息吹さんに宥めてもらった事で多少落ち着いた私は練習再開の前にそれぞれの練習を見て行く事に……。
バシッ!
「大分安定してきた。あとは日々繰り返し練習し、実戦で成果を発揮するだけ……」
「ありがとうございます!」
見に来たのは外野手の捕球、送球練習。大村さんが捕球について滝見さんに見てもらっていた。
「そっちはまだ送球のタイミングが早い。状況やその時のチームメイトコンテストによっては今くらいでも良いかも知れないけど、大体はあと0.6秒程遅くても良い……」
「0.6秒ですか……。中々にシビアですね」
「……貴女は筋が良いから、こっちの道に進んでも通用するかも」
「ありがとうございます」
その横では照屋さんが送球について滝見さんからアドバイスをもらっている。というか数人を1人で見るって凄いな……。
ガッ……!
「しまった!」
「段々良くなってきてるんですが、まだ動きが硬いですねー。バント職人はもっと柔軟にやってますよー」
「は、はい!」
打撃練習を見てみると川崎さんが苦手なバントを克服しようと一生懸命頑張っていた。この練習が上手くいけば打順が上がるかもね。
カキーン!!
「ああっ!場外じゃない!?」
「惜しいですねー。連続記録48本です。残念ですが、また1から数え直しですよー」
「むぅ……!!」
雷轟は連続50本の場外ホームランを頑張っているんだけど、あと少しのところで連続記録が途切れてしまっている。うちのスラッガーはまだ成長の余地があるようだ。
カンッ!
「貴女の走力を考えると今の当たりでも二塁は狙えそうですねー。この調子で頑張ってください」
「は、はい!」
中村さんは順調そうに進んでいる。いずれ新越谷のリードオフガールになりそう……。来年以降に上手い後輩が入ってきてもこれならレギュラーを維持する事が出来るね。
「くっ……!」
「ある程度慣れてきたとは言え、まだキツいわね……」
「でも遥ちゃんはこれよりも上の次元でやってたよ」
狩宿さんが指導していた大の字立ちには武田さんと藤田さんと藤原先輩の3人が悪戦苦闘していた。この練習は安定した下半身を鍛える為にやっているみたいだけど、いつ見てもあれはキツそうだ。
「はい、もうすぐ30分ですので頑張ってください」
狩宿さんが3人にエールを贈っている。私も応援してるよ!
ズバンッ!
「左投げの球の勢いが更に良くなったね息吹ちゃん」
「なんか右投げよりも調子が良いような気がするのよね……」
「たったの1日でここまでになるなんて凄いよ……。星歌も息吹ちゃんに負けないように頑張らないと!」
「そうだね。同じ左投げとして私も負けられないよ」
ぐるっと回って投球練習では山崎さんが投手陣の球を受けていた。息吹さんも練習を再開しているようで、渡辺や川原先輩も成長している息吹さんに負けないように奮起している。私みたいにならないでね。
「お二方も彼女に負けないように頑張りましょう」
『はいっ!』
投球練習では石戸明星さんと十曽さんが球を受けたり、フォームの確認をしたりと忙しそう。この2人は私達が3年生の夏まで戦う可能性があるから、盗まれないようにね。
(さて、私もそろそろ練習を再開しようかな)
それぞれの練習を見て回ったお陰で目が肥えた。これなら充実した練習が出来そうだ。
「朱里様の心が安定してきてます!」
「良かった……。とりあえずは一安心ね」
「お祓いの方はどうしましょうか?」
「念の為にやっておきましょう。まだ完全に心の闇が消え去った訳じゃないもの」
(茜様に頼まれたんだもの……。私達が朱里様の闇を祓わないと)
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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