最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

1160 / 1797
練習試合!新越谷高校VS白糸台高校②

ノーアウト一塁。次に打席に立つのは佐倉陽奈さん。

 

(データによれば小技と足の速さで古谷ガールズではリードオフガールだった選手……。欠点と言えば長打力がない事だね)

 

(陽奈さんは課題である打撃方面をこの4ヶ月半でしっかりと鍛えましたが、この試合でそれを見る事は出来るでしょうか……)

 

更に厄介なのは佐倉姉妹は2人共ガールズ時代では盗塁を得意としている。ガールズで何度か対戦経験のある山崎さんはそれをわかった上で動くんだろうけど……。

 

「…………」

 

「…………」

 

渡辺が投球動作に入った瞬間……。

 

『は、走った!』

 

やはりというか佐倉日葵さんはスタートを切った。

 

『ストライク!』

 

(走るのは想定してたけど……!)

 

山崎さんからしても彼女が走る事を想定していた。佐倉姉妹がいた古谷ガールズは昔に美南ガールズと何度か対戦した事があるらしく、山崎さんが5回以上は盗まれているみたいだ。

 

『セーフ!』

 

(ガールズの時よりも足が速くなってる……!)

 

渡辺がアンダースローでその上球速もどちらかと言えば遅い部類に入るから、クイックで投げたとしても三盗が防げるかも微妙なところだな……。

 

(こうなったら走られるのは仕方ない……。目の前の打者に集中しよう!)

 

(うん……!)

 

渡辺が次の投球動作に入る瞬間、またもやスタートを切る。更には……。

 

(しまった!バントエンドラン!)

 

佐倉陽奈さんはバントの構えを取っている。確実にランナーを進めようとしてるのかな……?

 

 

コンッ。

 

 

少し強いバントがファーストに転がる。ランナーの動き次第ではサードに投げればアウトに出来そうだけど……。

 

(あの速度やったら三塁で刺せるかも……!)

 

中村さんがサードに投げようとした瞬間に佐倉日葵さんが不敵な笑みを浮かべていた。まさか……!

 

「違う……。中村さん!ホームだ!!」

 

「えっ!?」

 

「ふふーん、もう遅いよー!加速!!」

 

佐倉日葵さんが走るスピードを速めた。まさかこれを狙っていたのか!?

 

「くっ……!」

 

体勢を崩しながらも中村さんはなんとかバックホーム。体勢が崩れているのに、返球は悪くない。でも……!

 

『セーフ!』

 

「先制点GET~♪」

 

佐倉日葵さんは既にホームインしており、打った佐倉陽奈さんも一塁に残塁している。

 

(まさかこんなにあっさり先制点を取られるとは……。佐倉姉妹、恐るべし……!)

 

(思いの外あっさり点が取れましたね。日葵さんも陽奈さんもナイスプレーです)

 

(なんとか日葵をホームに還せたわね……。ガールズとは逆の役割だったけれど、案外私はこっちの方が向いているのかも知れませんね)

 

(陽奈お姉ちゃんが日葵をホームに還してくれた……。今まで逆だったけど、瑞希ちゃんの決めたオーダーだと陽奈お姉ちゃんが日葵の為に頑張ってくれる姿が見れて嬉しいな。これからはこの打順でも良いかも!)

 

なんか佐倉姉妹を見ていると三森3姉妹を思い出す。県大会の決勝でも似たようなケースで3姉妹によって点を取られたからね。

 

その後佐倉陽奈さんに走られながらも後続の打者を3人で抑えて1回表は1点で済んだ。

 

(佐倉姉妹のあの走塁は不意を突かれたようなもの……。それを差し引いたら渡辺のピッチングそのものは悪くない)

 

打者一巡する前に何かしらの対策を立てる必要がありそうだ。

 

「まずは同点に追い付くよ!」

 

『おおっ!!』

 

同点に追い付くには相手投手を打たなければならないんだけど……。

 

 

ズバンッ!

 

 

「は、速い……!」

 

「これで2軍レベルなのかよ!?」

 

流石白糸台の選手……というべきだろうか。球速は新井さんに匹敵するレベルだ。

 

(今日の鋼さんは調子が良さそうですね。これは佐倉姉妹がもぎ取った1点が大きくなりそうです)

 

「あの白糸台の投手って有名な選手なの?」

 

「う~ん……。私は知らないかな?」

 

「芳乃ちゃんでも知らないとなると中学の頃は野球部やガールズで野球をやってなかったのかな?朱里ちゃんはどう?知ってる?」

 

「……いや。少なくとも中学時代に名を上げたという訳ではなさそうだね」

 

あの鋼って投手……。前に二宮が言っていた2年後の成長が楽しみな人なのかな?

 

(つまり彼女も二宮によって大成した投手の1人だという事。果たしてどんな実力を持っているのか……)

 

「……何にせよ無名の選手で白糸台野球部の2軍に入れるというのは凄い事だ。私達だって白糸台に勝ったのがまぐれじゃないところを見せ付けるぞ!」

 

主将の一言で鋼さんへの萎縮はなくなった。お互いに手探りの練習試合ではあるものの、二宮達には負けたくないな……。

 

(今日の試合は鋼さんによって新越谷打線を抑えさせてもらいますよ)

 

(1点は取られたけど、まだ渡辺の本領を発揮していない。シニア時代からの渡辺の進化を二宮はまだ知らない……。今回はそこを突かせてもらうよ……!)

 

鋼さんの投球練習も終わり、私達の攻撃が始まる。




遥「先制点取られちゃった!?」

朱里「あの姉妹の機動力は厄介だね。三森3姉妹を相手にしているみたいだ」

遥「そして鋼さん……。ストレートはかなり速かった」

朱里「彼女の球種がいくつあるかで攻略が変わってくる……」

朱里(二宮が育てた投手の1人……。その実力が如何程なのか見せてもらおうか)

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。