最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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県大会2回戦!新越谷高校VS梁幽館高校④

4回表の私達の攻撃。

 

「朱里ちゃんありがとう!」

 

「朱里ちゃん!今のストレート、後で私にも投げて!」

 

「ちょっ、近い近い!同時に喋らないで……」

 

これで最初の問題は終わった……。

 

(あとは武田さんが梁幽館の打線をどう抑えるか……。正直5点以内で済ませてほしいところだけど)

 

それじゃあ打席に行きますかね……!

 

『6番 ピッチャー 早川さん』

 

「お願いします」

 

(1打席目では守備のお陰でアウトには出来たけど、早川には良い当たりを打たれている……。丁寧にいくわよ)

 

(了解!)

 

芳乃さんはノーサイン。なら1打席目の事を考えたら丁寧にカウントを取りに行く筈。それなら……!

 

(いける!)

 

 

コンッ。

 

 

『バント!?』

 

敵どころか味方をも騙すバントで三塁線に転がす。

 

(……って!捕球が思ったよりも早い!間に合え!!)

 

このままだと間に合わないと思って私は決死のヘッドスライディングをした。判定は……。

 

『セーフ!』

 

よし、とりあえず出塁。あとは藤原先輩と大村さんに任せるかな。

 

「ナイススライ朱里!」

 

「結構際どかったですが、無事に出塁出来て良かったです」

 

「しかしバントとは意表を突いたな?」

 

「1打席目で内野の頭を越す当たりを打った影響か内野が後退守備をしていましたので、あとは捕手に捕られない程度に弱めのバントを……と思いました」

 

(……とはいえさっきのは危なかった。3打席目までにまた作戦を立てる必要があるね)

 

次の藤原先輩は良い当たりをさせるもレフトが定位置で捕球した。だけど……!

 

(ただでアウトをあげる訳にはいかないね!)

 

「大田、2つだ!」

 

本来ならタッチアップするには浅いフライだけど、だからこそ敢えて私は不意を突いて走る。

 

「くっ!」

 

『セーフ!』

 

流石梁幽館の外野手。強肩だな……。でもなんとか上手くいった。

 

「ナイスラン!」

 

(不味いですね……。先程のリリーフから朱里さん1人に流れを持っていかれています。敵に回すとこれだけ強大だとは……!)

 

次は大村さん。吉川さんのストレートに対して思い切り振り抜いた。その結果は……。

 

「ああっ!ヨミさんと朱里さんで練習したのに、どん詰まりでした!」

 

(あれで!?あの子初心者だよね?)

 

ショートゴロ……なんだけど、当たりが強いお陰で私も三塁に行く事が出来た。これでツーアウト三塁。

 

あと吉川さんが何を思っているのかなんとなくわかる。野球は初心者とはいえ、他のスポーツ……大村さんの場合は剣道を嗜んでいたからあのパワーが出せた。

 

「私の前にチャンスメイクとは……。皆ナイス!」

 

「ナイス打順調整!」

 

「次の回1番からだな!」

 

(酷くない……?)

 

うわぁ……。武田さんの扱い酷いな。完全に練習試合の打率.050が原因じゃん。

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

そしてそのまま3球で三振してしまい、この回も無得点。勝ち越したかったけど、仕方ないか。

 

「さぁ、この回もしっかり抑えよう!」

 

(なんか武田さんが芸人に見えてきた……)

 

ポジションは変える前に戻って再び武田さんがマウンドに。

 

(やはり朱里さんは投げませんか……。先程の登板は満塁のピンチだったから臨時で……という事ですね)

 

(二宮達も見に来てるし、そう簡単に手の内を晒しませんよ。それに……)

 

今の新越谷のエースはあくまで武田さん。それをわからせなきゃね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石朱里さんですね。流れの掴み方を理解しています」

 

「あのリリーフから流れが新越谷にあるままだしね。敵になると厄介だね~」

 

「でもそんな朱里ちゃんと勝負する為に私達は散り散りになったもんね」

 

「そうだね~。この埼玉だと梁幽館に友理さんとはづきと……」

 

「椿峰に1人、咲桜に1人……。誰かが新越谷を崩すか、それとも新越谷が全国に勝ち上がるか……。何れにせよ私達がぶつかるのは全国の舞台か練習試合だけですからね」

 

「アタシは一足先に新越谷と戦ったけどね♪」

 

「いずみちゃん、羨ましい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4回裏。6番、7番と連続で抑えるも次の8番にヒットを打たれてしまう。

 

(シングルヒットで助かったけど、次の西浦さんはさっきの3人よりも厄介だ。1打席目も綺麗に打たれているからね。だとしたら……)

 

ここで解禁するだろうね。強ストレートか私が教えた球を……。

 

(いくよヨミちゃん!)

 

(うん……。強ストレート……私本来のストレート!)

 

カウントはツーボール、ツーストライク。そしてそこから強ストレートを放り込む。

 

(ストレート……!)

 

 

ガッ!

 

 

当たりは詰まってセンターフライ。しかし……。

 

「落ちた。ヒットだ!」

 

これを見て一塁ランナーは一気に三塁へ。ツーアウト一塁・三塁となった。

 

(しかしまだ流れはうちにある。次の打者は陽さんだけど、今の武田さんなら抑えられる!)

 

ツーシームを見送りワンストライク。陽さんはあの魔球か西浦さんに見せた強ストレートを狙っているみたい。武田さんの強ストレートはあの魔球と同じでそんな簡単には……って!

 

(ど真ん中!?それは不味い!)

 

 

カキーン!

 

 

当たりは三塁線に落ちてファール。危なかった……。

 

(あの陽さんが完全に打ち損じるとは……。やはり武田さんはうちのエースだね)

 

私も負けてられないな……!

 

その後陽さんは強ストレートを待っていたのか、あの魔球を詰まらせてファーストゴロに倒れた。強ストレートはあの魔球と相性が良いみたい。




少し短いけどキリが良いので、今回はここまでです。あと2、3話くらいで梁幽館戦終了予定です。

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