いよいよ決勝戦は明日となった。相手は清澄高校。宮永さんとあの人がいるチームだ。
(他の運動部からも入部している一風変わったチームで野球に関しては部員の9割は素人だけど、それをあの人の指導力で補ってこの決勝戦まで勝ち抜いている……。総合力では間違いなく白糸台や洛山の方が……というか清澄が過去に戦ってきたチーム全ての方が上の筈なのに、勝ち進んできた。それがどのようなチームなのかを見る良い機会だね)
川越シニアでもあの人の育成によって大きく成長した人は多数いるけど、川越シニアは中学野球の中でもトップクラスの実力の持ち主しかいないのに対して、清澄高校では宮永さんを除いて野球経験者がいない。
私達で言うなら大村さんみたいな選手の集まりをどのように指導してここまできたのか……それをこの目で確かめる!
(清澄の中でも成果を多くあげているのが剣道部出身で去年の全中の決勝戦で大村さんと戦った刀条楓さんと空手部出身で4番を打っている鏑木真哉さん……。この2人と宮永さんは特に警戒を強める必要がある。宮永さんに至っては打率5割丁度を維持する為にどのタイミングで打ってくるかわからない)
一応軽くミーティングはしてるけど、本番に改めて全体を細かく解説する必要があるね。そうなると先発投手はどうするか……。
……考えている内に夜遅くなっているし皆も既に寝てるから、そろそろ寝ようかな?
(その前に外の景色でも見よう……)
外を見ると星空が上空に広がっていた。今まで特に気にしてなかったけど、西宮の空ってこんなに星がよく見えるのか……。
「朱里ちゃん……?」
「早く寝ないと駄目だよ……?」
後ろから山崎さんと芳乃さんが声を掛けてきた。もしかして起こしちゃった?
「起こしてごめんね。私もすぐ寝るから」
「それよりも朱里ちゃんは何をしてたの?」
「寝る前に外を見てたんだよ。勝っても負けてもここに泊まるのは今日が最後だからね」
私がそう言うと2人は外の景色を見る。
「わぁ……!」
「綺麗……!」
どうやら2人も夜空に感動しているみたいだ。
(芳乃さんが起きたのなら、明日の先発について言っておこうかな?)
「芳乃さん」
「どうしたの?」
「明日の先発投手なんだけど……」
私は決勝戦という舞台に相応しいと思う案を芳乃さんに話した。
「それは良い考えだね!」
「確かに決勝戦は皆で野球したいし、良いかも……!」
捕手の山崎さんからもOKもらいました!
「じゃあ手筈は……!」
こうして全国大会最後の夜が過ぎていった……。
朝がきた。新しい朝が。
(まさか私達がシード校の白糸台や洛山を越えて決勝戦まで勝ち進むとは思わなかった……。全国大会出場を決めただけでも奇跡のように思ってたんだけどね)
それよりも凄いのはこの全国大会を通じて新越谷のレベルが大幅に上がった事だろう。特に雷轟と武田さんの2人は成長速度が尋常じゃない。
「いよいよ決勝戦だよ!ここまできたら優勝を目指して頑張ろう!!」
『おおっ!!』
「対戦相手は長野県代表の清澄高校!今年設立したばかりのチームだよ!」
「私達と似たような境遇の高校だな……」
新越谷は停部明け、清澄は野球部そのものがなかった……。確かに似ている。
(そんな高校がシード校に2回も勝つって普通に考えて可笑しいよね……?)
私達は洛山と白糸台で、清澄は海堂と聖皇……。シードを破ったら高校同士である意味注目される試合になりそうだ……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない