洛山の2人は実質初対面なので、その人達の自己紹介に……。
「私の事は大豪月さんと呼びなさい!」
「非道で~す。よろしく~」
洛山高校の名バッテリーの紹介が終わると芳乃さんが……。
「サインください!」
「ウム、良かろう!」
いきなりサインを求める。大豪月さんも即決だった。そのやり取りが終わってそれぞれオーダーを決める事に……。
「……見てわかると思うけど、向こうは全国トップクラスの人達が集まっているよ。私達の力が全国相手にどこまで通用するか確かめるチャンスでもある」
「どんなオーダーでいこうかな……」
「色々試せば良いと思うよ。これは公式戦じゃないしね」
なんならこの試合の先発を息吹さんや藤原先輩にしても良いんじゃないかな?
色々考えた結果この試合のオーダーは……。
1番 ファースト 中村さん
2番 セカンド 藤田さん
3番 キャッチャー 山崎さん
4番 レフト 雷轟
5番 センター 主将
6番 サード 藤原先輩
7番 ショート 川崎さん
8番 ライト 私
9番 ピッチャー 武田さん
……となった。県大会と比べて変化はそこまでない。全国大会でも私と武田さんの位置に息吹さんと大村さんが入るくらいだろうね。
「お待たせしました」
二宮とオーダーの交換をする。あれ?向こうって二宮が仕切る感じなの?そう思いながら向こうのオーダーを確認する。
1番 レフト 金原
2番 センター 陽さん
3番 ショート 友沢
4番 サード 清本
5番 ライト 中田さん
6番 ファースト 非道さん
7番 セカンド 田辺さん
8番 キャッチャー 二宮
9番 ピッチャー 橘
……となっていた。
(さっき言ってた通り神童さんと大豪月さんはベンチスタートみたいだ。それならうちが全く打てない……という最悪の事態は防げそう)
とはいえ橘の相手をした事があるのは川崎さん、中村さん、主将、雷轟、藤原先輩の5人。あれから更にレベルアップしている可能性を考慮するとやはり厳しい戦いになるだろうね。
「む、向こうは凄いオーダーだな……」
「梁幽館の陽さんと中田さんに咲桜の田辺さんと友沢さんが大会の時の打順じゃないものね」
「……ギリギリまで悩みましたが、満場一致でこのオーダーになりました」
二宮達も相当悩んでこのオーダーになったのだろう。それよりも気になる事が……。
「そっちには監督はいないの?」
「もう少しすれば来ると思います。遅れるみたいですので、先に始めておけと言っていました」
ず、随分時間にルーズな監督だな……。一体どんな人なんだろうか?嫌な予感がするけど……。
「……まぁそういう事なら先に始めようか」
私達は整列して、互いに挨拶をする。
『よろしくお願いします!!』
一体どんな試合になるのやら……。
じゃんけんの結果私達は先攻に。まずは中村さんの打席。
「いけー!希ちゃん!」
「先頭頼むぞー!」
向こうのマウンドには橘が上がる。
(さて……。あの時よりもレベルアップしているのは間違いない。どれ程成長したか見せてもらうよ)
うちで左打ちなのは中村さんのみ。橘は左投げなので、雷轟は右打ち。相性で苦しむのはここだけだけど……。
そんな橘の1球目……。
『なっ!?』
(スリークォーター!?フォームを変えたのか!?)
橘のフォーム変更に私を含めた皆が驚いていた。サイドスローでくると思われていたストレートも急なスリークォーターに着いていけず、バットも出ない。やってくれるね……!
(ふふん、驚いているみたいですね。監督にフォーム変更を言われてから今のフォームでのピッチングを依織先輩とずっと練習してきたんです。秋大会までは見せるつもりはありませんでしたが、サービスですよ!)
『ストライク!』
続いて2球目は……。
ズバンッ!
『ストライク!』
投げたのはスライダーか……。大会の時よりもキレが増してるね。あの中村さんが空振りしちゃってるよ。
(これで……三振!)
(なんとしてもバットに当てる!)
橘は3球勝負のつもりで決め球のスクリューを放ってきた。この球は以前中村さんがホームランを打った変化の小さい高速スクリューだけど……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
中村さんはバットに当てる事が出来ず、三振に終わってしまう。
「ごめん……」
「ナイススイング。むしろよく手が出たよ」
「でもあの速くて変化が小さいスクリューって以前希がホームラン打った球だよな?それを空振りなんて……」
「……考えられる理由として橘自身が県大会の時よりも強くなっている事。これはまぁ当然として、フォームが違っていた事。サイドスローよりも上から投げられる球は体感速くなっている。2球目で中村さんが空振りしたのもそれが原因だろうね。そして1番の理由は……橘が投げる3種類のスクリュー全てを決め球だと思っている事」
『スクリューが決め球だと思っている事?』
皆の頭に疑問符が浮かんでいたので、私は説明を始めた。
「武田さんには言った事があると思うけど、真の決め球というのはここぞ……という場面でその球を投げ切る事なんだ。分かりやすく言えば柳大川越戦の最後に浅井さんに投げたあの魔球がそうだね」
「確かに……。あの時に投げたあの球は今までで1番の球だったよ」
「そして橘の場合は3種類のスクリューを全て同等の球質で投げてくる……。見せ球に使われるであろうストレート、カーブ、スライダーもそれぞれ良い具合に仕上がってるね」
「つまり橘さんから点を取るのは難しい……って事か」
「そうなりますね……」
(問題は球種は違えど橘の完全上位互換である神童さんと高校生最速のストレートを投げる大豪月さんが投げる可能性があるという事……。そうなってしまうと2人を打てる人間は限りなく0に近くなる)
それでもあの2人が投げるのなら、うちの投手陣にじっくりと見てほしいところだ。勿論私も含めてね……!
遥「さぁ始まりました。全国前の練習試合!」
朱里「今いる相手の面子が全国トップクラスの人達ばかりなんだよなぁ……」
遥「それって逆に言えばその人達に勝てれば全国優勝も夢じゃないよね!?」
朱里「勝てれば……ね」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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