5回表。清澄の打線は新たに代わった投手によって凡退を築いています。
「新越谷はまた投手を代えてきたな。3番手は武田か……」
藤原さんはどうやらショートリリーフのようで、4回表だけ投げていたようですね。武田さんとポジションが代わり、藤原さんはサードに戻ります。
「最後に投げたチェンジUPは前に映像で見た時よりも精度が上がっていましたね」
「ヨミもかなり強くなったのを感じるねー。また新越谷と戦ってみたくなっちゃったよ☆」
「それは私達も同じだよ……!」
「是非ともリベンジマッチで勝ちたいところだね~」
武田さんと対戦経験のあるいずみさんや梁幽館、洛山はリベンジに燃えているようです。熱いですね。
「我々3年生はもう戦う事がないと思うと少し寂しい気分にもなるな……」
「仕方ないさ。高校生は3年間……。運動部は夏が終われば引退というルールがあるんだからな」
「『ルールを守って楽しく野球!』だね!」
「それ、何か違わないか……?」
3年生勢は引退が悔やまれる……といった表情をしています。最高の成績を残せないと、悔いが残るのは仕方ないでしょう。不完全燃焼なのでしょう。それは次の舞台で発散させてください。
「…………」
(……急に宮永プロが静かになりましたね。実妹である宮永咲さんが打ち取られたのに対して何か思うところがあるんでしょうか?)
それでも一心不乱にお菓子を頬張ってはいますが……。
『アウト!』
気が付けばあっという間にツーアウトですか……。新越谷からしてみれば良くない流れですね。
『新越谷高校、選手の交代をお知らせします。川口息吹さんに代わりまして、ピンチヒッター大村さん』
新越谷は流れを断ち切る為に代打攻勢ですね。打席に立つのは大村さんですか……。これで新越谷の部員でこの試合にまだ出場してないのは朱里さんだけになりました。
「……なんかあの2人から並々ならぬ雰囲気を感じるんだけど?」
「それはそうでしょう。刀条さんと大村さんは昨年の剣道の全中にて決勝戦で戦っているのですから」
「野球の試合なのに向かい合っているのは、どっちも剣道の全国大会で決勝戦を戦った選手……。なんとも不思議な縁だよね」
「確かに……。なんで野球をやってるんだろ?」
「刀条さんの方は天王寺さんのスカウトでしょう。大村さんの方は……恐らく野球がしたかったからなのでは?」
「なんか急に適当になったね……」
当たり前です。野球をする理由は本人にしかわからないのですから。
「流石に個人の感情まではわかりません。半分くらいならコールドリーディングの要領で読み取れない事もないですが……」
「コールドリーディングって最早占い師じゃん……。瑞希にアタシの将来を占ってもらおっかな~?」
「お断りします。法外の料金を請求しますよ?」
「……やっぱ止ーめた」
ズバンッ!
『ストライク!』
「速い……!」
「これまでの刀条さんとは違いますね」
カンッ!
『ファール!』
「しかし大村も負けていないな」
「ここまで来ると、互いに意地のぶつかり合い……」
大村さんと刀条さん。この2人の対決に軍配が上がるのは……。
カキーン!!
大村さんのようですね。センタースタンドへと一直線です。
『ほ、ホームランです!代打攻勢が上手くはまりました!大村選手の同点ホームラン!!』
『ホームランを打った大村選手はもちろんですが、最後のストレートを投げた刀条選手も良い守備ピッチングでした』
何はともあれとりあえず同点ですね。
「な、何て言うか剣道部出身同士とは思えない対決だったね……」
「刀条さんも投手として中々のレベルまで成長しています。流石、天王寺さんが育てた選手の1人ですね」
エースと言うよりは2番手タイプではありますが、それでも全国区の投手として育っています。
「その球を打った大村も打者として大きく成長しているな。データを見る限りだと雷轟と同じく守備方面に課題あり……と言ったところだな」
「大村は我が洛山に相応しい選手になりそうだな!」
確かに守備方面に難ありのスラッガーで、洛山の大多数の選手と共通はしますが……。
「いや、大村さんは新越谷の選手だから……」
大豪月さんのさりげない引き抜きを田辺さんがさりげなく阻止していました。次の大会に向けての駆け引きを見た気がしますね。
「まぁまぁ~。大村ちゃんじゃなくとも、9月頃には新たな戦力が入るじゃないですか~」
「……それもそうだな!」
「なんだ?洛山は誰かスカウトしたのか?しかも来月に入部って……」
確かに気になる情報ですね。少し調べてみますか……。
「それは相見えた時のお楽しみだ!」
「別に隠す程のものでもないですけどね~。それよりも今は試合に集中しましょうよ~」
洛山の新チームは気になりますが、今は非道さんの言う通り試合観戦に集中しましょう。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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