捕手陣との会話を切り上げて私はベンチに座る。今日は先発としても投げたし、捕手としてゲームを動かしてたから凄く疲れたよ……。
「お疲れ~☆」
「さっきの試合は惜しかったね」
金原と清本が声を掛けてきた。どうしたんだろうか?
「2人もお疲れ様」
「まぁアタシは大して活躍してないけどね。和奈と遥しか打ってないじゃん」
「あはは……。でも私も2打席目の新井さんは打てなかったかな」
「瑞希曰くストレートしか投げないって話だったのにね。あれはわかっていても打てないものだったよ」
確かに清本と雷轟に連続でホームランを打たれてからだろうか?それ以降の新井さんは投げる球に勢いを感じた。私なんて三振しかしてないし……。
「それで?朱里はどうだった?捕手をやってみて」
「……二宮達捕手の苦労の一部がわかった気がするよ。全ポジションの中でも1番難しいかも知れないね」
実際にやってみた感想がこの一言に尽きる。頭を使うし、色々な球を捕球しなきゃいけないしで本当に大変だった。
(まぁその分学べた事もあるかな。その辺りを活かして機会があればまたやってみたい)
この経験が私にどのようにメリットになるのか、はたまた余分なところに引っ張られてピッチングに悪影響を及ぼすかはまだわからない。これからの私次第なのだ。
「じゃあアタシは他の人達にも話を聞いて来ようかな?アタシのこれからの為の参考にもしたいし☆」
そう言って金原は他の人達のところに行った。元気だな……。
「私も行くね。打者として聞きたい事が色々あるし……」
清本も打撃方面の見直しの為に他の人達のところに行った。私はどうしようかな……?
「朱里ちゃん」
声のする方を見ると芳乃さんと山崎さんがいた。山崎さんとは先程二宮と非道さんと話して以来だ。
「どうしたの?」
「朱里ちゃんはその、これからどうするの?」
「これから?」
「今日の試合で捕手として出ていた朱里ちゃん、正直凄かったと思う。あれなら練習すれば他の捕手にも負けないんじゃないかって思って……」
「私もそう思うな。捕手として頑張ってる朱里ちゃんを見たら同じ捕手として負けられないって思ったよ」
芳乃さんと山崎さんが私を誉める。これはあれかな?もしかして私が捕手として起用される流れになるのかな?
「まぁそれも悪くないとは思ったよ。でも……」
「でも?」
金原と話して思った。私が1番向いているのは投手である事を。
「私はやっぱり投手として野球をするのが1番良いと思ってるよ。投手じゃなければそれは早川朱里じゃないからね」
まぁ二刀流も良いかなって思ったりはするけど、私にとっては投手が1番!
「そっか……。そうだよね」
「でも捕手が山崎さん1人……というのも困るのは確かだね。そうなった時に備えてある程度は捕手の練習もしておくよ」
「その時は私も力になるね」
「ありがとう山崎さん」
まぁ新しい捕手が入ってくれるのならそれで良いんだけど、不祥事の件が尾を引いてるから下手したら来年の入部者が0なんて事になりそう……。いや、一応全国大会も優勝してるし、きっと入部希望者が殺到してる……と思いたい。
(しかしあの人の言う事が本当ならその当事者……というか被害者の主将達が引退するまで入部希望者が0だとしても可笑しくない。そうならないようになんとか新越谷野球部の頑張りを見てもらいたい)
教師陣は掌返して野球部を褒め称えているけど、心のどこかでは野球部を良く思っていない部分もある。
そんな人達が野球部に対して何か吹き込んでいる可能性も……いや、これ以上は考えるのは止めよう。そうなったらその時に考えれば良いんだ。今は他の事を考える余裕はない。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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