最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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1年目 うん、ボク、がんばるぞい★
その後


全国大会が終了し、それぞれがそれぞれの目標を掲げた。

 

金原は次こそは先輩達の期待に応えると意気込んで猛練習している。無理をしてないと良いけど……。そもそも藤和って1回戦で落ちるようなチームじゃないからね。完全に当たりに恵まれてなかったとしか言いようがない。

 

友沢は投手として咲桜のエースを目指すように言われたらしい。もちろんショートの練習も欠かしていない。県大会準決勝で見せたあのカーブやスクリューの対策が必要かも知れない……。

 

橘は3年生が引退した事によって2番手投手として抜擢された。梁幽館のエースが吉川さんになるから、スタミナもあり、実績を残していた事から引退した3年生達が推薦したそうだ。こちらも大躍進だね。

 

清本は3年生が引退した時の引き継ぎで大豪月さんと非道さんの指名によって副キャプテンに任命されたそうだ。洛山高校の部員って全員が清本よりも30センチは大きいから、ちゃんとまとめられるか心配でもある。本人は気弱だし……。

 

二宮はそこまで変わらず、裏のキャプテンとしてチームを影から支えている。主に投手陣の育成に力を入れているみたい。白糸台の投手陣を私は二宮軍団と心の中で呼んでいる。その内投手陣だけでは物足りないとか言って野手も二宮によって成長してそう……。そうなると二宮が第二の天王寺さんになっちゃうじゃん。

 

天王寺さんは清澄を辞めて他所の学校に転校する事になった。元々清澄に来たのも野球の楽しさを広める為だったらしいし、去年も別の学校で全国ベスト8まで上り詰めたらしい。次はどんなチームが出来上がるのだろうか?私も少し楽しみにしている。ちなみに清澄は片岡さんがキャプテンになったらしい。

 

それぞれが次の大会こそ全国優勝だと意気込み、私達新越谷は連覇を目指すべく毎日練習に励んでいる。

 

そして私達新越谷は……。

 

「ヨミ!打ってみて!」

 

「よっしゃ!」

 

「ヨミちゃんいけるよ!」

 

「うん!ほほーっ!はいっ!!」

 

 

ズバンッ!

 

 

(た、高いし、重い!)

 

「やった!」

 

バレーボールをしています。あれ?どうしてこうなった?

 

西宮から帰って来た2日後、この日は応援に来てくれたバレー部の人達が1年生だけで紅白戦をするので、助っ人として武田さんが私、雷轟、息吹さんを連れて参加している。ちなみに野球部は休みである。

 

「ヨミ!ブロック!」

 

「了解!」

 

バレー部は武田さんのスマッシュにも上手く対応して反撃。対象は雷轟の右側。武田さんのブロックを越えてそこに飛んでくる。

 

「ふんぬっ!」

 

雷轟が負けじとボールに飛び込みボールを拾う。あの積極守備は清澄の鏑木さんの動きを見習っているのだろうか?

 

「あとお願い!」

 

雷轟の掛け声でバレー部の人がスマッシュを決める。対象は息吹さんの前。

 

「息吹さん!」

 

「くっ……!」

 

息吹さんがなんとか対応するも、場外まで飛んで相手側の得点に。

 

 

ピピーッ!

 

 

試合終了の笛が鳴る。勝ったのは雷轟と武田さんが助っ人として入ったチーム。僅差だっただけに悔しい……。

 

「疲れた……」

 

「でも楽しかったね!」

 

「まさか私達がバレーをする事になるとは……」

 

「まぁ何事も経験だね」

 

実際バレーの動きから学べる事もあった。特に武田さん以外は外野を守る事があるから、落下地点の予測がしやすくなる。

 

(そういえば清澄にもバレー部の人がいたね。全国大会の決勝戦には出てなかったけど、これまでの試合でもある程度の結果は出していた……。本当にバレーボールを活かして野球をやってるんだなぁ……)

 

「お疲れ~」

 

「今日はありがとね」

 

バレー部の人達がお礼を言いに来てくれた。律儀な……。

 

「こちらこそ。めっちゃ楽しかった!」

 

「私も!熱くなれたよ!!」

 

確かに雷轟と武田さんは滅茶苦茶楽しそうだったな……。

 

「4人共筋が良いんじゃない?バレーもやりなよ」

 

「いや、私達の本職は野球だから……」

 

「まぁそうだよね。でもまたお願いね」

 

「野球の応援もお願いします」

 

ちゃっかり野球部の応援も忘れない。商魂があるよ武田さん……。

 

「はぁ……。結局最後まで取れなかったわ」

 

「でも後半の息吹ちゃん、頑張ってたよ!」

 

「ワンプレー毎に相手の仕草とかで守備位置を確認する……。柳大川越がやっていた守備シフトがそれに近いね」

 

「……?」

 

武田さんが何の事かわからず首を傾げている。雷轟も同じような表情をして首を傾げさせていた。あれ?もしかして伝わらなかった?

 

「……ねぇちょっと!!」

 

私達に声を掛けてきたのはバレー部の部員。様子からして上級生かな?

 

「なんでしょうか?」

 

「私達、バレーボールの2年生なんだけどさ……」

 

「今日はどうも」

 

雰囲気からして何を言いたいのか大体わかる。

 

「……1年生には関係ないかもだけど、特に2、3年生はまだ野球部を良く思ってない人もそれなりにいるんだよね」

 

「そうですか……」

 

野球部は全国優勝まで果たしたのに、上級生には印象が一向に回復しないな。教師陣は掌を返していたけど……。いや、それはそれでどうなんだ?

 

「だからもう今回限りで……」

 

「……わかりました。ですがそのようにいつまでも同じ印象を持ち続けていても何も良い事はありませんよ。確かに先代の人達が不祥事を起こしてしまった事実は消えません。ですが野球部も悪評に負けずに毎日頑張っています」

 

「…………」

 

「せめてその事だけは覚えていてください」

 

私はそれだけをバレー部の上級生に伝えた。不満そうではあるけど、なんとかわかってもらえたみたい。

 

「……私、去年の不祥事の事ってよく知らないんだよね」

 

「私も……」

 

「た、退学者はいなかったんだし、大した事はないんじゃない?多分……」

 

「そっか!なら良いか!」

 

「もっと重いものを想像してたけど、そうじゃなくて良かったよ!」

 

「か、軽いわね……」

 

まぁポジティブなのが雷轟と武田さんの良い事だと思う。

 

「皆いるかなー?ちょっと練習したいなー!」

 

「あっ、私も!!」

 

「2人共元気ね……」

 

「元気があるのは良い事だよ」

 

折角だし、私も少し部室を顔を出して行こうかな……っと?

 

(スマホから通知が。相手は……!)

 

そうか……。遂に決意してくれたんだ。

 

「……私ちょっと寄る所があるから、3人は先に行っててよ」

 

「了解~!」

 

さて……。会いに行きますかね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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