次の練習試合の相手は奈良県から来た阿知賀学院。今年も全国ベスト8まで勝ち上がり、準々決勝で惜しくも白糸台に破れたもののその試合内容自体は良いものだった。
「今日の相手は阿知賀学院だよ!」
「3年生……特に4番が抜けて大きく打力は下がったけど、パンチ力が高い選手もそれなりにいるから、決して油断出来る相手じゃありません」
「それじゃあ今日のオーダーを発表するね!」
芳乃さんが対阿知賀戦に考えたオーダーが……。
1番 ファースト 中村さん
2番 キャッチャー 山崎さん
3番 センター 主将
4番 レフト 雷轟
5番 サード 藤原先輩
6番 ライト 川原先輩
7番 ショート 川崎さん
8番 セカンド 藤田さん
9番 ピッチャー 武田さん
……というものになった。川原先輩はバッティングの思い切りも良く、パワーもある事から6番に抜擢された。
「よーし、頑張って投げるぞーっ!」
「相変わらずヨミは張り切っているわね……」
「星歌達も負けてられないね……!」
「私達も精一杯応援しましょう!!」
ベンチには息吹さん、大村さん、渡辺、私の4人。機会があればベンチメンバーも全員使っていく……というのがこの試合の芳乃さんと藤井先生の方針だそうだ。
「3年生が引退した後の阿知賀学院……。注目すべき選手は3人います」
私と芳乃さんで阿知賀の注目選手の説明を始める。
「まず1人目はガールズではかなり有名な選手だね。今年の夏大会でも3番を打っていたセンターの原村さん!」
「原村さんか……」
「今は奈良にいるんだな」
原村さんの名前に反応したのは山崎さんと主将。この2人も強豪のガールズ出身だし、原村さんは様々なチームを転々としているという話もあるから、ガールズ界隈で原村さんを知らない人はいないとも言われている。
「原村さんの特徴としては安定したバッティングと鉄壁とも言える守備力。大会でもほぼ毎試合ヒットを打っています」
「打てなかったのは白糸台の神童さんくらいかもね」
ちなみに私から見た原村さんは友沢から長打力をマイナスした選手……という印象である。もっと言えば守備の上手くなった金原。まぁそれはあくまでも夏大会までの原村さんであり、今この時の原村さんがどうなのかはわからない。
(だからこの試合でデータを取らせてもらうよ……!)
戦いにおいて大切なのは情報……。いつも二宮が口にしていた事だけど、私もその通りだと思っている。
「次は捕手の新子さんだよ!」
「彼女も安定した成績を残しています。打率も常に2割後半~3割前半です」
原村さんと新子さんは選手としてのタイプがかなり似てるんだよね……。
「新子さんのリードは常に安定したもので冒険は一切なく、どんな相手でも安牌を探し出して打者との勝負に挑みます」
必要でもない四死球を出す事はなく、一緒に組んだ投手の球数もかなり少なめで済ませる……。これだけ聞くと理想の捕手って感じがする。悪く言えばつまらないリードだけど……。
「最後は投手の高鴨さん!」
「彼女の最大の特徴は無尽蔵のスタミナを持つ事ですね」
「無尽蔵のスタミナ……?」
「彼女の出身地である吉野の山を日課のように全力で走りながら登っている……という話を地元の人達がよく話しています」
「それ人間かよ……」
本当にそれ。武田さんの最高250球をも軽く上回るスタミナの持ち主と言っても良いだろう。もしも大会に投球規制がなかったらずっと高鴨さんが投げていたと思う。
「さて……。そろそろ整列の時間ですが、何か質問はあるでしょうか?」
藤井先生の発言に皆は特に質問をする事はなかった。
「では挑みましょうか。今年の夏大会の奈良県代表に……!」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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