最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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☆9の評価をくださったソルディアさん、ありがとうございます!


全国大会決勝戦!新越谷高校VS清澄高校⑩

6回は武田さんも刀条さんもランナーを許しつつも無得点で終わらせる。武田さんに至っては満塁のピンチに陥っていたのに、それを凌ぐという……。宮永さんを抑えた後でこれとは武田さんのムラが凄い。

 

そして7回表。

 

「頑張ってね朱里ちゃん!」

 

「まぁ私なりに精一杯頑張るよ」

 

投手は武田さんから私に代わる。万が一に備えて武田さんは交代させずに、大村さんと交代。いや、大村さんはそれで良いの?交代するなら今日ずっと歩かされている雷轟で良かったんじゃないの?

 

「朱里さん!ファイトです!!」

 

当の大村さんは私にエールを送る。まぁ本人がそれで良いなら、私は何も言わないけどさ……。

 

ちなみに守備位置は武田さんがサード、藤原先輩がライトに入っている。

 

『新越谷はまたも投手交代。背番号18番の早川選手です』

 

『早川選手は昨年のシニア大会で全国優勝を果たした川越シニアのエース投手ですね』

 

『そんな選手がレギュラーをもらっていないみたいですが……』

 

『高校レベルともなると男女問わずにハイレベルですからね。全国優勝したチームのエースだったとしても中学と高校はまた別……という事でしょう』

 

なんか観客席が騒然としてるな……。 その理由が私達の試合を観に来ている二宮達と一緒にいる宮永プロのせいだと思いたい。私自身注目されるのは余り好きじゃないし。まぁそれはさておき……。

 

(この回は1番から。宮永さんに打順回ってくるな……)

 

『1番 センター 片岡さん』

 

今の私が清澄の人達に通用するのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出ましたよ!朱里せんぱいです!!」

 

「な、何もないところから一眼レフが出て来ただと……!」

 

「はづきちゃん、相変わらず朱里ちゃんの事が好きだね……」

 

「何を当たり前の事を言ってるんですか!私にとって朱里せんぱいは……!」

 

「始まった……」

 

「こうなると長くなるので、はづきさんの戯れ言は聞き流して良いですよ」

 

「元チームメイトに対して随分冷たいな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんか寒気が……。今夏だよね?

 

(出来れば宮永さんの前にランナーは溜めたくない……。全力で投げる!)

 

ストレートが得意な片岡さんに私の全力ストレートを投げ込む。

 

『ストライク!』

 

(な、なんだこのストレートは!?速さはないが、勢いを感じたじぇ……!)

 

どんどん投げていこう。きっちりと抑えて、裏の攻撃に備えたいしね。

 

『ストライク!』

 

(私がストレートに2球連続で手が出ないだと……!?天王寺から話を聞いていたけど、まさかここまでだとは思わなかったじょ……)

 

2球続けて全力ストレートを投げたので、今度は全力ストレートと相性の良い……。

 

(な、変化しだしたじぇ!)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

よし、まずは1人。このまま3人で抑えるつもりでやってやる!

 

(朱里が最後に投げたのはSFFか……。ストレートと遜色ない速度で大きく変化する……。更に朱里はフォークも投げられるから、その2種を混ぜるだけでうちの打線は止まったも同然だな)

 

『2番 セカンド 花田さん』

 

(2番の花田さんの成績を見る限り粘りに特化している打者だ。それでも打たせない!)

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(こりゃ並の打者じゃ朱里は止まらないな……。まぁこういう相手は咲に任せた方が良いだろう)

 

『3番 キャッチャー 宮永さん』

 

(さて、ここが正念場だね……!)

 

リトル時代のお返しをしたい……けど、今は何よりも新越谷の勝利の為に宮永さんを抑えたい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついにきましたね。この試合の最大の見所が……」

 

「朱里ちゃんと宮永咲さんの対決……だね」

 

「リトル時代の朱里が完敗したのがあの宮永咲という打者か……」

 

「朱里なら勝てる……って言いたいけど、宮永咲さんは打つ時は急だから、いつだって不安なんだよね……」

 

「そういえばいずみちゃんは宮永咲さんのいる清澄と戦ったんだよね?」

 

「……あんまりその事は思い出したくないかな~。先輩の決め球が容赦なく打たれたから」

 

「早川にとってここが正念場だろう。宮永咲相手に抑えるか、打たれるか……」

 

「さっきの大村ちゃんと刀条ちゃんの勝負よりも緊張しますね~」

 

「むしろ元剣道部の2人の対決であれ程の緊張感が生まれるのが可笑しいと思うな……」

 

(咲……!)

 

(宮永プロが急に食い入るように試合を観始めましたね。妹が当事者とは言えプロが注目する程の対決……。はづきさんではありませんが、何か記録に残した方が良さそうですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ストライク!』

 

(あっさりと追い込んだけど、宮永さん相手だとそんな気が全くしない……。本当に私が抑えられるのかな?)

 

時間が経つ度に不安が募る。不安が募れば打たれそうなコースしか見えない……。どうやってこの人に勝てば良いんだ!?

 

(ツーナッシングで追い込んでいる筈なのに、私達が有利って感じがしない……。朱里ちゃんはリトル時代にこんなプレッシャーと戦っていたんだ……!)

 

マスク越しに見える山崎さんの表情からも私と同じ不安の色が顔に出ている。

 

この沈黙に耐えられずタイムを掛けた。

 

「朱里ちゃん、大丈夫……?」

 

「はぁ……。正直ヤバいね。打たれるビジョンしか見えない」

 

「朱里ちゃんが弱気って言うのも珍しいね」

 

山崎さんと武田さんには慰めてもらっているけど、緊張が少し和らいだだけで、宮永さんとの1打席勝負に勝てるのかと言われればまた別の話だ。

 

「……ドンと打たせよう!」

 

「ヨミちゃん?」

 

「迷った時は思いっ切り投げよう!いつも練習で朱里ちゃんが投げてる自信に満ち溢れたボールを投げるんだよ!」

 

自信に満ち溢れたって……。私そんな球を投げてた?

 

「……そうだね。打たれたら、こっちがまた打ち返せば良いんだよ。だから全力で立ち向かおう!」

 

山崎さんまで武田さんの空気に当てられた……。なんだか悩んでいる私が馬鹿みたいだ。

 

「……ありがとう2人共。私の持てる全てを宮永さんにぶつける事にするよ」

 

「うん!」

 

「私達が絶対に守り抜くから!」

 

(この2人は本当に頼りになるね……)

 

タイムを終えて、宮永さんに投げる3球目。それは……!

 

(私の、私達新越谷の想いが詰まったストレートだ!)

 

腕を思い切り振り、自己最速であろうストレートを宮永さんに投げる。

 

(届け……!)

 

(ミットに届け……!)

 

お願い……!アウトであってほしい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カキーン!!

 

 

現実は非常だった。

 

私の渾身のストレートは宮永さんに弾き返され、その打球はスタンドへと吸い込まれていった……。




遥「朱里ちゃんがホームランを打たれちゃった!?」

朱里「投げたのは私の中でも最高のストレートだったんだけどね……」

遥「朱里ちゃん……」

朱里「……まぁ打たれたのなら仕方ない。切り替えてプレーすれば良いよ」

遥「うん……」

朱里「全国大会決勝戦は次回で決着だよ」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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