最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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全国大会2回戦!新越谷高校VS永水高校②

1回裏の私達の守備。そして向こうの攻撃は……。

 

『1番 センター 神代さん』

 

(いきなり神代さんか。永水全盛期とも言われる去年でも1番を打っていたけど、その時は今捕手をやっている岩戸さんの姉や薄墨さんがいたから1番だった……)

 

そんな人達が引退してからも1番を打っているのは私と同じようにもしかしてその打順が自分にとって安定しているからだろうか……?

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

(め、滅茶苦茶緊張してる……?)

 

当の神代さん本人はガチガチだった。

 

「あの人がミーティングで言ってた神代さん……よね?」

 

「そうだね」

 

「見た感じだと白菊を危なっかしくした印象なんだけど……」

 

確かに口調は大村さんに似ていて良いとこ育ちな感じはする。しかし……。

 

「神代さん特徴は安定しない成績なんだよ」

 

「安定しない成績……?」

 

「それって特徴って言えるのかなぁ……?」

 

息吹さんと芳乃さんは私の発言に疑問を持っている。確かに今の発言では特徴とは言えないし、むしろ短所でしかない。

 

「神代さんは成績が試合毎にバラバラなんだ。猛打賞を打つ時もあれば、ノーヒットで終わる時もある。更に神代さんの本職は投手なんだけど、大豪月さんのような速いストレートに神童さんみたいなキレのある変化球を投げる時もあれば、鉄砂高校の佐藤さんよりも遅い球しか投げられない時もある……それが神代さんなんだ」

 

「つまりプロみたいな動きが出来る場合や、初心者みたいな動きしか出来ない場合もあるって事?」

 

「でもそんな事ってあるのかしら……?」

 

確かに眉唾なオカルトだよね。神降ろしとも言われている神代さんの豹変……。永水と当たる可能性もあるかと思って調べた事を話す事に。

 

「……永水高校の人達って元々霧島神境で巫女さんをやっているらしいんだよね」

 

「神境って?」

 

「私もそこまで詳しくないからざっくりになるんだけど、神社とは少し違って神様のように崇める為に用意された施設……とも言われているんだって」

 

「何やら興味深い話ですね」

 

なんか藤井先生まで食い付いて来たんだけど……。私のにわか知識じゃ限界あるんだけど!?

 

「……話を戻すと神境で神代さんに神様を降ろして実力を発揮させるって訳。今の神代さんがどういう状態かわからない以上は勝負するのは危険かも知れないね」

 

「まるでオカルトね……」

 

「今いる永水の部員だと岩戸さんと十曽さんがその巫女さんに当たるね。去年だと岩戸さんの姉の他にも2人程部員としていたらしいよ。そして永水はこうとも言われている。『神代に強力な神様が降りたら全国制覇をしていたのは間違いなく永水だろう』ともね……」

 

まぁ去年は洛山がコールドゲームを叩き込んだって話だから、神代さんに降りてきた神様はそんなに強力なものでもなかった……と考えるのが妥当なんだろうか。……これ野球だよね?

 

試合の方に戻ると武田さんは神代さんを追い込んでいた。カウントはツーボール、ツーストライクか……。まぁ神代さん相手だとそれくらい慎重にいっても足りないくらいだよね。

 

(ここはもう1球外すよ。あわよくば振ってくれる事を期待してあの球で!)

 

(わかった!)

 

武田さんが5球目に投げたのはあの魔球。インコースギリギリの良いボールだ。

 

 

ゴッ……!

 

 

(えっ……?)

 

(や、ヤバい……!)

 

 

カキーン!!

 

 

突如……その言葉が1番適切だろう。豹変した神代さんがインコースにくるあの魔球を完璧に捉えてホームランとなった。

 

『せ、先頭打者ホームランです!先制したのは永水高校!打ったのは神代小蒔ーっ!!』

 

『神代選手は昨年の大会でも1番を打っていて、結果を残しています。まぁ安定はしませんが……』

 

『安定しないと言いますと?』

 

『3打数3安打の成績を出す日もあれば、ノーヒットの日もあります。それが神代さん唯一無二の特徴とも言えるでしょう』

 

青葉プロが私と似たような解説をしていた。なんか仲良くなれそうな気がする……。

 

その後2番、3番を打ち取ったところを見る限り武田さんは崩れている訳でもなさそう。良かった……。

 

『4番 キャッチャー 石戸さん』

 

ここで4番の登場か。このまま勢いを切ってほしいところなんだけど……。

 

(随分短くバットを持ってるな……。ツーアウトでランナーなしなら一発を狙った方が良いだろうに。神代さんが打ったホームランでリードしているから?)

 

鹿児島の県大会でも石戸さんはホームランが少ない。なんなら安定していない神代さんの方が多いくらいだ。

 

 

カンッ!

 

 

初球打ち……。打球はサードゴロなんだけど、岩戸さんの足が滅茶苦茶速い!内野安打になりそう。

 

『セーフ!』

 

(打球もそこまで深くないのに、セーフだなんて……。なんて足の速さなの!?)

 

ツーアウトでランナーが一塁。これ以上リードされるとこっちがキツくなるから、武田さんには踏ん張ってほしい……!

 

『アウト!』

 

想いが通じたのか、武田さんは5番打者を打ち取ってくれた。1失点で済んで本当に良かったよ……。

 

(しかもうちの攻撃は雷轟から……。仮に歩かされたとしても藤原先輩、山崎さんと強力な打者が続く)

 

早いところ同点にしておかないと取り返しの付かない事になりそうだからね……!




遥「うちが先制されちゃった!?」

朱里「全国トップクラスのチームが相手なんだ。それくらいはするだろうね。むしろ後続を上手く抑えた武田さんを褒めるところだね」

遥「でも私が打って同点にします!!」

朱里「またそんな大それた宣言して……。打てなかった時が恥ずかしいよ?」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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