「帰って来たよ!この景色!!」
芳乃さんが叫ぶ。そこには様々な学校の生徒のユニフォーム姿が広がっていた。しかし……。
「見られているな……」
「まぁ夏大会で結果を残しましたからね……」
そのユニフォーム姿の人達が新越谷のユニフォームを着ている私達を見てる見てる……。
(まぁこういった視線は慣れてるけどね……)
抽選会の時は謎の緊張感があったけど、ただ見られているだけならリトルシニアでも体験してきた。
「ひ、人が多い……」
「大丈夫ですか?」
人混みに困惑している渡辺と、それを宥める照屋さんの初参加組。同じく初参加の川原先輩はそわそわとしている。この場合は照屋さんの肝が据わっていると見た方が良いのかな……?
『まもなく選手入場を開始します』
おっ、今回は誰にも絡まれてない。誰とは言わないけど、前科があったからね。余計な時間を避けられて良かったよ。
行進しながらこの大会の事を考えていた。
(今回は私が参加しない試合もそれなりにある……。今の皆なら心配ないと思うけど、ベンチにいないとなんか不安になったりするんだよなぁ……)
リトルシニアの時は試合から離れて他チームの偵察とか行った事がなかったし、チームメイトを援護するピッチングをするか、ベンチで応援するかだったしね。
入場が終わり、選手宣誓も恙無く行われた。そして……。
「夏よりも行進が様になってるよ!格好良い!」
「今回も全員分お願いね」
再開が終わると1度学校に戻って、夏と同じように自分達の行進の映像を見ている。全国優勝を果たしたからか、風格が出ている気がするな……。
「星歌、滅茶苦茶ガチガチだったな!」
「こ、こんな大舞台初めてで緊張しちゃって……」
今回の行進で目立っていたのは緊張で動きが固かった渡辺と……。
「文香ちゃんの行進は凛としてて綺麗だったよ!」
「ありがとうございます」
良い意味で違和感があった照屋さん。彼女は私達の中で1番上品に行進していた。お嬢様学校出身だと行進1つでこうも洗練された動きが出来るんだね。ちなみに……。
「雷轟は今回も手足が同時に出てたよ」
「嘘っ!?」
「本当だよ」
雷轟の行進は夏から進歩していなかった。息吹さんも大村さんも全国大会の入場の時点で治ってたのに、この差は一体……。この子うちの4番よ?
そして試合当日。私達偵察組は球場前に集合して……。
「じゃあ私達はもう1つの球場に行ってくるよ」
「偵察結果をお願いね?」
「そっちも試合は任せたよ」
皆を代表して芳乃さんに激励を贈る。芳乃さんが球場に入って行ったのを確認してから、私達も偵察に向かう。
「じゃあ私達も行こうか」
「最初はどこの試合だったっけ?」
「大宮大附設と馬宮高校の試合だね」
そしてその後には梁幽館の試合もある。今日は3試合観る予定だから、記録はしっかりと残さないとね……。
「じゃあ入ろうか」
「そうね」
息吹さんと渡辺を引き連れて球場へと入る。
「おや、奇遇ですね」
「あっ、朱里ちゃん達だ」
「もしかしてアタシ達と目的が同じ感じ?」
球場では二宮、清本、金原の3人がいた。まさかこの3人と目的が被るなんて思ってもみなかったよ……。
(しかも君達県外の高校だよね?なんで埼玉に集結してるの?)
夏の時も思ったけど、フットワーク軽過ぎなんだよねこの3人……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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