最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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☆9の評価を付けてくれた たかとさん、☆7の評価を付けてくれた わけみたまさん、ありがとうございます!


県大会準々決勝!新越谷高校VS柳川大附属川越高校③

試合は進んで4回裏で、0対0の同点。こちらは中村さんと私がヒット1本ずつと雷轟の四球2つでチャンスは作れているものの、後続が朝倉さんを攻略出来ていない。

 

(それに対して武田さんはここまでパーフェクト……。でも内容的には余り良いとは言えないな。あの魔球を始め強ストレート以外はカットされてるし、強ストレートは癖を読まれているのかタイミングを合わせてくるし……)

 

むしろここまでパーフェクトなのが奇跡なのかもしれない……。

 

(ヨミちゃんの球数はここまで54球……。多すぎるな。強ストレートが狙われているなら敢えて……!)

 

柳大川越の先頭打者の大島さんに初球から強ストレート。成程、狙われているなら敢えて投げていくスタイルか……。悪くない。

 

(初球から来るスか!単に狙い球を絞るのでは何%か迷い子がのこるものスけど、来るのがわかっていれば……100%迷いなく振れるス!!)

 

 

カンッ!

 

 

大島さんは初球から打っていった。その打球はピッチャーの後方まで飛んでいき、ショートの川崎さんが追い付く。

 

(やっと見せ場がきたぜ!)

 

(やば……。追い付かれたス!)

 

(最近打つ方では良いとこなしだ。バントも失敗するし、打順も下げられたし……。だが守備では!)

 

川崎さんがファーストへと送球。……しかし、送球が逸れてしまった。

 

(助かったス!)

 

大島さんはそのまま二塁へと走り始めた。山崎さんがボールを取るも、大島さんの方は既に二塁ベースにスライディングしていた。足速いな……。

 

記録はヒットとエラーが1つずつ。送球が逸れていなくても、内野安打になっていたのか……。

 

「やったス!」

 

『ナイスバッチ』

 

大島さんを称えた13番と17番の子は同じ1年生だろうか?13番の方は練習試合でも途中から出場していたね。当てるのが上手いから印象に残っている。

 

(あの2人は武田さん対策で投入されている……と考えた方が良さそうだね)

 

それよりも……。

 

「ついに出てしまったかぁ……。内野陣の大会初エラー」

 

「いつかは出るものですが、よりによってノーアウトですか……」

 

川崎さんが慌てて送球した事によるエラーだけど、あの打球に追い付くのは簡単じゃない。それに……。

 

 

ガッ……!

 

 

次の打者が強ストレートを詰まらせてセカンドフライに抑える。これでワンアウト二塁。

 

仮に川崎さんが悪送球せずにノーアウト一塁なら柳大側は多分バントをしていただろうから、結果的に川崎さんのエラーがチャラになった。

 

(武田さんの強ストレート……。一巡目を見る限りだと、それを狙っているのは数人だけ。特に上級生は強ストレートの正体がわかっていない)

 

それでも上位打線を譲らないという事は食らい付く程度の力はある……!

 

 

カンッ!

 

 

これも初球打ち……。打球はショート正面。

 

(三塁いけるか微妙ス。でもスタート切っちゃったから、行くしかないス!)

 

大島さんは暴走気味で、サードに送球すれば多分アウトが取れるけど、川崎さんはファーストに送球。

 

『アウト!』

 

これでツーアウト三塁だけど……。

 

(もしかしてさっきの悪送球を気にしている……?いつもの川崎さんなら三塁に投げていたと思うけど……)

 

まぁ何にせよツーアウト。問題は……。

 

『4番 キャッチャー 浅井さん』

 

(ここで切れるかどうか……。5番と6番は武田さんの強ストレートに対抗して投入した1年生2人。この2人に回すのは得策じゃない)

 

バッテリーも同じ事を思っていたのか、浅井さんを抑える傾向にしている。

 

『ストライク!』

 

(ツーシームか……)

 

続く2球目は強ストレート。浅井さんはそれをカットしたスイングをみるに武田さんの癖まではわかってなさそうだけど……。

 

『ファール!』

 

(これが例のストレートか……。カットは出来るが、正直癖はわからんな)

 

3球目は緩急を付ける為にあの魔球を投げる。

 

(練習試合の3三振は屈辱だったぞ。やはり私が狙うのは……コレだ!)

 

 

カンッ!

 

 

浅井さんはあの魔球に焦点を当てて打った。打球は右中間に飛んでやや詰まっている。ここは私が……!

 

(よし、追い付ける……!)

 

 

ガクッ……!

 

 

(は……?ちょっと待ってよ。こんなところで足が縺れるとか勘弁してよ!)

 

そもそも私は大会で試合出たのこの試合含めてまだ2回なんだけど!?他の人達ならまだしも、私が先にへばってどうするのさ!

 

(意地でも捕る……!)

 

っていうかここで捕らないと皆に顔向け出来ないっての!

 

 

バシッ!

 

 

『アウト!』

 

な、なんとか捕れた……。危うく私のせいで負けるところだったよ。

 

「ナイスキャッチ!」

 

「よく飛んだぞ!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

私の足が縺れたのバレてないよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このイニングも無得点か……。投手戦が続くな。私好みの展開になってきた」

 

「武田さんのあのストレートも完全に攻略された訳ではないですし、他の球と上手く混ぜればそう簡単には痛打されません」

 

「しかしさっきの守備は……。天才の早川にも弱点はあるんだな」

 

「朱里さんはスタミナが他の先発投手よりもありません。シニアの時も完投した試合は片手で数えるくらいしかないですし、その試合も全力で投球していません」

 

(梁幽館戦で見せたストレートもそう多くは投げられない筈。朱里さん達がこのまま全国まで勝ち上がったとしてもそれでは私達には通用しませんよ……?)

 

「早川がエースじゃないのは体力面が原因でもある……という事か?」

 

「恐らくそうでしょう。朱里さん本人もそれを理解して普段は外野の練習で足腰とスタミナを鍛えていると言っていました」

 

(そう考えるとリトル時代も朱里さんを酷使しすぎていましたね。それが故障の原因に繋がった可能性も……)

 

「二宮?」

 

「……いえ、なんでもありません」

 

(まぁその辺りの事を今更気にしても仕方ありませんね。今は武田さんの攻略の為に試合を見ておきましょう)




遥「この回も柳大川越は無得点!もしかして私達のペース、来ちゃってる?」

朱里「どうだろうね。私達が朝倉さんを攻略出来ていないのも事実だし……」

遥「私なんて2打席連続で歩かされてるんだよ?」

朱里「それは多分雷轟の戦績を見ているから、警戒されてるんだと思うけど……。それに2打席共塁間で刺されてるしね」

遥「うっ……!でも歩かされているって言っても敬遠じゃない……というのが救いなのかな?」

朱里「あわよくば詰まらせて……って感じだろうね」

遥「柳大戦で私は打つ事が出来るのかな……?」

朱里「多分次に出てくる大野さん次第だと思う」

遥「よーし!勝負してくれるなら、絶対に打つぞ~!」

朱里(暑苦しい……)

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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