あの練習試合から1週間……。私は朝練として1人で投げ込んでいる。ちなみに許可はもらったよ。それで……。
(ああ……。やっぱりなんか調子が悪いなぁ。あの練習試合……具体的に言えば神童さんにホームランを打たれてからだ。シニアの紅白戦で清本や友沢に打たれた時はこんな事はなかったのに……)
あの時は紅白戦だから……という理由で、今回の場合は全国で当たるかもしれないから、いざ本番!……ってなると打たれるイメージを植え付けられているからだと思う。それで思ったように投げられない。
武田さんはいつも通り投げられていた……。私と武田さんの何が違っているのかをここ数日検証してみた結果、メンタル面に原因があるんじゃないかとわかった。
(そう考えると武田さんは凄いよなぁ……。全国大会も秋大会もエースは武田さんの方が良いのかも知れない)
まぁ悩んだって仕方ない。皆もそろそろ来るし、私の方は一旦切り上げよう。
(調子が悪くなったら悪くなったで私は息吹さんと藤原先輩に投手の練習メニューを考えるのに徹して、そのサポートに入れば良い)
「おはよう朱里。今日も早いな」
最初に来たのは主将と藤原先輩の2年生コンビだ。
「岡田主将、藤原先輩、おはようございます」
「おはよう朱里ちゃん。グラウンドの準備もありがとう」
「いえいえ。皆も来てすぐに練習したいでしょうし、これくらいは私がやっておきますよ」
私も私で自主練してたしね。
「朱里ちゃん、皆が来る前に私の投球フォームを見てもらって良いかしら?」
「良いですよ」
まずは藤原先輩のフォームチェックから。藤原先輩の今の投球フォームはオーバースロー。ストレートを活かすにはもってこいのフォームだ。
「理沙の投球フォームも大分様になってきたな」
「はい。これなら良いボールを投げられます」
「ちょっと投げてみても良いかしら?」
「良いですよ。私がボールを受けますね」
本職の捕手程ではないけど、捕球だけなら私でも出来る。だからこうして藤原先輩や息吹さんの秘密特訓に時々付き合っている。私の成長のヒントになるかも知れないしね。
「それなら私は打席に入るか」
主将が打席に入り、藤原先輩の投球練習が始まる。
「じゃあいくわよ……!」
藤原先輩はミットに目掛けて思い切り投げた。
ズバンッ!!
「は、速い……!理沙!いつの間にこんな球を投げられるようになったんだ!?」
「朱里ちゃんのお陰よ。……とは言っても今のは上手く投げられただけで、この球はまだまだ制球が出来ていないの」
「今後はこの球を上手く制球させるのが課題ですね。あとは下半身を鍛えれば球も安定します。完成したら山崎さんにも見てもらいましょう」
「ええ!」
藤原先輩のストレートもノビとキレが増してきた。1週間前に大豪月さんの球を見せたのが大きな切っ掛けになってここまで成長した。
「おはようございまーす!」
「ええ、おはよう」
「あっ、朱里ちゃんがもう来てる!」
「随分張り切ってるわね……」
「私だって全国に向けてどんどん練習したいしね。皆よりも早く来て練習するさ」
「よーし!私達も張り切っていくよタマちゃん!!」
「ちょっ!くっつかないで!暑い!」
武田さんと山崎さんは相変わらず仲良いよね。春夏秋冬イチャイチャしてそう……。
「皆さん揃っていますね。では今日も全国に向けて練習していきましょう」
『はいっ!!』
全国まで1週間を切った……。私の方もなんとかしないとね。
(明日辺り相談しておこうかな……)
そう決意して私も練習に参加しに行った。
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