景色が暗転している……。あれから私は多分寝てしまったんだろう。他校の情報を調べ終わった直後に転た寝したのかな?
(あれ?何か目の前に出てくる……)
もやもやと私の目の前に2つの影が現れた。それは……。
『朱里さん、少し投げ過ぎではないですか?』
『大丈夫。これくらいじゃ全然足りないくらいだよ』
……もしかして私と二宮?なんで?
『こんなんじゃ宮永さんには通用しない。彼女に勝つ為にはもっとシンカーを強化して、他にも新しい変化球を覚えて……!』
状況から察するに私が初めて宮永さんに完敗した直後かな?清澄との試合でも私は結局宮永さんを打てていなかったし、次に清澄と当たるまでにはなんとかしたいところだね。
『しかしそれで怪我でもしてしまうと本末転倒です。今日は切り上げましょう』
思えば二宮はこの頃から私の右肩にガタがいっているのに気付いていたかも知れない。この頃からよく人を見ているんだな……。
場面が変わって……これは私の家のベランダ?
『二宮はああ言ってたけど、もっともっと練習しなくちゃ……!川越リトルが勝つ為にはもっと私が強くならなくちゃ……!』
リトル時代の私全然わかってないじゃん……。そりゃ負担のかけ過ぎで右肩を炎症するよ!
『まだまだ……!こんなんじゃ駄目だ……!』
良くも悪くも私は子供だった。リトル時代の私はここから更に無茶をして右肩を炎症させてしまった訳だし……。
(しかし今になってこんな場面を見るとは……。これは何かの暗示だったりして……?)
更に場面は変わり今度は……確か右肩を壊す直前くらい?
『流石早川だ。この調子でリトルを勝利に導いてくれ』
『……ありがとうございます』
なんかリトルな私の様子が可笑しいな。もう既に炎症する前兆が見え隠れし始めてるんだっけ?
『朱里ちゃん、大丈夫なのかな……?』
あれは清本だ。今とそんなに身長変わらないじゃん。140いってないくらいだよね?
『……余り良い様子ではないでしょうね。監督も朱里さんに依存し過ぎな部分も見えますし、朱里さんもその期待に応えようとしています』
『……私達が朱里ちゃんを支えないといけない……よね?』
『それでなんとかなれば良いのですが、状況が変わる事はないでしょう。それこそリトルの間は……』
この二宮と清本の会話を私は知らないから、私がいないところでの会話だろう。まさかこんなシーンが見られるとは……。
「……ちゃん、朱里ちゃん!」
誰かが私を呼んでいる……。先程まで暗転していた場面もない。
「……雷轟?」
「あっ、やっと起きた!」
「朱里ちゃん、もうすぐ降りる駅に着くよ」
雷轟と渡辺の話によると私はあのミーティング?の後にすぐ寝てしまったらしい。
(じゃああれはやはり夢……なのかな?私の過去を……?なんで見てしまったんだろう?)
「それにしてもぐっすり寝ていたね。合宿が楽しみで眠れなかったとか?」
「……それは雷轟なんじゃないの?」
「そ、そんな事はないよ!?」
図星かよ……。
「まぁ何にせよ起こしてくれてありがとう」
「星歌も電車での長旅で少し疲れたし、次のバスでは寝てようかな……」
バスで目的地まで30分くらいあるらしいから、少し寝るのには丁度良いかもね。
私もバスで寝たら夢の続きが見られるだろうか……?
(……いや、今立て続けに寝てしまうと夜に寝られなくなってしまうし、向こうでの練習に身が入らなくなるかもだし、バスでは景色でも見ていよう)
しかし電車で見た夢が私にとって重要なものになるとはこの時の私が知る事はなかった……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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