最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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県大会準決勝!新越谷高校VS咲桜高校②

「凄いぞ朱里!あの咲桜相手に三者連続三振なんて!」

 

「ありがとうございます。……この試合は1点勝負になると思いますので、私の方はなるべく打たれないようにしたいですね」

 

実際それもいつまで続くかわからない。友沢は私の球を打てる人間だし、球種を混ぜれば1打席ならなんとかなるかもだけど、それ以降がなぁ……。

 

「切り替えて攻撃に移ろう!」

 

「そうだな。朱里が奮闘してくれている内に私達も点を取らないとな」

 

私は今日2番なので、ネクストサークルにバットを持って待機。

 

『1番 ファースト 中村さん』

 

(友沢さん……。朱里ちゃんが言ってた通り左投げみたいやけど、どんな球を……?)

 

(中村希……。新越谷では1番を打つ事が多い。打線ではこの中村と4番の雷轟、5番の岡田に気を付けて投げるか)

 

友沢の1球目はストレート。

 

『ストライク!』

 

「は、速い!」

 

「朝倉さんや久保田さんクラスのストレートだ……。これを打つのは難しいぞ」

 

続いて投げたのは高速スライダー。ストレートと殆んど球速が一緒で中村さんは空振りしてしまう。

 

『ストライク!』

 

(バットに当たらん……!)

 

(……見た様子だとこの2球種だけでも打ち取れるだろうが、私は朱里がいるチームを完全に越える。その為には出し惜しみなんてしない!)

 

ツーナッシングから友沢が投げたのは……。

 

(これが私の決め球の1つだ!)

 

(なっ!ボールが……消えた!?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

中村さんが3球で三振を取られるとは……。これは本格的にヤバいかも知れないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか亮子ちゃんがあんな球を投げるなんて……!」

 

「あれは中々手が出せませんね。特に……左打者には打てない球です」

 

「げっ……!アタシは左打ちだし、亮子のところが勝ち上がるとお手上げかも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なん今の球?まるで消えたみたいに……」

 

「消える魔球かよ!?」

 

「……あれはカーブだね。それも滅茶苦茶曲がりが大きいカーブ」

 

「あんな球を見せられたら、友沢さんが本当にショートなのかわからなくなってくるわね……」

 

「あのピッチングを見る限りだと相当投手の練習をしたんでしょうね。本来の投手の1人がセカンドを守っていますし、これも咲桜のフォーメーションの1つだと思います」

 

中村さんが消えたと感じたのは最初の2球が低めのストレートと高速スライダーの両方速球系の球……。打者は低めの球を意識するのに対して、上へ打ち出されるような軌道のカーブが来れば打者の視界からボールは消える……。これが友沢の投げたカーブの正体だ。

 

(あれは左打者には打てないかもね……)

 

私は右打ちで良かった……。

 

『2番 ピッチャー 早川さん』

 

(朱里との対決……。朱里はバッティングも一級品だ。油断は出来ない。このチームは中村以外は右打者しかいないし、朱里より後ろにはこの球を投げるか……!)

 

私に対しての1球目は中村さんに投げたとんでもカーブ。

 

(左打者よりかはマシだけど、こんなのどうやって打てば良いんだろうか……)

 

私は空振ってしまう。そして2球目の低めのストレートも空振り。

 

(追い込んだ……。今度はコイツをくらえ!)

 

3球目……に投げた球は……。

 

(嘘でしょ!?まさか……!)

 

消えたと錯覚させられる球は地面スレスレのコースで現れたけど、ボールはストライクゾーンを通っている為……。

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

審判の手が上がり三振となってしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「左打者にはカーブ、右打者にはスクリューとどちらも曲がりの大きい球を散らせてきましたね」

 

「あのスクリューもはづきちゃん以上のキレと変化量だよ。どうやって攻略するんだろ……」

 

「これはお互いに三振の山が出来るね~」

 

「こうなってくると手の打ちようがあるのは朱里さんの方になりますね」

 

「次の打者は亮子ちゃんからだもんね。もしかしたら2回表が大きな分岐点になるかも……」

 

「やー、朱里達には頑張ってほしいかも……」

 

(亮子さんは朱里さんを越える為に虎視眈々と投手の練習をしていた……。その成果が今のピッチングだとすると、川越シニアのエースはもしかしたら亮子さんだったのかも知れませんね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3番の山崎さんも高速スライダーとカーブ、そして3球目にはバットに届かないスクリューを投げ込まれて三振。

 

「中村さんにはカーブ、私達にはスクリューと左右の打者がそれぞれバットに届かない程の変化量を持ち合わせていますね」

 

「あんなのどうやって打てば良いんだよ!?」

 

「どこかに攻略法はある筈なんだけど……。それを見付けるのは難しいと思います」

 

こうなったらいよいよ1点勝負になる。私の方も点をあげる訳にはいかない……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナイスピッチ亮子!」

 

「もう亮子ちゃんがエースで良いんじゃない?」

 

「いやいや、私の本職はあくまでもショートです。田辺さんから勝ち取ったショートのポジションは先輩達が引退するまで……いえ、これからも私がやりますよ」

 

「この!生意気言ってからに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『4番 ピッチャー 友沢さん』

 

2回表。とりあえずこの友沢を抑えれば流れはこっちにも来る筈だから、抑えておきたい。

 

(友沢さんを打ち取れるコースはデータによると外角をやや苦手としている……。丁寧に投げていこう)

 

山崎さんのミットは外角高めに構えてある。あそこは友沢を打ち取るのに使っていたコース……。とはいえ金原の例があるし、慢心は出来ない。

 

(そもそも友沢相手に慢心なんてした事がないけど……ね!)

 

私は打ち取り目的で外角に偽ストレート(シュート)を投げ込んだ。その瞬間……。

 

 

カキーン!

 

 

友沢の鋭いスイングによってボールはバックスクリーンに叩き込まれた。

 

『ホームラン!』

 

(初球からいかれたか。点を取られる訳にはいかなかったのになぁ……)

 

(私を甘く見たな。それが朱里の敗因となる)

 

でも2回裏は雷轟からの打順だ。点が取れるかどうかはそれにかかっていると言っても過言じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あちゃー、ホームラン打たれちゃったか……」

 

「朱里さんが投げたコースも本来ならば亮子さんが苦手としているところで、油断もしていなかった……。この打席は完全に亮子さんが上回っていましたね」

 

「新越谷、大丈夫かなぁ……」

 

「試合はまだ序盤ですし、焦る事はないでしょう」

 

(とはいえ今の1点は新越谷にとって重いものとなるでしょう。それは朱里さん自身もわかっている筈……。ここから新越谷がどのように反撃するか見物ですね)




遥「朱里ちゃんがホームラン打たれちゃった!」

朱里「やめて。その発言は私に効くからやめて」

遥「それにしても友沢さん、凄い球を投げるね。早く勝負したい!」

朱里「次は雷轟の打順からだし、頼むよ」

遥「うん!頑張るよ!!」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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