はぁ。どうしよう……。
「はぁ……」
「溜め息凄いね。どうしたの?」
溜め息を吐いていると芳乃さんが話し掛けてきた。
「いやね?前に話したシニアリーグの世界大会に参加するかどうかの締め切りが近付いていてね。どうしようかな……?」
「アメリカで試合するんだもんね。リトルの時も出てたんだっけ?」
「一応ね。調子を取り戻したタイミングだったし、やりがいはあったよ」
あれはぶっちゃけ良い経験になったと私は思っている。
「新越谷の方で皆と戦いたいっていうのもあるしね……」
「朱里ちゃんの気持ちは嬉しいけど、うちが秋大会を必ず勝ち抜ける!……っていう保証もないし、それを考えると……」
芳乃さんも勝ちたいけど、夏大会の時のように秋大会を勝ち抜けるか不安になっているようだ。
「まぁ仮に私がシニアリーグの世界大会に参加する事を決定したとしても春の全国大会は無理でも、秋大会自体に参加する事は出来るけど……」
「朱里ちゃんの抜ける穴は大きいから、全国に出られたとしても私達が1勝出来るかどうか……って感じなんだよね。夏の全国大会で優勝出来たのも朱里ちゃんがいたからこそだと思うし」
偉く私の事を持ち上げているような……。
「朱里ちゃん個人のレベルアップの為なら私は世界大会に出た方が良いと思うよ。友達が世界で活躍しているのを見るのも楽しみだしね!」
「芳乃さん……」
芳乃さんは私の気持ちを尊重してくれている。正直私も世界大会で経験値を得たい。もちろん新越谷の皆と全国大会で戦いたいっていうのもある。だから余計に悩ましい……。
「……朱里ちゃんはもう少し自分にわがままになっても良いと思うよ。今までも朱里ちゃんはチームの為に死力を尽くしてきたし、今もチームの事を考えてくれている」
「…………」
「だからちゃんと考えてね」
「そうだね……」
私の為、新越谷の為……。どうするのが正解なのかな?
夜になっても考えが纏まらない。一体どうしたものか……。
『朱里さんは新越谷に入って優柔不断になりましたね』
電話越しの二宮が冷たい……。
「そう言う二宮はどうするか決めているの?」
『私はシニアリーグの世界大会出場に決めています。和奈さん、いずみさん、亮子さんも同様に世界大会への出場を決意していますね。逆にはづきさんは梁幽館で戦うと言っていました』
清本も金原も友沢も早い。橘も既に梁幽館側って決めているみたいだし……。
「皆がそうする決め手ってどんな感じなの?」
『はづきさんは自身の実力不足だと言って辞退しています。和奈さん、いずみさん、亮子さんはチームメイトを信じて世界大会の方に出場を決めてます』
「チームメイトを……信じて……?」
『私がいなくてもチームは必ず結果を残してくれる……。その一心で私も含めて世界大会の方に参加するつもりです』
チームメイトを信じて、チームは必ず結果を残してくれる……。もしかして芳乃さんも新越谷が勝つ事を信じてほしかったのかも知れない。それでも私の意見を重視している。
「成程ね……。ありがとう二宮」
『……どうやら決意したようですね』
「うん。決めたよ」
私は……!
遥「私がいないところで朱里ちゃんがこんなに悩んでいたなんて……」
朱里「まぁギリギリまで考えたよ」
遥「それでどっちに決めたの?」
朱里「それは後にわかるよ」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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