育ててしまったのか……。というかホームランを打ち始める前の清本と比べても色々ヤバい事が改めてわかる。
「地味に盗塁の数が10回越えてるのも凄いね……」
「足の速さは並以上にありましたからね」
並以上に足が速くても、盗塁なんて簡単に出来る訳がないと思うの。
「ここまでが和奈さんの成績です。そしてここからは朱里さんの成績になります」
二宮が私の成績を発表する。自分の成績とか気にした事がなかったけど……?
早川朱里
防御率 0.79
奪三振数 1455
四死球数 7
被安打数 16
披本塁打数 1
自責点 1
こ、これが私の成績……?
「これに加えてノーヒットノーランが50試合、その内訳30試合が完全試合です」
「ちょっ、ちょっと待って!?私ってそんなに三振取ってたの!?」
「朱里さんがシニアで投げた試合は紅白戦合わせて70試合で、朱里さんが取ったアウトはほぼ全て三振です」
「そ、それにしたって1455って……」
「常人ではありえない奪三振数……。それを可能にしていたのが朱里さんの投げるストレート(に見せた変化球)です」
「……っていうか朱里って逆に誰に打たれたの?」
「自責点の要因は和奈さんですね。そして朱里さんからヒットを打ったのが亮子さんが3本、和奈さんが4本(内1本はホームラン)、私が2本、高橋さんが1本です」
「まだ後輩には打たれた事がないんだね……」
というか三振云々は私悪くないよね?偽ストレートを攻略し切れてない相手が悪いよね?
「身内に打たれた披安打数が合計11……。あとの5本は?」
「この数字も私が知る限りですので、正確とは限りませんが……。風薙さんが2本、フロイスさんが2本、十文字さんが1本ですね」
風薙さんとフロイスさんのやつって非公式じゃん……。お遊びじゃん……。じゃあ実質-4本だよね?ちょ、ちょっと色々と怖くなってきた。
「そんな朱里さんと和奈さんには今でも尚引く手数多のスカウトが押し寄せていますが、2人はもう既に進学先を決めたのでしょう?」
「う、うん……」
「そうだね……」
そういえばまだ二宮には私の進学先を言ってなかったっけ……。でも清本も二宮には言ってないみたいだし、二宮が敵に回るとわかっているからなのかな……?
「そ、それよりも私達も引退じゃん?後輩達に引き継ぎをしないと……」
「そうですね。ではいずみさん、お願いします」
「はいはーい!じゃあちゃちゃっと済ませちゃおっか☆」
そこからは金原の主導によって引退式、引き継ぎまでスムーズに行われた。
(ああ。私のシニアでの野球はもう終わったんだなぁ……)
色々と衝撃的な部分もあったけど引退した身だし、ここからは受験勉強と平行して体力作りと新球種の開発に勤しもうかな……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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