シニアを引退して数ヶ月。私は雷轟と一緒に新越谷高校へと赴いている。目的は受験の合否確認の為だ。
「う、受かってるかなぁ……」
「そんなに緊張しなくても良いよ。もう出来るのは自分を信じるだけなんだしさ」
それに雷轟が受かってないんだったら、私も受かってないよ。余り認めたくないけど、雷轟は私よりも学力高いんだもの。学年トップクラスなんだもの。中学違うけど……。
「……とりあえず番号が張り出されていると思うし、見に行こうか」
「すぅ……はぁ……!」
深呼吸をしている雷轟を連れて、合格番号が張り出されている講堂へと向かった。室内に張り出されているのか……。
番号が張り出されている講堂へと到着。雷轟の番号が139番、私が147番なんだけど……。
「スリザリン(不合格)は嫌だ。スリザリン(不合格)は嫌だ。スリザリン(不合格)は嫌だ。スリザリン(不合格)は嫌だ……!」
なんか隣で呪文を唱え始めたんだけどこの子。なんか私まで不安になってきたじゃん……。
「あった……。グリフィンドール(合格)だーっ!!」
「良かったね。私の番号もあったし、無事に合格したよ」
スリザリンだのグリフィンドールだのはよくわからないけど、まぁ受験成功して良かったよ。
「よーし!合格祝いのバッセンに行こうっ!!」
「そこは何か食べに行くんじゃないんだ……」
まぁこの後は練習予定だったし、雷轟のモチベーションを保つには大切な事か……。
「行こ?朱里ちゃん!」
「……そうだね」
私と雷轟の新越谷受験は成功という形で終わった。
新越谷高校の現状が現状なだけに、私達2人の高校野球がどうなるかはわからない……。でも雷轟が言うように、きっと……私達の運命を変える出会いが待ってるんだと思う。
リトルシニアとはまた違う仲間達との出会い、ポジション争い、そして苦楽を共にする事になると思う。かつてのチームメイトは散り散りになる訳だしね。
(私と雷轟の高校野球が良いものになりますように……!)
そう強く願いながら、私は今日も野球をする……!
所変わって、川越シニア。
「今頃朱里ちゃんの受験が終わった頃かなぁ……」
「そうですね。まぁ朱里さんは要領が良いので、不合格……等という無様な結果にはならないでしょう」
OGとしてチームに顔を出しに来ている早川朱里のチームメイトである清本和奈と二宮瑞希が朱里の受験について話していた。
「でも朱里ちゃん、最後までどこの高校を受験したか言わなかったね……」
「朱里さんにとっての高校野球は既に始まっているのでしょう。敵になる私達に情報を与えない……。戦いで相手に情報を与えないのは大切な事です」
「朱里ちゃんはギリギリまで悩んでたって言ってたよね。私達にどこの高校に受験するかを聞いて、参考にするつもりだとも……」
「……それすらも朱里さんの作戦なのでしょうね。相手の情報を引き出し、自身の情報は極力与えないところが厄介なところです」
(それって瑞希ちゃんの影響を受けたんじゃないかなぁ……。6年間バッテリーを組んでた訳だし)
「何れにせよ朱里さんは敵に回りました。シニア最強の投手が……」
「……だね。私達も散り散りになるけど、1番警戒しなくちゃいけないのは朱里ちゃんだよね。いずみちゃんとか亮子ちゃんもそう言ってた」
二宮と清本は朱里への警戒を最大限にまで強める。かつての仲間だった頼れるエースは進学すると敵に回る……。その意味を最も重く受け入れたのは6年間朱里と同じチームだったこの2人なのだ。
「きっと高校でも朱里ちゃんは更に手強くなってるよね」
「そうですね。ですがそれを越えるのが、朱里さんの敵になる私達の役目です」
「悪役だね……」
「……無論、高校では和奈さんとも敵同士ですよ?」
「わ、わかってるよ!」
かつての仲間が今度は敵に。この川越シニアでは主力選手達が全国の様々な場所に散っていく……。
果たして誰が勝利の栄光を勝ち取るのか……。最強のチームを作り上げるのか……。
野球女子の物語はまだ始まったばかりなのだ……!
遥「これで過去編は完結だね!」
朱里「全122話か……。サクッと終わらせる予定だったのに、どうしてこんなに長くなっちゃったのかな……」
遥「私は出番が少なくて不満だよ!主人公なのに……!」
朱里「この小説は完結してるから、あとは続編か番外編を待つばかりだね」
遥「それではこれにて川越シニア編はこれにておしまい!」
朱里「ありがとうございました」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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