「3人はどうしてここに?」
私は疑問を3人にぶつける。自分達の試合だってあるのに、わざわざ県外まで試合観戦に来る理由がわからない。他県の試合日程も調べたけど、藤和も、洛山も、白糸台も今日試合の日だよね?
「……アタシはさ、先輩達に根を詰め過ぎだって言われて休みをもらったんだよ。でもただ遊ぶのも申し訳ないし、折角だから埼玉へ野球観戦に来たんだ♪」
金原は同じ学校の先輩達にいつか壊れてしまうんじゃないかと心配されていたらしい。まぁここに来る理由にはなってないけど、軽い息抜きみたいな感じだろう。ここに来る理由にはなってないけど!
「わ、私は非道さんに『激戦区である埼玉県の秋大会を観に行ってね~。どの試合を観るかは選んでも良いから~』って言われてここに……」
清本は非道さんの指令でここにいるとの事。まぁ埼玉が激戦区なのは間違いないし、金原よりかは理由にはなる。あと非道さんの声真似上手いな……。
「私はいつも通りです」
しれっと二宮が答えた。そんないつも通りがあってたまるか!
「でも朱里がいるのも珍しいよね。新越谷って確か今日試合だったと思うけど……」
「3人に比べれば別に珍しくもないと思うけど……。まぁ新越谷も部員が増えたし、私は隣にいる渡辺と息吹さんを連れて別球場で行われる試合を観に来たって訳」
まぁまさか他県の知り合いと会うとは思わなかったけどね。
「朱里と星歌と息吹って変わった組み合わせって感じがするよね。なんかそれぞれタイプが違うって言うかさ……」
金原がふとそんな事を言う。そんなに珍しいかな?一応3人共投手と外野手を平行してやってるから、言う程珍しいとも思わないけど……。
「朱里さんが星歌さんと川口息吹さんを連れている理由として考えられるのは2回戦で当たる可能性がある影森高校に2人のピッチングを偵察等で見られるのを避ける為……というのが妥当でしょうね。川口息吹さんは少なからず影森とは因縁がありそうですし、星歌さんはアンダースローですので、もしも影森戦で投げる事になると見られるのはまずい……と言ったところでしょう」
いや、ピンポイントで理由を当てられたんだけど……。渡辺も息吹さんも引いてるんだけど?怖いよ。
「……まぁそんなところかな。それに私達離れて3人共新越谷を……仲間を信じているからね」
「朱里ちゃん……」
「朱里……」
渡辺も息吹さんも何故そんな感激した目で私を見るの?
「あははっ!朱里は相変わらずチームメイトに慕われてるね☆」
「そう……?」
その辺自分ではよくわからない。橘に異様なくらい懐かれている自覚はあるけど……。
「少なくともアタシ達やはづきはそうじゃん?それに藍と歩美も朱里を追って新越谷に進学するって言ってたし」
「藍ちゃんも歩美ちゃんも朱里ちゃんを尊敬してるもんね……」
「そうですね。あの2人は純粋に朱里さんを慕っています。はづきさんとは違って」
確かにあの2人は私が当番だったグラウンド整備とか後片付けとかを私がやる前に終わらせてた。その時の私は困惑してたけど、『朱里先輩は自分の練習に専念しててください!』って2人に押し切られたんだよね……。
(ねぇ星歌、さっき金原さんが言ってた2人って……?)
(木虎藍ちゃんと初野歩美ちゃんかな……?私達の1個下の後輩で、星歌も余り関わりがなかったけど、朱里ちゃんを慕っているって事で川越シニア内でも有名な2人だったよ)
(そうなのね……)
「シニアリーグの世界大会でも歩美ちゃんは参加するらしいよ?」
「初野への挨拶はその時にでもしておくかな……」
「朱里さんもたまにはシニアの方に顔を出してみてはどうですか?」
「シニアの方に?」
初野への挨拶も考えていたところに二宮が提案を出した。
「確かに朱里は引退以来シニアに顔を出してないもんね~。自分を見つめ直す切欠になるかもだし、良いんじゃないかな?」
「そうだね。私達もこうして埼玉まで来た時は帰る前にシニアへ顔を出してるよ。その度に藍ちゃんと歩美ちゃんに朱里ちゃんの所在を聞かれるんだよね……」
金原と清本が追撃。というかあの2人とはポジションが違うから、練習ではそんなに会わないんだよなぁ……。でもまぁそこまで言うのなら……。
「……そうだね。今日辺り川越シニアへ顔を出しに行くよ」
「折角だから、アタシ達も顔出しに行こっかな~?」
「無論私はそうするつもりでしたよ」
「まぁ恒例行事みたいなものだったしね……」
そ、そんなに顔を出してたのか……。1度も顔を出してない私がなんか冷たいみたいになってるよ……。
(まぁたまには後輩達の様子を見るのも悪くない……か)
……という訳で川越シニアへと顔を出しに行く事になった。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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