最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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足掻き

準決勝……白糸台戦は明後日。それまでに私が出来る事をやっていこう。

 

「ナイスボール!」

 

今やっているのは山崎さんや投手陣達とバッテリー練。

 

30分毎に交代交代でそれぞれのピッチングを磨く事を中心に、何か改善点があるならそれを伝え合う……という全国大会の2回戦が終わってから毎日行っている恒例行事だ。ちなみに今は息吹さんが投げている。

 

(さて、準決勝と決勝をどうするか……)

 

準決勝の相手である白糸台はここ3年の状況的に強化版梁幽館と考えて良い。芳乃さんは私を先発起用すると言っていたからそれはそれで良くて、問題は決勝……。

 

(……いや、今から決勝戦の事を考えても仕方ない。そもそも準決勝を勝ち抜けるかすらもわからないんだから)

 

今は白糸台と戦う事を考える事にしよう。

 

(まずは勝負において尤も大切と言われている情報……。向こうに二宮がいる時点で大敗かな。二宮が持っている情報力と情報量は半端じゃないし……)

 

私のフォークや同時に練習しているあれについてはまだバレてなくても、息吹さんの多彩な変化球や藤原先輩のジャイロボールも二宮達にはお見通しだろう。武田さんが2回戦でしれっと投げてたチェンジUPも多分バレてる。

 

(まぁそれなら情報以上の球を投げれば良いだけだ)

 

「よし……。次は朱里ちゃん!」

 

「私の番だね」

 

先程まで息吹さんがいた擬似マウンドに上がり足元を整える。

 

(まずはストレートから……!)

 

 

ズバンッ!

 

 

「ナイスボール!」

 

「相変わらず朱里のストレートは凄いわね……」

 

「そうかな?藤原先輩よりは遅いと思うけど……」

 

しかも藤原先輩はジャイロボーラーだし。

 

「確かにそうなんだけど、何て言えば良いのかしら……?」

 

「息吹ちゃんの言いたい事はわかるわ。朱里ちゃんのストレートはこう……勢いが凄いの」

 

まぁストレートというのは速ければ良いという訳じゃない。

 

例えば白糸台の新井さんはハイスピンジャイロの使い手だけど、ジャイロボールではない大豪月さんは新井さんよりもストレートが速くて重い。

 

藤原先輩はジャイロボールを会得したけど、ジャイロボールはスタミナの消費が激しい。なので本職が投手じゃない藤原先輩は中継ぎや抑えで起用する様に短いイニングでしか投げられない。

 

それに比べて新井さんはジャイロボールを通算で何百球、何千球、何万球と投げているので、1試合で100球越えたとしても疲労している様子はなく、先発完投型に育っている。

 

「じゃあ次はフォークを投げるね」

 

それは置いといて、私は山崎さんのミットに集中してボールを投げる。投げるのはフォークボール。

 

「凄い……。この前よりもキレが増してるよ!」

 

「コントロールも完璧だよ!」

 

山崎さんと武田さんが嬉しそうに私のフォークを褒めてくれる。なんか恥ずかしいな……。

 

(まぁこれくらいなら準決勝でも投げられそうかな……。1打席限りしか通用しないと思うけど)

 

ではそれともう1つ……!

 

「えっ?今何を投げたの!?まるで揺れて曲がったけど……」

 

「今投げたのは私の新変化球……ナックルカーブだよ。まぁかなり握力を使うから、多投は出来ないけどね」

 

言うなれば武田さんが投げるあの魔球の派生バージョンだね。

 

「おぉぉ……!朱里ちゃん凄い!私のあの球みたいな球をこんなに精度高く投げられるなんて!」

 

「確かに……。ヨミちゃんのあの球みたいな感じだった」

 

「武田さんのあの魔球と差別化するなら、私のやつは武田さんのあの魔球よりも揺れている……ってところかな」

 

これもフォークと一緒で秘密裏に練習してたから、二宮達は知らない。この2つは最終手段にしよう。

 

白糸台相手にどれだけやれるかわからないけど、足掻けるだけ足掻いてやる……!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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