最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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全国大会準決勝!新越谷高校VS白糸台高校②

「朱里ちゃん、ナイピだよ!」

 

「凄いよ朱里ちゃん!あの白糸台の打線を三振に抑えるなんて!」

 

「まぁまだ1打席目だからね。2打席目以降がどうなるかまだわからないよ。それよりも……」

 

「?」

 

私はちらりと武田さんを見てから向こうのベンチを見て今後の方針を考える。

 

「武田さん、大村さんと肩を作っておいてくれないかな?」

 

「えっ?」

 

「朱里ちゃん……?」

 

武田さんは驚き、山崎さんと芳乃さんは心配そうに私を見て、他の皆は私の発言に驚いていた。

 

「……私がスタミナに難がある事は話したよね?正直今日は全力でいく分7イニングもたないから、武田さんにはいつでも投げられるようにしてほしい」

 

「わ、わかったよ!」

 

「い、行きましょうかヨミさん」

 

2人はブルペンまで武田さんの肩を作りに行った。

 

「……色々気になるだろうけど、今は攻撃に集中しましょう」

 

「……そうですね」

 

藤井先生もなんとか納得してくれたし、私も攻撃に対しての作戦を立てておこうか。

 

(まぁ雷轟なら小細工なんていらないだろうね……)

 

『1番 レフト 雷轟さん』

 

(いきなり本命が相手か……!)

 

(よーし!打つぞー!!)

 

ジャイロボーラーの新井さんと速球打ちが得意な雷轟……。多分初球で勝負が決まるだろうね。

 

(初球……。初球でこの打席の全てが決まる!)

 

(初球打ちで決める!)

 

この対決は雷轟と大豪月さんの対峙を思い出すね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお~、最初からクライマックスだね~」

 

「ウム、雷轟遥を1番に添えて多く打席を回す事で神童の球を打つようにする為だろう」

 

「目が離せませんね……!」

 

「清本ちゃんが釘付けに~」

 

「……雷轟さんは私を越えた人ですから」

 

「清本も雷轟遥もまだ1年生……。2年後、そしてその後の舞台から引退までに勝てば良かろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カキーン!!

 

 

初球から雷轟は新井さんのハイスピンジャイロを当てる。しかし……。

 

『アウト!』

 

当たりは良かったんだけど、ライトフライに抑えられた。やはりジャイロボールを打つのは普通のストレートを打つのとは訳が違う……という事だろうね。

 

(なんて当たりだ……。アウトには出来たが、フェンスいっぱいまで飛んでいたぞ)

 

(バットの跡を見る限り僅かに芯からずれていたようですね。コース次第ではホームランを打たれていた……と考えるべきでしょう)

 

「悔しいーっ!!」

 

あそこまで悔しさを剥き出しにしている雷轟も珍しいな……。大豪月さんのストレートを打った後に新井さんのジャイロボールを打ち損じたから?

 

(でもあの当たりを見たら次は打てそうだね)

 

そうなると警戒するのは新井さんが試合中に成長する進化型投手かどうか……って事か。

 

(でもその辺りは二宮がなんとかしそうだしなぁ……)

 

二宮の捕手としての才能はプロをも凌駕するだろう。組んでいる投手が投げやすいと感じ、投手の才能を開花させ、投手の成長を一言二言で実現させる事も出来る……。こんな捕手は私の知る限りでは他にいない。あの宮永さんでもここまでは出来ない。

 

それに加え二宮には異常なまでの先読みスキルがある。恐らくこれまでも白糸台と対戦した強敵達をそれで倒した可能性は高い。

 

(そんな二宮の弱点は大きく分けて2つ。1つは意外性を発揮する選手。予想外のアクションを起こせば二宮の対応力はやや劣るから、そこから崩すプランが取れる。うちならば野球をこの春から始めた息吹さん、大村さん、雷轟の3人がそれに該当するけど、雷轟の打者としてのレベルはトッププロクラスだから、雷轟は読みやすくなる。)

 

そしてもう1つは進化型を越える超進化型の選手。リトル時代でも私が投げていたシンカーが試合中にキレと変化量を増した影響で二宮が捕球し損ねた事があった。あれが恐らく二宮が唯一捕逸した瞬間だったかな?

 

 

カンッ!

 

 

考えている内に2番の山崎さん、3番の中村さんが新井さんのジャイロボールを捉えて連続ヒット。

 

(大豪月さんのストレートがなかったら多分手も足も出なかったかも……)

 

(映像でも見たけど、新井さんってストレートしか持ち球がないんかな……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「荒れ球が目立っています」

 

「やっぱりか……。雷轟を打ち取ってからどうも思うようにいかないんだよな」

 

「だから変化球を覚えるように言ったんですよ。あの大豪月さんも変化球くらいは投げます」

 

「うっ……!ストレートオンリーの投手という私の個性が崩れるから嫌だ!!」

 

(そうなると新越谷打線に捕まるのも時間の問題なんですよね。現に今ピンチですし……。その性格を治してほしいという意味合いも兼ねて今日の先発を新井さんにしたのですが、これは1度打ち込まれなければわからないかも知れませんね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わぬチャンスでワンアウト一塁・二塁。更にこの場面で迎えたのが……。

 

『4番 サード 藤原さん』

 

(まさかこんなに早く4番に立てるとはね……。遥ちゃんがいる限り4番は無理なものとばかり思っていたけど、この大舞台で4番を任されている……。朱里ちゃんには感謝しかないわ)

 

今日4番の藤原先輩。ここで先制点が取れるとかなり大きいんだけど……。

 

「ホームランだ理沙ーっ!」

 

「かっ飛ばせ理沙先輩ーっ!」

 

勿論サインは強攻。新井さんはストレートしか投げないし、白糸台相手にまたとないチャンスだろうから、ここは1点でも多く欲しい。

 

 

カンッ!

 

 

ホームランは無理でも、センター前に飛んだこれで満塁のチャンスになりそうだ。

 

(……と思っていそうですが、そう簡単にはいきませんよ)

 

「……あはっ!」

 

センターの大星さんが物凄い勢いでセカンドへと送球。肩強すぎなんだけど!?

 

『アウト!』

 

まさかの二塁フォースアウト。セカンドがそのままファーストに送球。

 

『アウト!』

 

「な、何が起こったんだ!?」

 

「……センターゴロからのダブルプレーですね」

 

「センターゴロとかなんて肩してんだよ!?」

 

川崎さんの言うようにセンターゴロからゲッツーとか誰が予想するんだよ。

 

(今までの白糸台の試合では大星さんの肩はこんなビッグプレーを起こすレベルではないと思ってたけど……)

 

まさか白糸台側にもこんな隠し球があったとはね。多分二宮が意図的に公開しなかったんだろうなぁ……。大星さんが1年生の時はファーストを守っていたし。

 

そう簡単には点をくれないって事か……!




遥「先制点取れなかった!!」

朱里「雷轟も打ち損じるし、速球に強い藤原先輩もダブルプレーに倒れるし、やっぱり白糸台は手強いね」

遥「でもこっちだって点はあげないもん!」

朱里「……まぁ私も簡単には打たせないよ」

朱里(正直どこまで凌げるかわからないけど……)

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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