最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

1066 / 1797
県大会準々決勝!新越谷高校VS柳川大附属川越高校②

「簡単には打たせて貰えなさそうですね」

 

「でもバットには当たりますし、基本は狙い球を絞って好球必打で良いでしょう」

 

朝倉さんに対しては打てる時に打つ……という作戦になった。次の打順は雷轟からだし、期待出来そうだね。

 

「さぁ!切り替えていこう!!」

 

芳乃さんの掛け声で皆は気合いを入れて守備に付く。

 

『1番 センター 大島さん』

 

柳大川越のバッティングは梁幽館や熊谷実業には劣るけど、前に戦った時よりもレベルが上がっている事は間違いない。バッテリーも慎重に入っている。

 

1球ストライク入れてからのストレートを大島さんはカット。更にあの魔球までもカットする。これは相当対策されてるな……。

 

(ふーむ、来ないスね……)

 

(あの球まで簡単にカットするなんて……。相当対策してきたな)

 

これ以上球数を稼がれると面倒だから、早いところアウトを取ってほしいところだけど……。

 

そして4球目。武田さんが投げたのは強ストレート。

 

(これス!)

 

(えっ?)

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

ライトからだとよく見えないけど、武田さんのリリースが終わった瞬間に大島さんが踏み込んできたように見えた。

 

(これは武田さんも出し切る必要がありそうだ……!)

 

出来れば決勝までは取っておきたいところだけど、そうもいかないんだろうなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武田は前に見た時とは比べ物にならない程の成長を遂げてるな。特に最後に投げたストレートは簡単に打てるものじゃないぞ」

 

「先頭打者もあのストレートを狙っていたみたいですが、結果は空振り……。梁幽館や熊谷実業でもあのストレートに苦戦をしていました」

 

「柳大川越が勝つにはあのストレートをどういう風に攻略するか……それが鍵になるだろうな」

 

「あのストレートを投げる時のリリースポイントを見極めるところまでは出来ているみたいですし、あとは捉えるだけ……といった感じですが……」

 

(そうなってくると問題は守備……。ホームラン率はチーム内で1番高いけど、エラーの数もチーム内で1番多い雷轟さんがネックになるでしょうね。その辺りはセンターのフォローが必須となります)

 

「もしも新越谷が全国に上がってきたら私達とも戦う可能性があるし、なるべく武田の投球をよく見ておこうか」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武田さんの強ストレートは他の球に比べて球持ち時間が長く、リリースが前で低い。1番の大島さんを始め……。

 

 

カンッ!

 

 

「!!」

 

「センター!」

 

『アウト!』

 

「ナイスキャプテン!」

 

「ツーアウトー!」

 

5番の石川さんと……。

 

 

ガッ……!

 

『アウト!』

 

6番の平田さんの1年生3人は強ストレートに着いてきている。

 

(この3人は1年生……。これから私達の最後の夏まで立ちはだかる相手だから、ここで負けると苦手意識が出てしまうのは良くないな……)

 

「珠姫ちゃん、ヨミちゃんの調子は?」

 

「うん……。調子は良いんだけど、強ストレートは間違いなく狙われてるね」

 

「やっぱり……」

 

「あの球やツーシームは簡単にカットしてくるし、強ストレートはどこかで使わざるをえない……」

 

2回表の私達の攻撃も無得点(ちなみに今日5番の雷轟は歩かされた)だったし、投手戦になると不利なのは武田さんの方だ。それならいっそのこと……。

 

「……ピンチになったらあれを使うしかないね」

 

「あれは最低でも決勝までは取っておきたかったけど……」

 

「気持ちはわかるけど、このまま投手戦が続くと攻略されかかっている武田さんが不利になる。こっちがいつ点を取れるかわからないから、打たれてしまう前に使っておこう」

 

「そうだね……」

 

(それにもしも負けてしまえば朱里ちゃんは……!)

 

3回の表は私の打順から。皆の為にもなるべく朝倉さんに球数を費やしてもらわないとね。

 

「お願いします」

 

(早川さんか……。この子には私のSFFを打たれてるし、ここはストレートで……!)

 

(内野の動きはなし……。投げてくるのはストレート!)

 

わかっていれば打てる……。初球打ちだ!

 

 

カンッ!

 

 

「抜けた!」

 

「ナイバッチ朱里!」

 

結果はヒット。とりあえずチャンスメイクは出来たね。

 

(……というか私が朝倉さんのストレートに当てるのこれが初めてなんだよね。練習試合の時に打ったのはSFFだし)

 

そう考えるとよく初球から打てたもんだ。

 

「よーし、ツーラン打つぞ~!」

 

次は武田さん。ホームランを打とうと張り切っているけど……。

 

(ここは文句なくバントでお願いします)

 

(了解です……。あれ?なんかデジャブ?)

 

藤井先生はバントのサインを出す。まぁ1点ほしいし、仕方ないね。次は朝倉さんの球をヒットにしている中村さんだし。

 

 

コンッ。

 

 

「ナイバン!」

 

「これでワンアウト二塁!」

 

打者一巡して中村さん。朝倉さんのストレートを連続でカットする。

 

(流石、粘るね)

 

(ストレートはもう打ったけん、カットボールが見たい)

 

中村さんは朝倉さんのカットボールを要求している。ストレートはもう問題なさそうだね。

 

(さて……。本当にカットボールを投げてくるなら、内野陣に動きがある筈。二塁ベースから見させてもらう!)

 

朝倉さんの5球目。

 

(内野陣が動いた!それなら中村さんが打つと信じて……)

 

私は朝倉さんの投球動作と同時に私はスタートをきった。

 

「走った!」

 

(朱里ちゃん……。ここで私が打つって信じてくれたんやね。ならその期待に応える!!)

 

朝倉さんが投げたのはカットボール。

 

(きた、カットボール!でも思ったよりも変化が大きい!差し込まれるけど、ヒットになら出来る!)

 

 

カンッ!

 

 

打球は一二塁間の面白いところに飛んでいる。出来れば落ちてほしい。私もう三塁を蹴ってるし……。

 

『アウト!』

 

(ダメか……!)

 

全力で帰塁するも間に合わずにタッチアウト。これは申し訳ない……。

 

「ごめん。ちょっと暴走が過ぎた……」

 

「ドンマイドンマイ!」

 

「朱里でも暴走とかするんだな」

 

そりゃそうですよ。私だって人間だもの!

 

(しかし今のアウトは痛いな……。点が取れなくなると守備にも少なからず影響する……!)

 

それにこの暑さ……。初心者である大村さんと息吹さんを控えに置いたのが少しは意味があるだろうか?

 

(まぁ考えても仕方ない。切り替えて守備に付こう……)

 

今日は雷轟も歩かされるし、残った私達で点を取らないといけないからね!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。