最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 夏大会編 1年目 81

4回裏。清澄側も投手交代のようですね。

 

「清澄も投手交代か……」

 

「投げるのは……センターを守ってた子?」

 

「刀条楓……。昨年の剣道の全中で個人戦全国準優勝の実績を持っています」

 

「あっ、その試合アタシも見たかも!かなりの有名人じゃん!」

 

ちなみに全国優勝を成し遂げたのは新越谷にいる大村さんのようです。こうしてみると世間は狭いですね。中学までは同様に剣道で全国トップクラスの成績を残した上で、今は野球をやっている……という。

 

(まぁ大村さんはともかく、刀条さんの方は確実に天王寺さんの差し金でしょう。あの人は例え素人だろうと、野球の適性を完璧に見抜くのですから……)

 

才能を見抜く眼は是非ともほしいと思っています。今後の為にも……。

 

『アウト!』

 

先頭打者が打ち取られ……。

 

『ボール!フォアボール!!』

 

4番の雷轟さんに対しては徹底的に歩かせる方針のようですね。

 

「ワンアウト一塁……。これってまたゲッツーの予兆?」

 

「そう何度も取れるものじゃないと思うけどね……」

 

 

ガッ……!

 

 

次の藤原さんは刀条さんの投げる球を打ち上げ、サード後方の浅いフライとなりました。端から見るとわかり辛いですが、データとして見れば刀条さんは相当厄介な球を投げています。

 

 

ポロッ。

 

 

『えっ!?』

 

『落とした!?』

 

この観客席のほぼ全員があのイージーフライを溢した事に驚いているようです。しかしあのサードはこれまでの傾向から考えると……。

 

『アウト!』

 

素早い動きで落としたボールを拾って、そのまま二塁へと送球しました。洗練されている動きですね。まるで何度も何度も練習してきたかのように……。

 

『アウト!チェンジ!!』

 

「またあのサードによって阻まれてる!」

 

この試合のMVPは間違いなくサードの鏑木さんになるでしょうね。少なくとも守備方面では清澄のピンチを何度も救っています。 

 

「これが元々鏑木さんの中に潜んでいた野球の才能だと思われます。それを天王寺さんが上手く引き出したのでしょう」

 

「天王寺さんって何者……?」

 

「私達が所属していた川越シニアで選手育成を主に活動していました」

 

「本人もレギュラー狙えるレベルで上手いんですよねー。アタシも天王寺さんの実力見てびっくりしたし……」

 

「そのような人物が何故選手としてプレーをしなかったんだ?」

 

私もそれが気になって天王寺さんの事を調べましたが、少なくとも選手としてのデータは存在しませんでした。モヤモヤしますね……。

 

「……私なりの考察ですが、天王寺さん自身が人に野球を教える事に快感を覚えたからじゃないかと思います」

 

本人は野球を教える事に喜びを覚えているようですし、そういう解釈も間違いではないでしょう。

 

「か、快感!?」

 

「つまり天王寺さんはそういう趣味のある変態?」

 

「へ、変態って……」

 

「それを言うなら瑞希の情報に対する執着も紛れもない変態のそれだよね☆」

 

「失礼な事を言わないでください。私は変態ではありません」

 

私は知らなければならない事の為に色々と調べているだけです。それ以外の情報収集はあくまでもオマケです。

 

(いや、金原の言いたい事はなんとなくわかるぞ……)

 

(なんか危ない眼をしながら情報収集してそうですよね~)

 

(ウム。それもまた才能だな!)

 

「……何故か失礼な視線を感じるのですが?」

 

「気のせいだろ」

 

約3名から失礼な視線を感じました。私は変態ではありません。何度でも否定させてもらいます。変態ではありません。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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