最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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六道響

私は練習前の柔軟を六道さんと一緒にやっている。

 

「そういえばなんで六道さんがここに?」

 

「私が来た理由は色々あるけど、1番は茜ちゃんに頼まれたからかな」

 

「母さんに?」

 

「うん。朱里ちゃんが壊れてしまわないように見てほしいって。霞ちゃん達も心配してたし……」

 

やはりというか六道さんは霧島神境を、神代さん達と面識があるようだ。臼沢さん達も知ってるみたいだし……。

 

「……母さんは意外と私の事を見てくれていたんですね」

 

「そりゃそうだよ。子供の心配をしない親なんていない。私が川越シニアの監督になった理由も茜ちゃんに頼まれたからだしね」

 

「えっ……?」

 

なにそれ?初耳なんだけど?

 

「それに朱里ちゃんの事は朱里ちゃんが赤ちゃんの時からよく知ってたし、私にとっても朱里ちゃんは娘みたいな感じだったよ。その子の練習を見られる……それはとても嬉しかったし、断る理由もなかった……。茜ちゃん言ってたよ?『自分の不甲斐なさで朱里を壊してしまいそうになる』って……。朱里ちゃんを救ってほしいって土下座までしてた」

 

「母さんが……そんな……」

 

「……私は茜ちゃんとはかなり長い付き合いだけど、あんな必死で、追い込まれた茜ちゃんは初めて見た。もしかしたらもう見れないってくらいにね」

 

 

そんな母さんに対して当時の私は反抗期の如くキツく当たった……。それこそ六道さんの方が母親として良かったとまで言ってしまった……。

 

(そんなの……母さんに会わせる顔がないよ)

 

「……今も朱里ちゃんはなにかと戦ってるんだよね?それなら私はそれを応援するよ。だって私にとっても娘と同義なんだから!」

 

六道さんは胸を張ってそう言った。

 

(私は……こんなにも私を想ってくれている人がいたんだね。母さんとの仲違いも本当に無駄なものだったんだ……)

 

昨日は息吹さんに言われて新越谷の皆も私の事を心配してくれていた。山崎さんも、武田さんも、そして言われてはいないけど、他の皆も……。

 

「朱里ちゃん……?どうしたの!?なんで泣いてるの!?どこか痛いの!?」

 

泣いてる……?言われて目元に手をやると涙が零れていた。涙を流したのっていつ以来だろう?リトルで肩を壊した時も涙する事はなかった。

 

「すみません……。なんか涙が止まらなくて……」

 

「……泣きたい時は泣いて良いんだよ。朱里ちゃんは今まで頑張り過ぎたんだよ。肩を壊した時も、シニアで起きた『あれ』があった時も朱里ちゃんは泣く事はなかったからね」

 

「……胸を、貸してもらって良いですか?」

 

「……私ので良かったらどうぞ!」

 

「うう……!うわぁぁぁぁぁっ!!」

 

六道さんの許可をもらい、私は六道さんの胸で泣いた。六道さんはそんな私の頭を優しい手付きで撫でてくれたのを私は忘れないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朱里様の中の闇が消えていきます!」

 

「六道様を呼んで良かったですねー」

 

「これも茜様のお陰です」

 

「良かった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ありがとうございます」

 

「朱里ちゃんが元気になって良かったよ!」

 

太陽のような笑顔の六道さんに私は救われた。それと母さんにも……。

 

(もう私は迷わない。なにも怖くない!)

 

完全に吹っ切れた私は残りの合宿時間に自身のレベルアップに集中出来る!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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