最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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急展開注意(今更)!


お見舞い

私は今病院前にいる。今日は試合がない日で、練習が終わると時々ここに訪れる。

 

ノックをしてとある病室に入った。

 

「具合はどう?友沢」

 

私は友沢のお見舞いに来た。秋大会の前に大きな怪我をしたという話を聞いたからだ。

 

(まさか咲桜で1番のライバルのお見舞いに来る事になるとはね)

 

「朱里か。順調に回復へと向かっている……が、秋大会が終わるまでに退院は出来そうにない」

 

「そっか……」

 

「咲桜の皆にも迷惑をかけてしまったし、申し訳ない気持ちでいっぱいだ……」

 

悲しそうな表情の友沢を見るのは初めてだ。それに……。

 

(リトルの頃の私を見ている気分になる。右肩を壊して、絶望に染まった私にそっくりだ……)

 

「全治2ヶ月……か。3月にある世界大会には間に合うが、腕は衰えている可能性が高い」

 

「じゃあ世界大会には参加しないの……?」

 

友沢が抜けるのは痛いけど、退院してからのリハビリとかも考えたら仕方のない部分はある。

 

「……いや、なんとかして出場を試みるつもりだ」

 

「無理はしないでよ?」

 

「ふっ、朱里にだけは言われたくないな」

 

「……それもそうか」

 

私がリトル時代に右肩を壊した瞬間は友沢がいたリトルとの試合の最中で、二宮やリトルの監督が無理をし過ぎたとも言われていたからね。それが友沢の耳にも入ってきていたそうだ。

 

再びノックの音。友沢が返事をすると入ってきたのは橘だった。橘も時々友沢のお見舞いに来ているらしい。私が1度も見なかったという事はすれ違いになっている……という事だ。

 

「亮子ちゃん、来たよーって朱里せんぱい!?」

 

「橘もお見舞い?」

 

「そりゃもちろん……。でも朱里せんぱいってこういう人間関係とかに対して瑞希ちゃん以上にドライだと思ってました」

 

私ってそんな風に思われてたの?二宮以上にドライとかそれ最早冷たいとかそういう次元じゃないよ?

 

「二宮達みたいに県外とかならともかく、同じ県内で、しかも近くの病院で、かつての仲間で今のライバルが入院してるって聞いたら普通お見舞いに来るものなんじゃないの?」

 

「それもそうですねー。という訳で朱里せんぱい、再会のハグを……」

 

「しないよ?」

 

「何故!?」

 

こんな場所でハグとかする訳ないでしょ。当事者の友沢がベッドの上にいるのに……。というか私が橘にそういった事をしたりしないでしょ?

 

「久々に見たな。朱里とはづきの漫才」

 

「いや、漫才って……」

 

「漫才とか言わないでよ~!私の朱里せんぱいへの愛は本気なんだから!」

 

「ふっ」

 

それはそれで可笑しいよね?なんでそんな風評が広がろうとしてるんだよ……。友沢も笑ってる場合じゃないよ?

 

「そういえば梁幽館は今日試合じゃなかったか?」

 

「今日は和美先輩と弥生ちゃんの2人が投げるから、私の出番はなし!だから許可を取ってきて見舞いに来たよん♪」

 

橘の言う弥生ちゃんというのは梁幽館で最近1軍に昇格した堀さんの事で、橘とは同じポジションで良いコンビらしい。

 

(しかも堀さんは中学のガールズ時代でも4番経験がある人間。油断しているとホームランを打たれる……なんて事もありそうだね)

 

その後適度に2人と話しつつ、お見舞いの品を友沢に渡して私は病院を出た。

 

(私も1歩間違えていたら今の友沢みたいになっていたのかな……)

 

そんなたらればを思いながら帰路に着いた。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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