練習メニューが決まったので、早速始める事に。場所を神境近くにあるグラウンドまで移動する。
(こんな立派なグラウンドがあるとは……。土もきっちりと整備されてるし、永水の人達はこんな場所で練習してるんだ……)
「外野手の人は捕球、送球の繰り返し。10球毎に交代」
外野の練習はノックを受けて送球。これ等を何度も繰り返す。捕球技術や送球技術を鍛える為のものだ。
参加者は主将、大村さん、息吹さん、照屋さん、川原先輩、渡辺、雷轟、私の8人。何人かはメインが外野手ではないけど、試合によっては外野を守る場合があるからね。指導は夏大会以降に永水のキャプテンになった滝見さんだ。
「よしこい!」
主将から順番に10分間捕球と送球を繰り返す。
「え……。10分ずっとやるの!?」
「これは捕球率と肩を強化するのと、とついでに体力や足腰を鍛える良い練習。ぶっ通しでやるつもりだけど、危なそうなら休ませるから……」
10分間ずっとやるとなるとかなりハードな練習になる。体力向上を課題としている私からしたらありがたい。滝見さんも決して無理はさせないみたいだしね。
(滝見さんは簡単に言ってるけど、これはかなりハードだぞ!?だが後輩達の手本になるように頑張らないと!)
主将が10分間捕球と送球を繰り返した後次の人に交代。一巡するまで1時間10分。滅茶苦茶疲れた……。
「打撃練習に入りますよー。ここではひたすらマシン打撃を繰り返しますので、気張ってくださいねー」
場面が変わって薄墨さん主体の打撃練習。私は小休止しつつ、この練習を見学する事に。
「参加者1人1人に尋ねてどんな打者になりたいか確認します。まずは貴女から」
最初は雷轟。
「私は……誰にも負けないスラッガーになりたいです!」
「最強のスラッガーですかー。それなら様々な球種をマシンに投げさせますので、50球連続で場外まで飛ばしてくださいねー」
す、凄い内容だな……。
「頑張ります!!」
しかし雷轟はやる気満々みたいだ。
「今の内に他の人にも聞いておきますねー」
雷轟がマシン打撃をしている間に次は中村さん。
「わ、私は……遥ちゃんみたいな長打力がほしいっちゃけど、フォームが崩れるのが嫌で……」
「ふむふむ……。成程ですよー。それなら貴女は満遍なく打てるようにしましょうか。埼玉県の野球部という事で、身近な目標として咲桜高校の友沢さんのようにサイクルヒットを自在に、広角に打てる打者を目指してください」
薄墨さんは友沢の事を存じているみたいだ。まぁ友沢は有名だからなぁ……。県大会でも新越谷と当たるまでに3試合もサイクルヒットを叩き出しているからね。相変わらず凄い選手だ。
「私はバントが苦手で……」
次は川崎さん。
「それならマシン耐久100連続バントですねー」
「ひ、100!?」
「もちろん安定して転がせるようになってからカウントを数えますからねー。打ち上げたりしたものはカウントしませんのでそのつもりでいてくださいねー」
「げげっ……!」
川崎さんは大袈裟に100連続バントとか言われていた。雑に聞こえるけど、もしも本当にそれが実現出来たら立派なバント職人になるだろう。頑張れ!
カキーン!!
「ああっ!場外まで飛ばなかった!?」
「あー、残念ながら1からやり直しですねー。記録は連続23ですか……。一先ず休憩にして次の人にいきましょうかー」
「うう……!」
雷轟は悔しそうに唸っている。場外が連続でそこまで続いているのなら大したものだけど、前の混合試合で見違えたと言っても過言じゃないくらい成長した清本を越えるにはこれくらいしないと足りないのかも知れない……。
(私もそろそろ休憩は終わりにしようかな……。皆を見てたら私も負けていられない!)
「……休憩は終わり?」
「はい」
「貴女はもっと成長する……。積極的に練習しないともったいない」
「……ありがとうございます」
……と滝見さんにも言われたので、外野の送球と捕球の練習に入る。
(誰にも負けたくないな……!)
そんな闘志がふつふつと湧いてきた。これが良い感情なのかは知らないけど、チームメイトがライバルというのはリトルでもシニアでもあった事だから、違和感とかは全くない。
「…………」
私を見ている1つの視線に気付く事なく私は必死で練習をこなした。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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