最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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☆9の評価を付けてくださった さいきょーさん、ありがとうございます!


全国大会2回戦!新越谷高校VS永水高校③

2回表。4番の雷轟なんだけど……。

 

『ボール!フォアボール!!』

 

雷轟は敬遠によって歩かされる。

 

『4番の雷轟遥!敬遠で歩かされたーっ!!』

 

『雷轟選手を警戒しての行動でしょうね。このまま勝負すると長打を打たれる事になる……と思ったのでしょう』

 

「芳乃さん、この回は私がサインを出しても良いかな?」

 

「……永水に追い付く手段があるって事だよね?」

 

「自信はあるよ。向こうの出方次第では逆転も視野に入れてるしね」

 

「うん、じゃあ任せるよ!」

 

「ありがとう」

 

雷轟が歩かされるのなんて想定内。だから……!

 

(雷轟、わかってるよね?)

 

(勿論!こういう時に備えて練習したもん!!)

 

この回に早速仕掛けよう!

 

(朱里ちゃんのあのサインは……!)

 

十曽さんの1球目。ランナーには警戒している様子はない……。いける!

 

 

ダッ!!

 

 

(走った!?)

 

『ストライク!』

 

「くっ……!」

 

石戸さんの肩は二宮くらいだ。それならこのスタートで充分間に合う!

 

『セーフ!』

 

「やった!ノーアウト二塁!!」

 

「ナイスラン遥!!」

 

「まだまだこれからだよ」

 

「えっ?」

 

「この回に必ず同点にします。相手のバッテリーは鉄砂のバッテリー程予想外の出来事に対応する技術を持っていませんので」

 

あのバッテリーは私達と同じ1年生……。全国経験が浅いと今みたいな不意打ちに対応出来る可能性は低い。それならそこを突けば良い。更に……!

 

「ま、また敬遠!?」

 

『おっと!?藤原選手にも敬遠をするようです!』

 

『随分警戒していますね……。ホームランを打たれて逆転されるのを嫌っての敬遠でしょうか?』

 

バッテリーは藤原先輩にも敬遠をするようだ。よしよし、思惑通り!

 

「1回戦で雷轟と藤原先輩が鉄砂高校の佐藤投手からホームランを打っていますからね。一塁が空いているこの状況では敬遠してくる事も想定しています」

 

今の永水バッテリーは極力相手に点を取られないような配球をしている。リードが1点しかないから、勝負して危険な相手は敬遠する。そして安全だと思われる相手にはゲッツーを取りピンチを凌ぐ……。これが1回戦や県大会での永水バッテリーの戦い方である。

 

(でもそんなやり方が私達に通用すると思ったら大間違いだよ)

 

『ボール!フォアボール!!』

 

これでノーアウト一塁・二塁。あとは山崎さんと川崎さんの仕事だけど……。

 

(どれ、もう1つ掻き回してみようか……!)

 

私は雷轟と藤原先輩に伝わるようにサインを出す。

 

(了解!)

 

(わかったわ)

 

そして山崎さんへのサインは……。

 

(これでお願い)

 

(わかった)

 

仕込みは完了。上手くいけば上々だね!

 

(ダブルスチール!?)

 

十曽さんが投げ込む瞬間に雷轟と藤原先輩は走り始める。石戸さんはまずサードに送球。

 

『セーフ!』

 

雷轟の方は完璧。今回もスタートはバッチリだったしね。でも藤原先輩の方が刺されそうだ。それならそれで二塁に投げた瞬間に……!

 

「なっ!?」

 

サードがセカンドに投げた瞬間に雷轟はホームへと向かう。藤原先輩が間に合わないのなら、それを犠牲にしてでも点を取らせてもらう。

 

セカンドの人は慌ててホームに投げる。それに合わせて一塁に戻る素振りを見せていた藤原先輩が二塁に滑り込む。そして雷轟の方は……。

 

(っとと……。自重自重)

 

無事に三塁に戻っており、これでノーアウト二塁・三塁。セカンドの人も1年生なのだろうか?こういったプレーに慣れていない感じだったけど……。

 

(まぁ私としては都合が良いけどね)

 

『なんと今の1球でノーアウト二塁・三塁になったぁ!』

 

『少し形は違えどダブルスチールを決めた事になりますね』

 

カウントはノーボール、ワンストライク。2球目は……。

 

『ストライク!』

 

山崎さんは追い込まれたけど、向こうは勝負するつもりだと言う事がわかった。それなら1点をもらおうか……!

 

(追い込まれた……。でも朱里ちゃんの期待に応える為に、ここは絶対に決める!)

 

 

コンッ!

 

 

山崎さんは三塁線にバントをした。三塁線なので、三塁ランナーの位置次第でゲッツーを取られる事になる当たりだけど……。

 

(これなら同点はいけそうかな?)

 

サードの人もホームは間に合わないとわかったのか、球を捕球するとそのまま一塁へと投げた。

 

『アウト!』

 

アウトにはなったけど、三塁ランナーの雷轟がホームに帰って来て同点。山崎さんがスクイズを決めてくれた。

 

『山崎選手のスクイズによって新越谷が追い付いた!』

 

『打球は三塁線に転がりましたが、三塁ランナーのスタートが良かったので、刺される事なくホームイン出来ましたね』

 

「ナイバン!タマちゃん!!」

 

「うん……!」

 

ベンチでは武田さんと山崎さんがハイタッチをしていた。何か武田さんが滅茶苦茶嬉しそうだな……。

 

「同点になった!」

 

「しかもまだワンアウト三塁のチャンスだ!」

 

「このまま逆転です!」

 

一応こっちはそのつもりでいく。川崎さんには最低でも犠牲フライをお願いしたいところだけど……。

 

 

カンッ!

 

 

打球はレフトへ。深めに飛んだので、タッチアップで2点目も入りそうだ。

 

『アウト!』

 

このアウトコールで藤原先輩はホームへ走る。よし、スタートは悪くない……!

 

(2点目は……あげない……!)

 

レフトからレーザービームと呼ばれるレベルの送球がホームに向かって飛んでくる。

 

(そんな……!)

 

送球が石戸さんのミットにすっぽりと収まり、唖然としている藤原先輩がタッチアウトとなった。

 

『アウト!』

 

これでチェンジか……。でも最低限の同点にはなった。引き続き神代さんに気を付けていけばいけそうかな?今日も武田さんは絶好調っぽいし。




遥「な、なんとか同点に出来たね……」

朱里「あのまま逆転してたらうちに都合が良すぎる展開になるから、それを避ける為に作者は同点止まりにしたのかな?」

遥「私、また歩かされたんだけど……」

朱里「雷轟は最早そういう運命にあるのかもね」

遥「そんな運命やだ!!」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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