最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

1053 / 1797
アンケートが思ったよりも拮抗していた件……。オリジナルの方の話もある程度は考え付いてはいるけど……。

そんなにオリジナルが見たいとは思わなかったぜ!


県大会2回戦!新越谷高校VS梁幽館高校①

梁幽館との試合……。主将同士によるじゃんけんの結果、私達は先攻となった。

 

「私達は一塁側だね」

 

「開会式よりも広く感じるな!」

 

「フェンス高~い!」

 

「この球場は全試合中継されるらしいわよ」

 

ら、雷轟のエラーをしてる場面がお茶の間で見られるという事か……。この試合では代打で出すけど、3回戦以降がどうなるか考えるだけで冷や汗が止まらない……。

 

「それにしても人が多いな……」

 

「しかも三塁側は……」

 

三塁側の梁幽館sideは人がいっぱい。もうこの時点で私達がアウェーなのがわかる。しかも……。

 

「サード!」

 

「オッケー!」

 

「梁幽館のノックも上手いけど、応援席からの声が半端ねーな」

 

「守備の時にプレッシャーになりそう……」

 

(わ、私ベンチで良かったぁ……)

 

「そういや二遊間は春大とは違う奴等になってるんだな」

 

「セカンドは白井さんで、ショートは高代さん。上位打線に入っているという事は打撃が急上昇したのかもね」

 

「ちなみに彼女達は1回戦でも打率3割以上の成績を残しているよ」

 

「じゃあ春大の2人は控えか?」

 

「いや、応援席だよ」

 

「春大のレギュラーがベンチにも入れないのかよ!」

 

梁幽館は選手の入れ換えが激しいからね……。

 

「常に気を強く持っていこう」

 

「は、はい……」

 

「そうそう。武田さんを見習って」

 

「応援ありがとー!大好きー!」

 

「ヨミには効かなそうだな。プレッシャー……」

 

「頼もしい限りだな」

 

そして次は私達がノックを受ける番。

 

「ショート!」

 

「うわっ!」

 

川崎さんが送球にもたついたり……。

 

「うっ……!」

 

藤田さんが捕球を失敗したりと緊張のせいか思うように守備が出来ていない。

 

(おいおい大丈夫かよ……)

 

(1年生だし、仕方ないよ)

 

ふと三塁側を見ていると梁幽館の選手達が弛緩しているのがわかる。

 

(せいぜい油断しててくださいよ。それが梁幽館の敗因となるだろうからね……)

 

私達のノックも終わり、整列の時間となった。

 

『よろしくお願いします!!』

 

挨拶も終わって試合開始!

 

『1番 キャッチャー 山崎さん』

 

「珠姫出ろー!」

 

(吉川さんの春大の傾向によると格下相手には外中心にストライクをポンポン入れていた。だから……)

 

決め球であろうスライダーが来る前に打っておいた方がヒットに繋がる可能性が高い。

 

 

カキーン!!

 

 

山崎さんも同じ事を考えていたのか、初球打ちでセンター前にヒット。

 

「流石全国経験者!」

 

「ナイス!タマちゃん!」

 

(スライダー打ちの練習はしたけど、試合では好球必打……。正直ストレートは朝倉さんとかと比べるとなんとか打てる!)

 

とはいえ山崎さんのように上手くいく可能性はそこまで高くないだろう。

 

『2番 セカンド 藤田さん』

 

(珠姫やるわね……。さぁ、サインは……?)

 

藤田さんが芳乃さんのサインを待っているが、芳乃さんは考えている。

 

(折角のランナーを危険に晒す事なく希ちゃんに回したい……。それならバント?でも簡単にアウトをあげて良いものか……?)

 

「ね、ねぇ。朱里ちゃんならこの局面はどうする?」

 

芳乃さん?私に聞くって事はもしかして相当悩んでる?

 

「……私ならここはバントだね。梁幽館の守備力が高い以上一塁を埋めている状態は常にゲッツーと隣り合わせだと思っても良い」

 

「……わかった。菫ちゃんに指示を出しておくね」

 

芳乃さんがここまで悩んでいるのも珍しい。そういえば息吹さんが死球をもらった時からどうも様子が変なんだよね……。

 

藤田さんも初球でバントを決めてワンアウト二塁となった。

 

「ナイスバント!」

 

「プレッシャーの中よく決めたぞ!」

 

「これで希ちゃんに回るわ!」

 

まぁその前に川崎さんがいるけどね……。

 

「稜ちゃん!」

 

「ん?」

 

(小細工無し!稜ちゃんらしい積極的なスイングを!)

 

(わかった!)

 

川崎さんは強攻。最低でもツーアウト三塁の状態なら御の字といったところか……。

 

1球目は空振り。すると川崎さんに野次が飛んでくる。やりにくそうだなぁ……。それでも私達は川崎さんの応援を忘れない。

 

「ナイススイング!」

 

「当たる当たる!」

 

2球目のストレートを打ち抜くもファール。これで追い込まれた。

 

そして3球目は吉川さんの決め球のスライダー。川崎さんはそれを狙って打った。

 

「サード!」

 

2球目のファールでサードが少し下がっている。これはもしかしたら……。

 

(間に合え!)

 

川崎さんのヘッドスライディング。一方サードは投げる事が出来なかった。万が一送球が逸れたら1点取られるだろうし、悪くない判断だ。それでも普通なら投げるだろうけど……。

 

「ナイバッチ!」

 

「稜らしいヒットね」

 

川崎さんらしいヒットってなんだろうか?まぁ私はこういったヒットは良いと思うけどね。

 

(かっちょ悪いヒット……)

 

「良いよ6番~!」

 

「ナイスファイト!」

 

「私、あの6番を応援しよっと!」

 

一般客の掌返しが半端ない。お客様を味方に付けられるならそれに越した事はないけど……。

 

「直前のファールでサードが少し下がりましたね。積極性でもぎ取った良いヒットです」

 

「希ちゃんの前でこれは大きい!」

 

「このまま流れに乗れたら良いね」

 

「うん!取るよ!先制点!!」

 

『4番 ファースト 中村さん』

 

(中村希……。初戦では確か1番だった筈)

 

(恐らく当てるのが上手いタイプ……。三振は取りにくい。丁寧にコースをついて、あとは味方の守備に任せるわよ)

 

(了解!)

 

中村さんに対する1球目は変化の小さいスライダー。2球目をファール、3球目は見逃してボール。これでカウントはワンボール、ツーストライク。

 

(ストライクからボールに落とすわよ)

 

(オッケー!空振っちまいな!)

 

(きた!)

 

4球目はストライクゾーンから外れるスライダー。中村さんはそれを狙っていたようで……。

 

 

カキーン!

 

 

「!!」

 

「よし、先制!」

 

良い感じに打った。これなら抜け……!

 

「……!ランナー戻って!」

 

「えっ!?」

 

『アウト!』

 

中村さんの打球はセカンドの白井さんによるファインプレーでアウトとなってしまった。

 

(あ、朱里の声がなかったら刺されてたかも……)

 

「ごめん……」

 

「ドンマイ!今のは仕方ないよ」

 

(今の打球……。本来なら99%ヒットだった筈。なんで捕れるの?これで希ちゃんを4番にした理由が半分くらいになっちなゃった。それに……)

 

「ドンマイドンマイ!まだチャンスは続いてるよ。主将の応援しっかり!」

 

(朱里ちゃんは今の打球がアウトになると思っていたっぽい。朱里ちゃんの方が私なんかよりも指揮官として優秀だよ……)

 

(芳乃ちゃん……)

 

「キャプテン決めろー!」

 

「キャップー!打ってー!」

 

「いけー!打点マニア!!」

 

打点マニア……?

 

『ストライク!』

 

(ある程度対策されてるのは織り込み済みだけど、どの打者も振れてる……。油断出来ないわ)

 

(そしてこの威圧感……。どう見ても岡田が本命だろ!)

 

吉川さんのストレートを主将は捉えて、二遊間を抜けてヒット。これでうちが先制だ!

 

「ナイスキャップ!」

 

「ありがとうございます!流石打点マニア!」

 

だから打点マニアってなに?まぁそれよりも……。

 

(ランナーが一塁・二塁で私の打席か……)

 

芳乃さんのサインはなし。私を信頼してくれているんだろうか?だとするとそれに応えなきゃいけないな。

 

(ここではづきのお気に入りの早川か……。中軸に入っているって事はバッティングも只者じゃないだろうな)

 

(守備位置は外野がやや前進、内野はやや後退。さっきまでの守備を考えると二遊間に打つのはリスクが高い。それなら私が打つのは……!)

 

(どんなものか見せてもらおうじゃん!)

 

(一塁線、或いは三塁線だ!)

 

 

カキーン!!

 

 

「打った!追加点取れる!?」

 

私が打った打球はファーストの頭を越えた……んだけど……。

 

『アウト!チェンジ!』

 

ライトが打球に追い付いてアウト。さっきの守備位置は内野の頭を越した時に外野がそのカバーをしやすくなる為のシフトって訳ね……。

 

(やっぱり簡単にヒットは打たせてくれないか……)

 

でもこれも想定内。最後に勝つのは私達新越谷だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ……!あのライト守備上手っ!」

 

「先程のセカンドの方もハイレベルなプレーを見せていましたね。梁幽館は春よりも守備がレベルアップしています。それにセカンドの彼女は春の試合には出ていませんでしたから、相当練習したでしょう」

 

「でも1点は先制出来たね」

 

「今日の先発は武田さんですか……。いずみさん、以前に武田さんと対戦した時彼女はどういうピッチングをしていましたか?」

 

「そうだね~。ヨミはアタシから2つ三振を取ったからね。その時よりもレベルは上がっているだろうから、上手く投げればそう簡単には打たれないと思うよ」

 

「いずみちゃんってシニアでもあんまり三振しなかったよね。武田さんって実は凄い投手なんだね!」

 

「おっ、和奈もヨミとやりたいの?」

 

「うん。やってみたい……!」

 

「……その為にまず新越谷にはこの試合に勝ってもらわないといけませんね」

 

「そうだね。どうなる事やら……」

 

二宮、金原、清本の3人はまたもや県外から新越谷の応援に来ていた……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。