最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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全国大会準決勝!新越谷高校VS白糸台高校⑦

試合は進んで6回表。白糸台も投手が新井さんから神童さんに交代。そこからうちの打線は神童さんの変化球にきりきりまいとなってしまっている。点数はなんとか1対3のまま私達がリードしてるけど……。

 

(正直結構しんどいな……。しかもこの回は……!)

 

『9番 キャッチャー 二宮さん』

 

(二宮からだし……)

 

二宮を歩かせると上位打線にランナーを溜めた状態で回ってくるし、勝負しようにも二宮に粘られて私のスタミナがマッハで減るし……。あれ?もしかして詰んでる?

 

(出来ればこの打席も3球勝負でいきたいな……)

 

(大星さんに投げたチェンジUPを5回表では1球も投げなかった……。となるとあのチェンジUPはスタミナ消費が激しい球種となりますね。他にもフォークやSFFもキチンと変化させてくればその分握力を使う筈……。上手くいけばこの打席で朱里さんに引導を渡す事が出来ますね)

 

……とりあえず投げるかな。まずは全力ストレートを!

 

 

ガッ……!

 

 

『ファール!』

 

(……わざと詰まらせた当たりでファールを取ったな?)

 

本当に性格悪い!敵に回るだけでこんなに腹黒い人だったなんて思わなかったよ!

 

(……なんとか着いていけましたね。朱里さんの雰囲気から察するにこのイニングで限界の筈なのに、まだここまでの球威が出せるなんて……!)

 

(はぁ……。もう握力がヤバい事になってるよ。二宮に対する球数次第ではこの打席で降板だね……)

 

次はSFFだ!ストレートと同等の球速と球威なら空振りも取れる筈……!

 

 

ガッ……!

 

 

『ファール!』

 

これも打たれたか……。流石二宮だね。川越リトルシニアの中でも、多分白糸台内でも……非力な部類に入る二宮が1年生にしてレギュラーをもらえるのは……。

 

(……私には和奈さんや雷轟さんのようなスラッガーではありません。いずみさんや亮子さんや神童さんのようにアベレージにも長けている訳でもありません。私がここまで登り詰めたのは持ち前の情報力と情報量……。これくらいしか私が誇れるものはありません)

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「段々良い当たりが出るようになりましたね~」

 

「ウム、二宮瑞希には神童が認めたであろうあの執念がある」

 

「瑞希ちゃんは本当に頑張り屋なんです。それでいて自分の事を後回しにして他チームの情報をかき集めてはチームにそれを伝えて貢献して、それでも足りないのか捕手の在り方を瑞希ちゃんなりに追及して今の瑞希ちゃんがあるんです……」

 

「並々ならぬ努力をしてたんだね~」

 

「その話を聞くだけでも伝わってくるぞ。二宮瑞希は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミズキってばあんなに凄い打者だったんだね~!」

 

「なんだ大星、知らなかったのか?」

 

「てっきり裕菜センパイの球が捕れるだけの壁だと思ってたよ。あとちょっと生意気な後輩」

 

「……それだけじゃないさ。二宮はチームの為に持ち前の情報力と情報量を活かして他校の選手の弱点や癖、得意球や苦手球なんかを1人で調べて監督に伝えたんだ。それは監督に気に入られる為じゃなく、あくまでもチームの勝利の為に……!」

 

「……うん、それは私でもなんとなく伝わったよ」

 

「本人はそれだけじゃ足りないらしく、夜遅くまで二宮が課題とする打撃面を自分なりに工面してこの全国大会の舞台まで、ただ1人の1年生レギュラーとして……な」

 

「凄いね……」

 

「大星も1年生からレギュラーだったが、二宮は大星とは違って才能とは縁遠い野球生活を過ごしていた。普通の人間なら根を上げるであろう環境でも二宮は頑張ってきた。そんな二宮を私は……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

(これで8球目……。しつこい人間は嫌われるよ全く)

 

(……私は、朱里さんと並べたでしょうか?朱里さんだけじゃなく、和奈さん、いずみさん、亮子さん、神童さん、新井さん、大星さん、亦野さん、渋谷さんのような凄い選手達に少しでも近付けたでしょうか?王者白糸台と呼ばれている高校に入って凡人の域から抜け出せたでしょうか?)

 

(……まぁこれが二宮の持ち味だもんね。執念や執着なら誰にも負けていない)

 

いや、もう1つ二宮が誰にも負けていないものがあったね。それは私はもちろん、清本も、金原も、友沢も、そして白糸台の皆も認めている事だろう。

 

 

二宮瑞希は努力の天才だと……!

 

 

(そんな二宮を認めた上で私が投げる最後の球種を見せるよ)

 

(朱里さんのあの表情……まだ何か隠している球種がありますね?ギリギリまで温存するその気概は朱里さんらしいです)

 

これが私の投げるこの試合において最初で最後のとっておきだ!

 

(これは……揺れて曲がっている……?)

 

(さぁ、初見で対応出来るかな?)

 

(球の軌道や揺れ方……更にコースを考えるとここを振ればバットに当たる筈です!)

 

……本当に流石だよ。初見で私のナックルカーブのコースを見破るなんてね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(でも、今回は、私の、勝ち……)

 

(自分が燃え尽きる覚悟で投げ抜いたナックルカーブ……。朱里さんも新越谷に入って変わりましたね)

 

この調子で次の打者も抑えようと思ったけど……。

 

(これは無理そうかな……)

 

 

ドサッ!

 

 

『朱里ちゃん!!』

 

『朱里!!』

 

私は……倒れたのか?スタミナを限界まで使いきって倒れるとか現実でもあるんだね。また1つ学んだよ……。




遥「朱里ちゃんが倒れた!?」

朱里「スタミナが完全に切れたね」

遥「白糸台戦の行方はどうなるの!?」

朱里「次回決着だよ」

遥「お楽しみに!」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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