最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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全国大会準々決勝!新越谷高校VS洛山高校②

ノーアウト一塁・三塁のチャンスだっていうのに、全然そんな気がしない。超打撃チームが相手だから、こっちは何点取っても足りないくらいだ。

 

「キャプテーン!チャンスですよーっ!」

 

「先制点を取りましょう!」

 

しかし黛さんの投げる球は洛山じゃなければ中々打ちにくいものだ。それを洛山のエラーが台無しにしている感はあるけど……。

 

(もしかして洛山の守備力を強化する為の黛さん……?今いる世代の人間が引退した時に備えて新しい洛山の野球をこの試合で作ろうとしている……?)

 

わからない……。私の考え過ぎだと良いんだけど……。

 

 

カキーン!

 

 

3番の主将が走者一掃のタイムリーツーベースを放って私達が2点先制。

 

(なんか思ったよりもあっさり先制出来たな……。向こうの狙いがいよいよわからない)

 

まぁその答えは相手チームの攻撃になったらわかるか……。

 

その後私達の攻撃は4番の雷轟がツーランホームランを打ち、5番の藤原先輩、6番の川崎さん、7番の私が連続でヒットを打ちノーアウト満塁のチャンス。

 

8番の藤田さん、9番の武田さんでアウト2つを犠牲にして更に2点追加でこれで6点目。打者は一巡する。

 

「そろそろわかったかな~?」

 

(わかった……?)

 

ふと捕手の非道さんがそんな事を呟いていた。この一巡で何か研究されていた……?そんな疑問を抱きながらも2巡目。

 

 

カキーン!

 

 

中村さんは初球打ち。当たりはセカンド正面だけど、さっきみたいな事を期待するなら……!

 

 

ポロッ!

 

 

「また落としたぞ!」

 

「回れ回れーっ!」

 

再びセカンドのエラーかと思いきや……。

 

 

バシッ!

 

 

(なっ!いつの間にショートがカバーに!?)

 

ショートがセカンドのカバーに回っていて、ゴロを裁きスリーアウト。

 

(非道さんの発言とさっきのショートの守備……。何か関係があるのかな?)

 

タイミングとしては出来過ぎだった。打者一巡して私達の何かを探っていた……そんな感じがしてならない。

 

(そういえば洛山の過去の試合結果を見る限り点を取られているのは初回だけ。早い時は3回とかでコールドにしてるけど、全試合の相手打線は2回以降無得点だった……。もしかして守備でエラーをしているのはわざとだったりする……?)

 

(……とか早川ちゃんは思ってそうだね~。実際に根武谷ちゃんと樋口さんのエラーはわざとじゃなく自身の練習不足によるエラーだけど、不思議な事に2巡目以降はミスがない……。毎試合同様にやっているとわざとだと思ってしまうのも仕方ないよね~)

 

『ショート実渕のファインプレーでスリーアウト!しかし新越谷は6点先制しております』

 

『洛山高校はここ2年……大豪月選手が投げる時以外は必ず初回に点数を取られます。その原因としては味方のエラーから崩れて相手が5~8点程取って一巡回し、それ以降は無失点で切り抜ける……そのような戦術を得意としています』

 

『そういえば宮永プロも洛山高校と全国大会で何度か対戦経験がおありでしたね?』

 

『はい。奇妙な事に私が通っていた白糸台高校と洛山高校は2年前の夏の全国大会から必ず準決勝で戦ってきました』

 

『準決勝……ですか?』

 

『それが偶然なのか、誰かによる陰謀なのかは知りませんが、白糸台と洛山が全国大会の準決勝で戦う運命にありました』

 

『確かにこの試合の勝利チームは一足早く準決勝行きを決めている白糸台高校と対戦。もしもこの試合で洛山が勝ったのなら……』

 

『準決勝戦は伝統とも言うべきかもしれない白糸台対洛山となります』

 

『果たして新越谷が洛山のジンクスを打ち破るのか?はたまた洛山が伝統的に白糸台との対戦切符を手にするのか?1回表が終わって1回裏、洛山高校の攻撃に入ります』

 

1回表は6点取って終わる。さっきの推測が本当だったとしたら……。

 

(これ以上点を取るのは難しくなるな……)

 

1回裏。今日の先発は武田さんだ。

 

(洛山高校は全国で1番打点とホームランが多い……。そんな相手にヨミちゃんのピッチングがどこまで通用するのか)

 

武田さんの1球目。左打ちの葉山さんに対して外角低めにくるあの魔球だ。

 

(コースは良い感じ……。仮に当てられても腰砕けの内野ゴロが関の山だ……!)

 

 

カンッ!

 

 

山崎さんの読み通り打者は腰砕けの内野ゴロになる当たり。打球は三遊間へと転がるんだけど……。

 

(……って打球鋭すぎ!)

 

(くっ……!)

 

藤原先輩も川崎さんも打球に届かず抜けていった。しかも速度は速く、あっという間にフェンスに当たる。

 

(な、なんて打球速度だ……。本来ただの内野ゴロなのに、捕球しきれないとあそこまで転がるのか……)

 

これが洛山のパワーか……。嫌という程それがわかった。

 

ボールをセンターの主将が拾い、送球するもランナーは既に三塁へと到着していた。これって主将が行かなきゃもしかしてランニングホームラン打たれてた……?

 

2番の実渕さんに対して武田さんは歩かせてしまう。もしかしてヤバい?

 

『3番 キャッチャー 非道さん』

 

(武田ちゃんの球種はあの時の練習試合のデータを皆にインプットさせて、それを打つ為にイメージトレーニングしたからね~。これで成果を発揮出来るのが脳筋チームの長所だよ~)

 

3番の非道さんが右打席に立つ。守備の時はモノクルを着けてたけど、攻撃の時はそれが眼帯になるんだ……。でも練習試合でファーストを守っていた時は眼帯を着けていた……。じゃああのモノクルは捕手を守る時の専用アイテム?

 

(非道さん……。練習試合の時も思ったけど、打席に立つと不気味……。けどこれ以上ランナーを溜める訳にもいかない!)

 

バッテリーの判断は勝負。個人的には非道さんとの勝負は避けるべきなんだけど、そうすると満塁で清本に回る……。それだけは避けないといけない。

 

1球目は低めにあの魔球を投げる。ワンバウンドする勢いで投げられるあの魔球は……。

 

(予想通りのコースだね~。あわよくば空振りさせよう……って魂胆が伺えるよ~)

 

 

カキーン!!

 

 

本来今投げたあの魔球は空振りをあわよくば空振りを誘うコースで、ある程度レベルの高い打者ならそれを振らずにボールカウントをもらおうとする。

 

しかし相手は洛山高校……。その中でも1番不気味な打者である非道さんはあの魔球を掬い上げる様に打ち上げ、その打球はセンタースタンドへ一直線に入っていった……。

 

『ホームラン!』

 

(まずは3点だね~。この調子で洛山高校の打撃力を骨の髄までわからせてあげるよ~)

 

3点返されて6対3。しかもまだノーアウト……。これは嫌な展開になってきたな……。




遥「表に6点も取ったのに、あっさりと3点返されちゃった!?」

朱里「これが洛山高校の超打撃野球。点を取られたら取り返す……」

遥「倍返しだね!!」

朱里「そのネタの旬は終わってるんだよなぁ……」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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