最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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観戦

私達新越谷高校はベスト8まで辿り着いた。2日後には準々決勝が待っている。

 

そんな中今日は休みという名目で私達の次の対戦相手の観戦に行く事に……。

 

「私達が見る試合は次に私達と当たる相手だよ!」

 

「大宮大附設か柳大川越か……。今4回表終了時点で2対2の同点だね」

 

「そして今投げているのが……」

 

この試合の先発投手は……。

 

「朝倉さん!」

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

これで五者連続三振との事だ。ピッチングスタイル自体は練習試合の時と変わってなさそうだね。

 

「そんな朝倉さんでも2点取られているのか……」

 

「四球の後に4番がツーランを打ったみたいね」

 

「朝倉さんからホームランかよ……」

 

「大宮大も強いわ」

 

本当にね。その大宮大はCシードで、さっき試合した熊谷実業はDシードとどちらも十分強いはずなんだけど……その更に上に梁幽館とか椿峰とか美園学院がいるから、AシードやBシードのような高いランクに入れないんだよね……わかります。そんな魔境でDシードを勝ち取った柳大川越ってやっぱり強敵なんだよなぁ……。

 

「どっちが勝った方が都合が良いのかしら?」

 

「柳大に決まっとーやんね!」

 

中村さんは柳大にリベンジしたいのか、柳大の勝利を望んでいる。まぁ私としても新越谷が負けた借りを返したいところだね。

 

「確かにリベンジという意味合いでは柳大に勝ってほしいけど、新越谷の相性を考えるなら大宮大の方が望ましいかな?」

 

「そうだね。今のヨミちゃんと朱里ちゃんなら大量失点はないと思うし、隠し玉でもいない限りは何点かは取れそうだし……」

 

「そうやね!私も大宮大が良いと思う!」

 

私の意見の後に芳乃さんが付け加えると中村さんが掌を返す。君は梁幽館戦を見に来た観客か?

 

「あっ、柳大が勝ち越した」

 

「柳大川越はやっぱり朝倉さんの攻略が難しいな。速球派……久保田さん相手でもまともな安打は2、3本だったし……」

 

「でもバットには普通に当たりましたよ。速球打ちの練習はしてきたんだし、次もチャンスは作れると思います」

 

私としては朝倉さんよりも大野さんを警戒した方が良いと思うんだけど……。いや、殆んどの人達が朝倉さんを打てていないから、仕方ないのかも知れないね。

 

『ボール!フォアボール!』

 

それに朝倉さんは先発した場合は中盤以降はやや制球難になる事がある。だから……。

 

「ピッチャー交代だ!」

 

「大野さんですね!」

 

「朝倉さんは3回戦でも4回で降りているよ」

 

「スタミナに不安があるのかしら?」

 

「それもあるかも知れないけど、接戦では大野さんの方が信頼されている可能性が高いね。これまでのスコアでもここ1番の場面では大野さんが投げる事が多いし」

 

「背番号1は実力……という事か」

 

ノーアウト一塁で1打席目にホームランを打った牧田さんか。

 

(外野は長打警戒で、内野はややレフト寄りのゲッツーシフト……。これは大会中の柳大川越の映像を見た時の強打者シフトだ)

 

「皆、守備の動きをよく見ててね!」

 

『ストライク!』

 

「内角高めを空振り!」

 

「初球は守備位置に動きなしです」

 

続く大野さんの2球目を投げる瞬間……。

 

「三遊間を詰めた!」

 

(映像通りだね。だからこれは……)

 

 

カンッ!

 

 

三遊間に痛烈な当たり。シフトを敷いてなければ抜ける当たりだけど……。

 

「ショート追い付いた!」

 

「ゲッツーだ!」

 

「凄いどんぴしゃ……」

 

「厳しいストレートに手を出した打ち気満々の打者に対して、甘いコースから内に食い込む高速スライダー。これは打たせて取りたい時によく使う配球だよ」

 

割と定番ではあるから、覚えていたら上手く対策出来るかもね。

 

「でもシフトで球種がわかるじゃん」

 

「シフトが動くのは投げ始めた後だから、厳しいかもね」

 

「それにわかったとしても今のコースを咄嗟の判断でヒットにするのは難しいわ。ましてや逆を突いて流すなんて無理」

 

中村さんとかなら出来そうだけど、他の人達だと一朝一夕で身に付く技術じゃない……か。それでも全国を相手取るなら今の内に練習しておいた方が良さげだけどね。

 

「練習試合の時も守備位置の良さは感じたからな」

 

「今回は私達の打撃傾向も分析されているし、精度も高そうね」

 

「逆に突破口もあるかも知れないから、帰ったらビデオのチェックもしましょう!」

 

(それにこの組織的守備は制球の良い大野さんと相性抜群だ。結果もちゃんと出ているし……。それに加えて三振でアウトが取れる大野さんとは真逆のタイプの朝倉さん……。柳大川越はこの2人がエースとして機能しているのだろう)

 

柳大川越は県大会を勝ち抜くスペックはある。でも……!

 

(負けるつもりはない。武田さんの対策が入念にされているとしても、まだ武田さんは全てを出し切った訳じゃないからね……)

 

『ゲームセット!』

 

「決まったな」

 

「私達の次の相手は……!」

 

「柳大川越……!」

 

あのまま柳大川越は4対2で大宮大附設から逃げ切った。私達が柳大にリベンジする良い機会だ……!

 

 

~そして~

 

皆が帰り支度を終えて帰ろうとしているので、私もそれに着いて行こうとすると……。

 

「朱里」

 

後ろから声を掛けられた。振り向くとそこには咲桜のユニフォームを着ている1人の女子。咲桜で私を名前で呼ぶ人なんて1人しかいない。

 

「久し振りだね友沢」

 

友沢亮子……。川越シニアでショートのレギュラーを3年間守り切った走攻守優れた天才で、咲桜でも県内最高遊撃手の田辺さんからショートのポジションを勝ち取っている。

 

「私達が当たるなら準決勝だ……。負けるんじゃ無いぞ」

 

「……そっちこそ準々決勝の相手が格下だからって負けないでよ?」

 

「ふっ、愚問だな。例え格下相手でも私達は全力で迎え撃つ。……それに私は咲桜に入って生まれ変わった。その実力を朱里達新越谷に見せてやる」

 

「それは楽しみだね」

 

友沢はその後は特に何も言わず、私達を横切って歩いて行った。

 

「朱里ちゃん、知り合い?」

 

「友沢はシニアからの知り合いで、ポジションはショート。3年間ずっとレギュラーを守り抜いた子だよ。咲桜でもショートのレギュラーだね」

 

「ショートって……。県内最高遊撃手の田辺さんからポジションを勝ち取ったの!?」

 

「それに加えて友沢は咲桜では4番を打っている。この大会でも唯一サイクルヒットを叩き込んだ天才打者だよ」

 

「すげぇな……。そんな奴が私達と同じ1年生かよ」

 

「……何にせよ咲桜と当たるのが楽しみになってきたよ」

 

その前に柳大川越にリベンジしないとね……!




遥「次回はいよいよ柳大川越とのリベンジだよ!」

朱里「果たして私達はリベンジに成功するのか……」

遥「今まで取っていたアンケートもここで締め切るよ!」

朱里「アンケートによって私達が柳大に勝つか負けるか……」

遥「作者的にはもう決まっているみたい……」

朱里「私達の勝利を願いたいね」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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