『し、試合終了です!1対3で新越谷高校が王者白糸台高校を破りました!!』
『新越谷高校は洛山高校にも勝利しており、そして白糸台高校を含めて2つのシード校相手に勝利。新越谷の伝説が今日から生まれそうですね。白糸台の常勝はここで終わりますが、白糸台を破った新越谷が優勝に王手をかけ、決勝戦でも良い試合をする事を期待しています』
試合が終わると、白糸台のほとんど……特に3年生の先輩が泣いているのが見られます。特に辛そうなのが新井さんですね。直接敗北に繋がるホームランを打たれてしまったのですから……。
「顔を上げろ!整列が終わるまでが試合だ!そこに勝ち負けなどないぞ!!」
そんな中神童さんが全員に渇を入れます。自分も辛い筈なのに、他の部員を引っ張るその姿は紛れもない白糸台高校野球部のトップでした。
「胸を張れ。私達に勝利した新越谷というチームは紛れもなく強豪だった……。そしてわかっただろう?私達白糸台はもう勝って当たり前の常勝チームではない事を。今日の敗北をしっかりと噛み締め、明日以降の糧にしろ!さぁ整列だ。行くぞっ!!」
『はいっ!!』
目を腫らしている人がほとんどですが、神童さんの一言で少し元気になったようですね。
『ありがとうございました!!』
整列が終わったので、私は朱里さんの所へ向かいます。話しておこうと思う事がありますので……。
「朱里さん、お疲れ様です」
「良い試合だったぞ」
私の後ろには神童さんもいました。神童さんも朱里さんに言いたい事があるのでしょうか?
「ありがとうございます。なんとか逃げ切る事が出来ました」
「早川と武田には一杯食わされたな。新井が未熟な点もあったが、それ以上に2人の好投が勝利に繋がったと思う」
「そうですね。朱里さんがギリギリまで新しく覚えたフォーク、チェンジUP、ナックルカーブの3つがデータになかったのが悔やまれます」
新井さんの精神面、朱里さんの隠していた球種と武田さんの成長……。思えば終始流れを新越谷に掴まれていた気がしました。
(そしてその要因は間違いなく……)
「……私個人としては武田さんの成長がやっぱり大きいと思いますね」
「ほう?」
「神童さん達も目の当たりにしたと思いますが、武田さんの成長速度は凄まじいです。ムラは目立ちますが、それを補うレベルで球種それぞれにキレやら変化量やらが増していってます」
朱里さん曰く武田さんの成長速度はとっくに高校生のレベルを越えている……みたいですね。武田さんはムラさえなければ、神童さんと同等の変化球投手になりそう……というのが私個人としての評価です。
「確かにな……。だが私から見ればそれは早川も同じ事だ」
「私なんて……。今日の試合でも倒れてしまいましたし」
そうですね。朱里さんは倒れてしまいましたね。
「朱里さんがスタミナを付けなければいけないのはリトル時代からの課題にも関わらず、変化球ばかりを覚えて体力が着いていっていないんですよ」
「うっ……!」
全く……。朱里さんは昔から無茶をし過ぎですね。今は山崎さん達に引っ張ってもらいましょう。
「はっはっはっ!早川も二宮の尻に敷かれているな!!」
「……まだまだ言いたい事は山のようにありますが、新越谷の勝利に免じてこの辺りで止めておきます」
今は朱里さんとは別のチームですからね。
「何にせよ私達はこの準決勝で敗退した……。ここまで来たら優勝を目指して頑張ってくれ」
「もちろん決勝戦は応援に行かせてもらいます」
「おっ、良いなそれ」
どうやら神童さんも応援に行くみたいですね。
「それではそろそろ失礼します」
「とりあえず宿舎に戻るか」
宿舎に戻って、新井さんの罰ゲームの実行といきましょうか。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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