最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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全国大会準々決勝!新越谷高校VS洛山高校③

カキーン!!

 

 

非道さんにスリーランを打たれて、4番の清本も続けざまにホームラン。これで6対4か……。

 

『洛山高校は3番非道、4番清本の連続ホームランで新越谷との点差を一気に2点差まで詰めました』

 

『洛山の売りの1つであるホームランが量産されていますね。武田選手のピッチングそのものは悪くなさそうですが、洛山のバッティングがその上をいっています』

 

『これは慎重に立ち回らないと一気に逆転を許してしまいますね』

 

『ですが慎重に行き過ぎると洛山高校の思う壺でしょう。切り替えるなら洛山高校の想定を越える球を武田さんが投げないとコールドゲームになる可能性が非常に高くなります』

 

宮永プロが言うように慎重が過ぎると大胆に極振りしている洛山の格好の餌になりかねない。

 

連続でホームランを打たれた事でタイムがかかった。私も行くか……。

 

「ヨミちゃん、大丈夫?」

 

「私は大丈夫だよ。今日も絶好調だと思ったんだけどなぁ……」

 

見る感じだと武田さんに問題はなさそう。そうなると……。

 

「武田さんの球種が向こうに全部バレてる……か」

 

「朱里ちゃん?」

 

「前に連合チームと練習試合した時に武田さんの球種全部が洛山の人達に伝わっていると考えて良いかもね」

 

恐らく非道さんから洛山のベンチに伝わっている……と考えるのが妥当かな?

 

「じゃあ……もう打つ手はないの?」

 

山崎さんが心配そうに私を見ている。そんな捨てられた子犬みたいに見ないで!なんか武田さんも同様に私を見てるし……。

 

「そうでもないよ。ここからはジャンケンだね」

 

「ジャンケン?」

 

「向こうに球種がバレているのなら、読み合いを仕掛ければ良い。向こうがあの魔球を待っているなら偽ストレートで、強ストレートを待っているならツーシームを投げれば少なくとも連打をくらう可能性は下がるよ」

 

洛山は清本と非道さん以外の人達は大豪月さんも含めて大振り。そこを上手く利用すれば相手の空振りを誘えるんだけど……。

 

(問題は空振りをさせる程変化量が大きい球は武田さんの場合あの魔球だけ……。この戦法を使えるのはうちの投手では現状息吹さんしかいないという事だ)

 

「ジャンケンか……。わかった。やってみる!」

 

「大丈夫かなぁ?無理そうなら朱里ちゃんと交代ね?」

 

「うっ……!が、頑張るもん!!」

 

「期待してるよ?新越谷のエース」

 

「うん!今は私がエースだからね!」

 

武田さんの方は乗り気のようだ。私自身も洛山を抑えられるかわからないから、やる気満々な武田さんに任せるとしよう。

 

「作戦会議は終わったか?私のバットで場外まで運んでやろうじゃないか!!」

 

打席には5番の大豪月さん。ここから連続で抑える事が出来るのなら、流れは私達に来る筈……!

 

(ジャンケン……。私が出すのはこれだ!!)

 

「うおおおっ!!」

 

『ストライク!』

 

1球目は空振り。とりあえずジャンケンには勝ったみたいだけど、外野から遠目に見ただけでもわかる大振り……。当てられたら間違いなくホームランだね。

 

(凄いスイング……。マウンドまで音が聞こえたよ)

 

(これは当てられたらホームラン確定だね。それでも勝負する?)

 

(うん!清本さんと同じプレッシャーを感じるけど、ここで抑えないと大豪月さんには……洛山には勝てない気がするから!)

 

武田さんの2球目。続けて投げたのはツーシーム。

 

 

ガッ……!

 

 

音から察するに詰まらせた当たり。打球はライトに……って伸び過ぎ!何これデジャブ?

 

(でも清本の時と比べたらまだ取れるフライだ。絶対に取ってやる!)

 

 

バシィッ!

 

 

『アウト!』

 

フェンス登ってボールを取るなんて初めてだから、観客席が凄い騒がしいの。

 

『な、なんと早川選手がフェンスを登ってボールをキャッチしたーっ!?』

 

『そうでもしなれば大豪月選手が打った打球がホームランになる可能性がありましたから、これは良い判断です。今のアウトで流れは新越谷側に傾きました』

 

実況も解説もなんだか持ち上げ過ぎな気がするけど、褒められるっていうのは悪くないね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず大豪月のパワーはデタラメだな。並の打者なら定位置でアウトだろうに……」

 

「和奈さんも同じような事が出来ますからね。パワーチームと呼ばれる洛山でも和奈さんと大豪月さん……。この2人はその中でも群を抜いています」

 

「2人に次いで非道が入る感じだな。彼女の場合は不気味さが合わさって、私からしたら大豪月や清本よりも相手にしたくない打者だ」

 

「非道さんは洛山では他にいない分析タイプです。前に連合チームで新越谷と戦った時に武田さんと朱里さんの投げる球を1球も振らなかったのもデータを分析して、洛山の人達に伝える為でしょう」

 

「それで武田は続けざまに打たれた訳だな。こうなってくるとこれから先洛山を抑えるのは難しいかも知れないな」

 

「そうですね。ここからはジャンケンです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も武田さんは洛山の打者に対してジャンケンを挑み、6番と7番を凡打(打球はどっちもあわやホームランレベルの外野フライ)に抑えてチェンジとなった。

 

(初回からこんな展開だと7イニング持つかわからないな……)

 

ジャンケンだって洛山みたいな脳筋チームだからこそ続けられるだけであって、白糸台相手だったら長くは続かないもん!

 

(幸いな事に2点とはいえ私達がリードしている……。次の攻撃で突き放したいね)

 

それと投手についても芳乃さん達と相談しないとね!




遥「初回終了!なんとかリードを維持出来たね!」

朱里「熊実以上の打撃チームだからヒヤヒヤするよ……。大豪月さんの打球も外野フライとか生易しいものじゃなかったし」

遥「2回にはまた私に回ってくるよ!」

朱里「次回はある程度カットして話が進むよ」

遥「なんで!?」

朱里「同じような展開が続くからだよ」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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