3回表。清澄は二巡目に入ります。
ガッ……!
片岡さんはムービングファストを引っ掻けて、ボテボテのサードゴロですが……。
「かなり足速いね。内野安打狙えそう……」
「かといって焦らずに打球を処理するべきです。そうでないと……」
スカッ!
(あっ……!)
「……このようになってしまいますからね」
「雷轟のエラーを見る度に新越谷側はヒヤヒヤするな……」
「そうですね。白糸台では考えられないです」
あんなトンネルをやった日には確実に降格処分になってしまうでしょう。
「新越谷のように人数が少ないところでもギリギリだろうね。人数に余裕があったら、多分控えスタートだろうし……」
「守備が鍛えられたら私よりも上かも知れないね……」
和奈さんは守備もかなりレベルが高いですからね。雷轟さんのように打撃だけ……という訳ではありません。
「でも清本ちゃんもまだ負けてないけどね~」
「ウム、最後に勝てればそれで良かろうなのだ!」
雷轟さんと和奈さんのライバル関係はまだ始まったばかりです。最後がいつになるかはわかりませんが、私としては和奈さんを応援してますよ?
「だがここまできたら新越谷には優勝してほしいものだ……」
神童さんの呟きに私は同意します。この決勝戦でも逆境を乗り越えてほしいものです。
コンッ。
そんな話をしている内に、送りバントを決めていました。これでワンアウト三塁ですね。そして次は宮永さんの打席ですが……。
ズバンッ!
『ストライク!』
どうやら勝負みたいですね。ワンアウトなら歩かせる選択肢もありましたが……。
ズバンッ!
『ボール!』
「そういえばアタシは詳しく知らないんだけど、その……朱里に完勝した宮永さんってどういう打者なの?今のところはなんか打率を調整してるって事しかわかんないけど……」
カウント1、1の状態でバッテリーは次にどう攻めるか……を頭の中で考察していると、いずみさんが宮永さんについて尋ねてきました。
「打者としてのタイプはいずみさんと亮子さんを足した感じでしょうか?ミートに長けていて、安定感があり、時折ホームランも狙える……そんな打者です」
「万能手か……。宮永さん見てたら、アタシに足りないものが見えてくるかなー?」
カンッ!
3球目に投げられたムービングファストを宮永さんは打ち、その打球は三遊間を抜けました。これで清澄が先制ですね。
「……打撃方面ではあのように鋭いスイングを見せてきます」
「かなり速かったな……。和奈みたいにギリギリのところまで球筋を見極めた上で、素早いスイングを見せている」
「それでいて、プロでも捌くのが難しいレベルの打球を打ち放つ……か。打撃方面は最早プロでも通じそうだねー」
亮子さんといずみさんが宮永さんの打撃を食い入るように見ています。私の発言で意識するようになったのでしょうか?
『三塁ランナーがホームイン!先制は清澄高校。宮永選手のタイムリーヒットです!』
『宮永選手は中々良い打球を放ちましたね。あの打球は簡単に捌く事が出来ません』
この1点は新越谷にとってかなり重くなりそうですね。確実に柵越えが狙えそうな雷轟さんはずっと歩かされると考えると、他の打者が清澄の守備力を越える必要がありますが、果たして誰がそれを成し遂げるのか……。その辺りに注目してみましょうか。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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