最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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早川朱里への憧れ?

「切欠は3年前に行われていたリトルリーグの世界大会の試合を観にアメリカまで行った時でした」

 

「リトルリーグ……」

 

「……の世界大会?」

 

リトルリーグの世界というワードに何人かは首を傾げている。

 

まぁその頃は余りこの辺りで野球が盛んじゃなかったから、知らないのは無理もない。

 

反応からしてリトルリーグの世界大会を知っているのは川口姉妹と川原先輩くらいかな?残りの何人かは自分の練習とかで精一杯だったのか、中継自体を見ていなかった人達だ。

 

「それ知ってる!毎年各リトルリーグで優秀な選手達が国内代表に選ばれて春に行われるんだよね!?」

 

「毎年見ているけど、3年前のやつは丁度見逃してしまったのよね。それに朱里が出ていたなんて……」

 

芳乃さんと息吹さんは私が投げているシーンを見逃していたらしい。その頃は知り合いでもなかったけど、そんなピンポイントに見逃していたとか言われるとちょっと傷付く……。

 

「わ、私はちゃんと見てたよ朱里ちゃん!」

 

横で川原先輩がフォローしてくれている。ありがとうございます。

 

(しかしわざわざアメリカに野球の試合を観に行くとは……。照屋さんの家庭は裕福なのかな?)

 

「あれ?3年前って朱里ちゃんは中学1年生だよね?それなのにリトルリーグの大会の代表に選ばれたの?」

 

「リトルリーグとシニアリーグの世界大会はそれぞれ小学5年生~中学1年生と中学2年生~高校1年生の選手達が選ばれいるんだ。だから当時中学1年生だった私が選ばれていても不自然じゃないよ」

 

「ほえ~。そうなんだ~」

 

ちなみに川越リトルから日本代表で選ばれたのは私、二宮、清本の3人。友沢や金原はリトル時代は敵同士だったし、当時は2人共育成期間だったらしいから選ばれていなかったみたい。

 

「あれ?じゃあシニアの世界大会で日本代表に朱里ちゃんって選ばれているんじゃ……?」

 

私が説明し終わると雷轟がそんな疑問を私にぶつけてきた。

 

「一応通知は来てるよ」

 

「凄い!朱里ちゃんがアメリカで試合をするんだ!」

 

雷轟が自分の事のようにピョンピョンと跳び跳ねていた。そんなに嬉しいの?

 

「選ばれたのは良いんだけど、正直出るかどうか迷ってるんだよね……」

 

「どうして?」

 

「リトルリーグの試合は8月、シニアリーグの試合は3月にそれぞれ行われるんだ。そして3月は秋大会で全国に駒を進めた高校の全国大会が行われる……。この2つは日程が被っているんだよ」

 

「えっ?それじゃあ……」

 

「仮に新越谷が秋大会を制すると全国大会かシニアの世界大会かどちらかしか出られないの」

 

「そんな……!」

 

しかも厄介なのは参加の有無の締め切りは秋大会が始まる前。これは『秋大会に負けたし、シニア代表に入ります』という発言を防ぐ為のものだね。そんな志の低い選手はいらないだろうし。

 

「……まぁその話は一旦置いておこう。今は照屋さんの話だよ」

 

「あっ、そうだった!ごめんね文香ちゃん。話の腰を折っちゃって……」

 

「気にしなくても大丈夫ですよ」

 

話を戻したところで……。

 

「私は早川さんの相手を捩じ伏せるピッチングを見て感動しました。同じ小学校にいた人がアメリカで試合に出ている……というだけでも凄かったのに、早川さんは相手打線を完膚なきまでに抑えていましたから……」

 

「その頃から朱里って凄かったんだな……」

 

「新越谷の期待の新人だものね」

 

「ヨミちゃんもボヤボヤしてるとエースの座を奪われるよ?」

 

「それは不味いよ!」

 

あの、そんなに持ち上げないでください。恥ずかしいです……。

 

ちなみにその時の私は今の私になって調子を出し始めた頃なのである。

 

「それで文香は野球を……投手を始めようと?」

 

「はい。近場のクラブチームに入って投手になる為に沢山練習をしてきました」

 

それでチームの監督にあれこれ言われていた……という訳か。

 

「投手として試合に出してもらえないのなら、せめて野手としてでも……と思い投手の練習と並行して捕手以外のポジションの練習も必死に頑張りました」

 

「それで……どうなったの?」

 

「最終的になんとかベンチ入りまでは行きましたが、スタメンでスタートする事は1度もありませんでした」

 

「それはなんというか……災難だったな。文香のその実力は男子にも負けていないと思ったんだが……」

 

「ですが後悔はありませんよ。こうして早川さん達新越谷の役に立てるのなら光栄な事ですから」

 

照屋さんは笑顔でそう言った。本人が後悔していないのならそれで良いけどさ……。

 

「ちなみに当時の朱里ちゃんに憧れて新越谷に転校してきたの?」

 

「いえ、新越谷に転校してきたのは偶然です。ですが前々から早川さんと一緒に野球をしたいと思っていました」

 

「そうなんだ……」

 

「はい。あの世界大会の早川さんを見て、『この人は支えがいありそう』……って思ったんです」

 

支えがい?私そんなイメージを持たれてたの?

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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