秋大会の3回戦が近付く中、今日はプロ野球のドラフト会議の日だ。
「は、早く始まらないかな……?」
「ワクワクするね!」
私を含めた全員が部室にあるテレビの前にかじりついている。
「今年の指名候補って誰なんだろ?」
「よく聞いてくれたね!」
雷轟の呟きに芳乃さんが食い気味に反応した。な、なんて反応速度だ……。
「今年の指名候補は県内だとなんと言っても梁幽館の中田さんと陽さん!熊谷実業の久保田さんもかな?他にも沢山いるけど……」
他に県内だと咲桜の田辺さんやら小関さんが、柳大川越だと浅井さんと大野さん。有力なのはこのくらいかな?
「県外だと……」
県外なら白糸台の神童さん、渋谷さん、亦野さん、洛山の大豪月さん、永水の神代さん、龍門渕の天江さん等々……。
2年生ながらもプロが獲得に動いている選手も多数いたりするから、1年後に向けての争奪戦にスカウト達は躍起になっていたりとかなんとか。
(特に新井さんとか大星さんなんかは競争率高いだろうな……)
そう考えると白糸台ってやっぱりヤバい?
(新越谷は今年の夏の全国優勝校だし、立役者である主将も藤原先輩も獲得に動いている可能性は充分にある)
川原先輩はまだわからない部分はあるけど、素質だけならプロに食い込むレベルはある筈……。
「あっ、始まるよ!」
『これより今年度女子選手のドラフト会議を始めます』
プロ野球球団は男女混合リーグに10チーム、女子独立リーグが10チーム、あと私達は関係ないけど、男子独立リーグも12チームある。
『まずは……選手から』
1人、また1人と高校で活躍した3年生が呼ばれる。大体が独立リーグで指名される事が多い。やはり実力あれど男子と混ざってプレーするのは難しいんだね。
『続けて洛山高校の大豪月選手……。女子独立リーグから10球団と男女混合リーグから10球団。な、なんと全てのチームから指名が来ております!』
「す、凄いな……」
「流石大豪月さんって感じだね!」
『激しい取り合いが予測されると思いますので、全ての選手を指名し終わってから競争になります』
大豪月さんがどこの球団に指名されるかはまた後でわかるそうだ。
「どこが取るんだろ……」
「大豪月さんなら打撃力が高いチームとか好きそうだよね」
皆がワイワイとそれぞれの意見を言っていた。
(前に神童さんと大豪月さんがなにか話していた……。もしかしてそれが関係あったりする?)
次々と紹介が終わって、いよいよ最後。神童さんの番になった。
『神童裕菜選手……。な、なんと大豪月選手と同じく全てのチームから指名が来ました!』
「こっちも流石ね……」
「今年のドラフト会議は例年よりも緊張感が違うね!」
芳乃さんが嬉しそうにぴこぴこしている。そんな中私は1つの結論に辿り着いた。
(あの2人のあの時の会話……。まさかなにか起こすつもりじゃないよね?)
確かあの話だと清本や非道さんもそれに噛んでいるって聞いた。もしかしたら二宮も……。
『ただいま神童、大豪月両選手がこの場に来ておりますので、本人達による球団逆指名とします』
「き、球団逆指名!?」
「しかも2人って歴代で初めてよね!?」
本当にあの2人は規格外だ。そして2人が壇上に上がってとんでもない事を口にした。
『私、神童裕菜と大豪月は共にプロ入りを辞退します』
…………。
『ええっ!?』
テレビの声と部室の声が同時に響いた。
(2人してプロに行かずなにをしようとしているんだ……?)
神童さんが話を進めると2人はまだまだ学ぶべき事が多いので、プロに行かずに大学へと進学するそうだ。ちなみにどこの大学に行くかはこの場で話す事はなかった。
『で、では2人は大学を卒業してからのプロ入りを視野に入れていると……?』
『そうですね……。少なくとも私はそのつもりです』
『しょ、衝撃の事実が発覚しましたところで、今年度女子選手のドラフト会議を終わります……』
神童さんは大学で経験を積んでからプロに行くみたいだけど、大豪月さんはどうするんだろうか?あの人と非道さんは謎な部分が多過ぎるから、なにをするか全く予測がつかない。
「まさかあの2人がプロ入りを辞退するなんて……」
「女子選手のドラフト目玉のトップ2とも言われていたから余計にな……」
神童さんと大豪月さんが同じ大学に進学、その1年後に非道さんとかが入ってきて、更にその1年後には清本やもしかしたら二宮も入ってくるかも知れない。多分その時までは表に出る事はないだろうとも言っていた。
「ねぇ、朱里ちゃんはどうするの?」
「えっ?なんの話?」
考え事をしてて全く聞いてなかった……。
「朱里ちゃんは高校を卒業したらプロ入りするのかなって……」
(私の答えなんてあの夏大会の時点で決まっている)
「……私は大学に進学しようと思っているよ」
『ええっ!?』
なんでさっきよりも大きな声を出してるのさ……。そんなに驚く事なの?
朱里「今回の話について軽く解説」
遥「解説?」
朱里「今回の話の時点で時系列は10月の中旬である事、この小説においてのプロチームは男女混合と女子プロがあるという事、指名については作者の知識を精一杯振り絞って出したもので、指名は各球団がクジを引いて当たりのマークが出たら指名成功というもの、逆指名はその候補選手が行きたい球団を指名する事をこの小説では指します」
遥「へぇ~。じゃあ今回の神童さんや大豪月さんみたいな異例がないと逆指名は出来ないんだね」
朱里「まぁそう覚えてもらっても良いよ」
遥「ちなみにこの小説の続編をただいま執筆中です!」
朱里「だからまだこの小説は完結してないんだけど……」
遥「3月12日に投稿予定です!」
朱里「球詠原作最新刊の発売日だね」
遥「他にも色々投稿予定なのでお楽しみに!」
朱里「ハードル上がってる……。作者の安否が気になるところだね。無事に投稿出来るのか……」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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