最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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☆7の評価をくださった東方魔術師さん、ありがとうございました!


2回戦に向けて

影森との試合時間は1時間7分。コールドゲームになったとはいえやはり短い試合時間だった……。

 

「やー、それにしても息吹ちゃんはいつの間にあんなシンカーを覚えたの?」

 

「朱里に教えてもらってね……」

 

「私はあくまで握りとフォームを教えただけ。あそこまで曲がるようになったのは紛れもなく息吹さんの力だよ」

 

私と武田さんは息吹さんのダウンに付き合っている。途中で影森高校の人達を見掛けた。

 

(次に対戦する時はもっと手強くなっているかな……)

 

中山さんは2年生だった筈だから、来年の夏までにまた当たるかも知れないね。

 

「あっ、いたいた。お~い!朱里ー!」

 

背後から金原の声が聞こえた。二宮とあの子もいるし……。

 

「金原……。わざわざ県外から私達の試合を見てたんだね」

 

「もっちろん♪私達のチームの元エースのいるところは応援したくなるからね。瑞希に至っては自分の試合をブッチするつもりだったみたいだし☆」

 

「バッテリーを組んだ相手ですから当たり前です」

 

そんな当たり前私は聞いた事がないけどね……。

 

「朱里ちゃん、初戦突破おめでとう!」

 

私に労いの言葉をかけたのはリトルとシニアで6年間ずっと一緒だったチームメイト。

 

「あっ……。そっちの人達は初対面だよね。私は朱里ちゃんと6年間同じチームで野球をしていた清本和奈です。高校は京都にある洛山高校です」

 

「き、京都からよく応援に来たわね……」

 

本当だよ。東東京と西東京でも遠いのに……。しかも自分達の試合だってあるだろうに……。

 

「……まぁありがとね。なんとか初戦に勝つ事が出来たよ」

 

「朱里とヨミを温存する余裕があった癖に☆」

 

武田さんは7回があったら投げる予定だったけどね。その前にコールドで試合が終わったけど……。いうか金原はいつの間に武田さんを名前で呼ぶようになったの?

 

「そういえば清本さんって朱里ちゃん達がいたシニアではどんな活躍してたの?」

 

武田さんが清本の活躍が気になったのか私に訪ねてきた。

 

「清本はリトルシニアでずっと4番を打っていたよ」

 

「リトルシニアでのホームラン数が通算200本越えのスラッガーです」

 

私的に雷轟が目指すスラッガーになるには清本のバッティングを見てもらいたいところなんだけど、どうやってその機会を作ろうか……。

 

「よ、4番!?」

 

「ホームラン数200本越え!?」

 

息吹さんと武田さんは清本の成績を聞いて凄く驚いていた。まぁ気持ちはわかる。

 

「驚くよね~?こんなにちっちゃいのが4番打ってる事に☆」

 

清本は小学生から身長伸びなかったもんね……。

 

「ち、ちっちゃいって言わないで!瑞希ちゃんも大して変わらないじゃん!」

 

「何故私を巻き込むんですか……。確かに白糸台の野球部の中では私が1番小さいですが……」

 

「和奈、身長何センチだっけ?138?」

 

138は確か清本がシニア内で最後に計った時の身長だっけ?

 

「140いってるもん……。み、瑞希ちゃんは何センチなの?」

 

「この間計った時は143センチでした」

 

「瑞希、和奈、そういうのはどんぐりの背比べって言うんだよ?」

 

二宮と清本はシニアでもかなり小柄の部類なんだけど、それでも男子達がいる中でレギュラーを勝ち取った実力者。そしてそれぞれの高校でもレギュラーで出場……。

 

加えて咲桜、椿峰に行った子達も全体的に見れば小柄ではあるが、同様にレギュラーを取っている。あのシニア出身の連中は揃いも揃って化物の集まりだよ。私?私は普通のつもりです。

 

「いずみさんは私達より大きいからそんな余裕が出るんです」

 

「そうだよ。10……いや、5センチでも良いから私達にも身長を分けてよ!」

 

確かにこの3人が並ぶと金原がずば抜けて大きいように見える。武田さんと同じくらいかな?

 

「あはは……。じゃあアタシ達はそろそろ行くね」

 

「わかった。次に会う時は全国の舞台だと良いね」

 

今の私達が全国に行けるかは未知数だけど。

 

「はづきさんと友理さんにも挨拶に行きましょうか」

 

「そうだね」

 

「次の試合も見に行くつもりだよ。じゃあね~♪」

 

なんか金原がとんでもない一言を残した気がする……。気のせいだよね?

 

皆の所に戻ると凄く怒られた。まぁこれは私達が遅かったから仕方なし。

 

 

~そして~

 

学校に戻った私達は梁幽館と宗陣が戦っている映像を見ていた。最終回で橘が投げている場面だ。

 

『三振!最後は1年生リリーフの橘が決めました!3対2で梁幽館高校が宗陣高校を破り2回戦進出です!』

 

「橘さん……。凄い球を投げるね」

 

「あのスクリューエグすぎだろ!変化が大きい上に左打者に食い込むような曲がり方してるぞ」

 

「それにストレートもかなり速いわね。他の変化球もかなりキレているし……」

 

先発の中田さんが6回まで投げて、橘が決める……。今年の梁幽館は接戦の試合で橘をリリーフで投入するスタンスのようだ。

 

映像を見終わった私達は橘の過去のデータを私なりに分析して私がそれを説明する。

 

「橘の武器はあのスクリュー。スクリューだけでも3種類あるよ」

 

「さ、3種類!?」

 

「まずは映像にあった変化量が大きいスクリュー。橘はこれで奪三振数を稼ぎます」

 

「確かに。あんな変化球をバットに当てられるかわからないものね……」

 

三振を取るスクリューとシニアでは呼ばれていた。三振を取りにいく時は常にあのスクリューで決めている。

 

「次にスライダーとカーブに合わせて投げるスクリュー。1つ目に挙げたスクリューよりも変化が小さいですが、上手く織り混ぜて打者を打ち取ります」

 

「映像で見たスクリューよりも変化が小さいって言っていたけど、具体的にはどれくらいなの?」

 

「映像で見た球だとカーブ、スライダーと同等の変化量だね。特にカーブとの相性が抜群で打者を翻弄させるのを目的としているよ」

 

シニアではカーブ待ちの打者によくスクリューを引っ掻けてたっけ?今思えば敵として見るとこれ程厄介な球も中々ない。

 

「最後にストレートと同速のスクリュー。変化がかなり小さい代わりに変化のタイミングが遅いから、打者はストレートだと思って打ち損じる事が多いです」

 

「それって朱里が前に見せてくれたストレートに見せ掛けた変化球みたいな球の事か?」

 

「ちゃんと変化してる分私の投げるやつとは違いますね。どのスクリューも特に左打者は辛い球となるでしょう」

 

「面白いやん!」

 

3つ目の球は命名高速スクリューってところかな。それに面倒な事に橘が投げる球は私と同じでどの球も同じフォームとリリースポイントだ。

 

(まぁ私はストレートを投げる時だけリリースポイントを変えているけどね)

 

「じゃあ映像も見終わった事だし、早速練習しましょう!」

 

『おーっ!』

 

会議が終わったら梁幽館戦に向けて練習開始!……とその前に。

 

「中村さん、山崎さん、ちょっと良い?」

 

「?」

 

「どうしたの朱里ちゃん?」

 

「ちょっとある対策をね……」

 

私の方でも来るべき梁幽館との試合にある対策を講じる事に。試合で使うかは未定だけど、念には念を入れる必要があるからね。




梁幽館戦……文字数を増やして話数を短くするか、柳大川越戦くらいの文字数で話数を長くするか考え中です……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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