最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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県大会2回戦!新越谷高校VS影森高校⑤

6回裏。ここまで奮闘していた渡辺だけど、遂に影森打線に捕まってしまう。

 

『セーフ!』

 

(不味いな……。渡辺に限界が来たかな?)

 

ツーアウトは取っているものの、満塁のピンチ。1点は覚悟した方が良いと思うけど、3点、4点とか取られたら勝ち目がほぼなくなってしまう……。

 

とりあえずタイムを掛けて内野陣に加えて私と芳乃さんも集まる。

 

「星歌ちゃん大丈夫?」

 

「う、うん。なんとか……」

 

「影森の打線が渡辺の球に慣れてきたのと、渡辺自身にも疲れが見え始めている……。幸いツーアウトは取れているけど、交代した方が良い?」

 

「……せめて、この回は投げさせて。星歌がここで引いたら、きっと悔いが残るから」

 

疲れが見える渡辺だけど、まだ目が死んでいない。

 

「ヨミちゃんも、息吹ちゃんも、光先輩も、朱里ちゃんも肩は作れてる……。無理そうならいつでも言ってね?」

 

「うん……」

 

最悪延長戦に入る事も考慮して、今いる投手陣は全員肩を作り終えている。投げさせるとしたら息吹さんか川原先輩なんだけど、どうしたものか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「満塁かぁ……。星歌がこのピンチを凌げるかどうかで大きく流れが変わりそう」

 

「そうだね……」

 

「昨日のミニゲームでも星歌さんは満塁のピンチを2度凌いでいます。その時を思い出して投げれば問題はないと思いますが……」

 

(ミニゲームとは違って8人のバックがいるとは言え、新越谷には爆弾がある……。影森の打線もそれに気付いている筈ですし、ここが踏ん張り所ですよ。星歌さん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ~!星歌ちゃんがピンチだよ!」

 

「落ち着きなさい」

 

「でもでも!満塁のピンチだよ!?」

 

「ツーアウトは取っているのだし、打たせていけば大丈夫よ」

 

「中山さんの『燕』だってまだ誰も打ててないから、ここで点を取られたら新越谷が負けちゃうよ!」

 

「その時は新越谷がそれまでの実力だった……という事ね」

 

(新越谷打線の方は何人かタイミングが合い始めている上に、朱里も『燕』をじっくりと観察している……。恐らく次の回が勝負ね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

ふ、ファールか……。肝が冷えるよ全く……。

 

(ここまで渡辺の球種全てにタイミングが合っている……。まだ打たれていないのが渡辺の決め球であるオリジナルフォークだけ)

 

この場で渡辺の手の内を全て晒すのは避けたいけど、この局面だとそうも言ってはいられないんだろうなぁ……。

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

またファール。今打っているのは中山さんなんだけど、粘るなぁ……。

 

(これもタイミング完璧……。フルカウントだし、ボール球でも逃げられない。どうしよう……)

 

(あと少し……。もう少しで点が取れる……!)

 

ここで最悪なのが下手に打たれる事よりも押し出しを許してしまう事。そうなってしまうとズルズルと崩れてしまうからね。まぁそうなる前に交代する予定ではあるけど……。

 

(……星歌ちゃん、投げよう!)

 

(珠姫ちゃん?でも……)

 

(他の球種は全てタイミングが完璧だし、ボール球で逃げる事も出来ない。だから……!)

 

(そう……だね。朱里ちゃんには極力投げないように言われているけど、この状況だもん。仕方が……ないよね?)

 

渡辺が投球動作に入る。このピリッとした空気……。多分投げるだろうね。まぁこれまで1球も投げなかったし、ここまでよく我慢したよ。

 

(これが……星歌の決め球!)

 

(ストレート……!タイミングバッチリ!)

 

中山さんがスイングを始動する。これがストレートなら真芯に当たり、長打コースになるだろう。しかし……。

 

(なっ!落ちた!?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

ここで投げられたのが渡辺の決め球のオリジナルフォーク。『燕』と一緒で初見ではまず打つのは不可能だろう。それにしても……。

 

(それをまさかストレートと同速で投げてくるとは……。渡辺もまだまだ成長の余地があるって訳か)

 

何れにせよ凌いだ……。次は私達が『燕』を打つ番だ!




遥「なんとか満塁のピンチを凌いだね。星歌ちゃん、ナイスピッチング!」

朱里「カットしてるだけで、ピンチの原因の1つに雷轟のエラーが絡んでいるのを忘れないように」

遥「はい……」

朱里「次回は私達が中山さんに挑むよ」

遥「影森戦完結!」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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