最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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☆8の評価を付けてくれたhayate37さん、ありがとうございます!


県大会準々決勝!新越谷高校VS柳川大附属川越高校④

5回表。そろそろ点がほしいところだ。

 

(この回の先頭は藤原先輩。ストレートの相性は良いし、雷轟がもしもベンチスタートだったらクリーンアップを任せられる力もある……!)

 

熊谷実業の久保田さんの全力ストレートを弾き返すパワーは朝倉さん相手に期待出来ると思う。

 

『ストライク!』

 

「打てるぞ理沙!」

 

(追い込まれたらSFFが来るから、その前のストレートを叩く)

 

1打席目では差し込まれたけど、この大会で藤原先輩は大きく成長した。先発投手もしも経験して、久保田さん相手にも打って自信が付き始めている。

 

(練習試合ではあんなに速く感じたのに、今では見える!)

 

 

カキーン!

 

 

「良い当たり!」

 

「レフト前ヒット!これで先頭出たわ!」

 

「ナイバッチ!」

 

(なんて打球だ。まるでホームランの打ち損じだな)

 

私は川崎さんの次の打順なので、三塁コーチャーを主将に代わってもらってネクストに入る。

 

(良い場面でランナーが出ましたね。川崎さんにはここで立ち直ってもらいましょうか)

 

(もちろんやります)

 

そして川崎さんの打席。

 

「稜、打ちなさい!空気を読めないのが長所なんだから、エラーしたら後こそ良い打撃戦しなさいよね!」

 

「空気が読めん?」

 

いや、それって長所なの……?疑問に思っていると藤田さんは語り始めた。

 

「中二だったかしら……。完全試合を食らいかけた事があるわ。その試合で稜はエラーと三振が2つずつ」

 

三振はともかく、川崎の豪快な守備スタイルのせいでエラーが目立つのはきついだろうな……。ましてや2つだと自分が戦犯だと思われてそう。

 

「……完全試合まで後1人というところまで来て稜はヒットを打ったわ」

 

諦めなければ何かが起こる……。当時の川崎さんがどんな思いでヒットを打ったのかは知らないけど、最後まで食らい付いた結果によって生まれたヒットだろうね。

 

「……そういう感じの空気の読めなさよ」

 

「じゃあ打ちそうやね。空気読めとったらここはゲッツーやろうし!」

 

空気読めたらゲッツーって凄いパワーワードだな……。

 

(追い込まれてしまった……。ストレートは当てるのが精一杯だ。そしてランナースタートはあるかな?)

 

変化球の時にランナーは走らせる予定……。あとは川崎さんがうまく打てるかどうかだ……!

 

(守備陣の動きから変化球かストレートか推測する……。見たところ特にショートの人は集中力が散漫なのか、投球動作に入る前に動き出す事がある)

 

だがショートの人が動き出したら……!

 

「GO!!」

 

一塁コーチャーの芳乃さんによるGOサイン。タイミングは完璧だ。

 

(えっ?走ってる!?完全に盗まれた!)

 

(変化球!SFFか!?)

 

(しまっ……!)

 

(いや、落ちない。失投だ!)

 

 

カンッ!

 

 

上手く打った!ヒットではあるけど、後退していた外野が打球に追い付いてホームは無理なものの、ノーアウト一塁・三塁のチャンスとなった。

 

「ないばっち~!」

 

「勝手に立ち直ったわね」

 

(さて、次は私の打席だけど……)

 

柳大側のベンチを見ると大野さんが肩を作っていた。恐らく私か武田さんまでで朝倉さんは交代だろう。

 

(コーチャーの掛け声は完璧だった……。癖があるのかも。今思えば早川さんの時もスタートが完璧だったし)

 

『ボール!』

 

(作戦はまだ気付かれていない……。多分あと1回は使えるけど、この場面では出塁重視)

 

『ボール!フォアボール!!』

 

(よし、これでノーアウト満塁!)

 

(はぁ……。ここまでかな)

 

柳大は投手交代で、大野さんが登板。まだ点を取ってないのに、良いのだろうか?それとも朝倉さんが大崩れする前に引っ込めた?

 

「朝倉さんを降ろしてくれましたね」

 

「大野さんに苦手意識は薄いので、チャンスでしょうか」

 

(……ここからが本番だね。ランナーが満塁だと私に出来る事は殆んどない。あとは皆が大野さんを打つかどうか……!)

 

「よーし!打つぞ~!」

 

「…………!」

 

(っ!これは……!)

 

今この場で何人が感じているだろうか。大野さんが放つ威圧感を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大野も3ヶ月前より成長してるな。また柳大川越と練習試合をしてみたいものだ」

 

「最後に白糸台が柳大川越と試合をしたのは3月でしたよね?」

 

「ああ、その時はまだおまえはいなかったからな。うちも良い捕手が入った事で、投手のレベルが大幅に上がった……。これなら私が引退した後でも安心だ」

 

「引退はまだ早いですよ。まだ県大会の途中ですし」

 

「……そうだな。これまで白糸台は春夏4連覇を成し遂げたから、この夏も全国優勝して笑顔で引退したいな」

 

「その為にもまずは全国大会に出場ですね」

 

「勿論だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武田さんは大野さんに手も足も出ず、三球三振に倒れてしまう。

 

『1番 ファースト 中村さん』

 

ワンアウト満塁。投手が代わったとはいえ、ここで点が取れないと本当に厳しくなる。

 

『ストライク!』

 

今投げたスライダーも練習試合よりキレがある。やっぱり本命は大野さんだったね。

 

(でも中村さんなら打てる……。同じ左のサイドスローである橘からホームランを打った中村さんなら……!)

 

「希ちゃん集中!打てるよ!!」

 

芳乃さんも中村さんに声を掛ける。大野さんの実力が上がったとはいえ、圧倒的ではない。だから気持ちで負けなければ……!

 

『ファール!』

 

(冷静に見れば捉えられん球やない……)

 

次で6球目。大野さんが投げたのはスライダー。

 

(思いっ切り引っ張る!)

 

 

カンッ!

 

 

打球はセンター前……落ちるか!?

 

「ランナーバック!!」

 

芳乃さんの声が響く。

 

『アウト!』

 

あれを捕るか……!私と藤原先輩はなんとか戻れたけど……。

 

「くっ……!」

 

『アウト!』

 

二塁ランナーの川崎さんが戻りきれずスリーアウト。5回表も無得点……。これはいよいよ不味いな。

 

(ペースが向こうにいかない事を願うしかないね……)

 

武田さんがどれだけ踏ん張れるか……。こうなったらこっちも1点もあげる訳にはいかないね!




遥「展開が拮抗している……!これが手に汗握るってやつだね!」

朱里「とはいえそろそろ点がほしいね。5回も無得点だったし、満塁のチャンスが潰されたから、勢いは間違いなく柳大川越にいってる」

遥「新越谷の攻撃は残り2イニング……。私達は勝てるの!?柳大川越に勝ってこの小説はオリジナル展開に持っていけるの!?」

朱里「それは次回でわかるよ」

遥「……という事は?」

朱里「柳大川越戦は次回で最終回。アンケートの結果が現れるよ」

遥「お楽しみに!!」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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