最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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王者白糸台

「いよいよ準決勝戦。あと2つ勝てば全国優勝だよ!」

 

芳乃さんがぴこぴこさせながらミーティングを指揮する。元気だなぁ……。何か良い事でもあったの?

 

「準決勝の相手は白糸台高校。春夏4連覇を達成していて、この大会で5連覇を成し遂げるか皆注目しているね」

 

「言うまでもなく強敵だな……」

 

「ですが県大会から強敵と戦ってきた私達なら苦戦せずに良い勝負が出来るでしょう」

 

「良い勝負……じゃなくて、出来るなら勝ちたいわね」

 

藤原先輩の言う通り、ここまで来たら勝利したい。

 

「……では白糸台の選手の分析から入りましょう」

 

私はタブレットを開いて白糸台の選手のピックアップをする。

 

「まずは白糸台のエースである神童さんから」

 

「神童さん……!」

 

神童さんの名前を出すと雷轟の表情が険しくなる。まぁ手も足も出なかったからね……。

 

「神童さんの球種はスライダー、シュート、カーブ、シンカー、フォーク、カットボール、チェンジUP、ツーシーム……。現状知っているのはこれくらいだけど、もしかしたら他にもあるかも知れません」

 

「め、滅茶苦茶多いな……。どれが決め球……っていうのはあるのか?」

 

「過去に神童さんと対戦した事ある選手はこう言っていました。『神童裕菜の投げるボールは全て決め球だ』……と」

 

「確かに……。連合チームとの練習試合でも神童さんの変化球は手も足も出なかったし、どの変化球も物凄い変化とキレだったわ」

 

「加えて神童さんは打撃面の方も一級品で、白糸台でもクリーンアップを打てるレベルです」

 

多分白糸台と洛山以外なら4番を打てるだろうね。私も神童さんにホームランを打たれたし……。

 

「打率もチームで3、4番目くらいだからね……」

 

本当あの人完璧過ぎて弱点とかあるのかって思ったくらいだし。

 

「神童さんが入ってからの白糸台は勝率が大きく上がり、神童さんが1年生時点で夏と春に全国優勝した事によって『王者白糸台』と呼ばれる様になりました」

 

「王者……!」

 

「更に今年の春も全国大会で優勝しましたが、その時の神童さんは本気を出していません」

 

「本気を出してない……?」

 

「神童さんの投げる全力の変化球を捕れる捕手がいなかったんです。その時までに組んでいた捕手は1つ上の学年でしたからね」

 

「それでも優勝した……って事か」

 

「はい」

 

今年の春大会はレベルも高かったにも関わらず神童さんは全力の変化球を封じて優勝をもぎ取っている。本当に凄い選手だと思う。

 

「それに今年は二宮が入った事によってその問題は解決されました」

 

「二宮さん……!」

 

二宮の名前にいち早く反応したのは山崎さんだった。この子二宮と何かあり過ぎでしょ……。

 

「二宮の入部によって白糸台の投手力が大幅に上がりました。例を挙げると新井さんがその1人です」

 

「新井さんが……?」

 

「去年までの新井さんはノーコンと言っても過言じゃなかったのが、二宮によって投手としての才能が開花しました。新井さんが今の様にハイスピンジャイロを投げられるのも二宮のお陰でしょう」

 

「つまり二宮さんは投手の力を引き出す事を得意としているって事?」

 

「本人に自覚はないみたいだけどね。だからタチが悪い……」

 

まぁそんな二宮に私は助けられた事があるから、どこか憎めないんだよね……。これも二宮自身自覚なし。そんな二宮の事を私は投手誑しと心の中で呼んでいる。

 

「二宮の捕手としての素質は捕球率です。リトルシニアと一緒でしたが、後逸率はほぼ0でした」

 

「珠姫ちゃんと同じだね!」

 

「打撃面と肩は山崎さんの方が上ですが、二宮には異常なくらいの先読みがあります」

 

「先読み?」

 

「二宮は常に二手三手先を読んで行動しています。例を出すと1打席目の時点で3打席目までの布石を常に頭の中で考えていますね。同じチームの時はそうでした」

 

「それ人間?」

 

まぁその気持ちは大いにわかる。二宮と清本は人間離れした何かだと思っている。

 

「……他にも警戒する人は沢山いますが、神童さんと二宮のバッテリーには要注意です」

 

特に二宮は1年生。これからの白糸台を影で引っ張る事になるだろう。敵に回すと厄介この上ないよ。

 

対白糸台のミーティングは夜遅くまで続いた。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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