先攻は梁幽館。先頭打者は橘だ。
美園学院の先発投手は……っと。
「今日の先発は三森夜子さんのようですね」
「本当だ!投げるとこ見るの久々だよ」
「最後に投げるところを見たのってシニアの夏大会だったもんね……」
先発の夜子さんが投げるのを見るのは1年半以上前。果たしてその実力は……。
ズバンッ!
『ストライク!』
「速いね~!」
「球速だけならエースの園川さんとも引けを取らないかもね」
(園川さん達2年生の引退後、夜子さんが投手として私達に立ち塞がる可能性もある……か)
ズバンッ!
「今のスライダーもコースギリギリに上手く決まったね」
「彼女は元々コースギリギリを突いて勝負するタイプですので、打つ側としては厄介になるでしょう」
そうなんだよね。しかも例え打ったとしても……。
カンッ!
「ショート!」
「OK!」
例の如く3姉妹の守備範囲内に打球が行って凡打って事になってしまう。
『アウト!』
(正直この守備力と3年間戦わないといけない私達の世代はキツい事になりそうだね……)
その後2番、3番と三森3姉妹の守備力に阻まれ凡打となった。
「データや映像でわかってはいましたが、改めて目の当たりにすると厄介ですね……」
「それでも勝つにはあの守備力を突破しなきゃいけないんですよね~」
「しっかし友理とはづきはあんな相手と過去に戦った事があるんだな?」
「シニア時代は向こうの投手力がそこまでだったからそこまで苦戦しなかったんですよ。こっち側は和奈ちゃんがホームラン打ってくれたお陰で勝てたし」
「そして今年は美園学院に在籍している……という事ね」
「なんにせよ今のところこちらは根気強く打っていく他ありませんね。内野の頭を越す事が出来れば得点に繋がる確率は高くなるでしょう」
「夜子、ナイピ!」
「ありがとう夕香姉さん。でも決して油断出来る状況じゃない」
「私と夕香のところにはどんどん打たせていっても良いわ。多少外野に飛ぶくらいの打球なら処理していくから」
「うん、頼りにしてる」
(この3人は3年生が引退した後も更に頼もしくなったわね……。この試合、任せてみようかしら?)
「はづきちゃんだ」
「1回戦の時も思ったけど、マウンドに上がる様は夏よりも決まってるね~☆」
(私達が梁幽館と当たるとすれば決勝戦……。可能性が1番高いのは吉川さんと分業する形になる。3種のスクリューをあの時みたく上手く打てれば良いんだけどね……)
美園学院は夏と変わらず1~3番に3姉妹を配置している。
1番の朝海さんはカット技術に長けている。彼女が粘ってくれると私達も橘のスクリューを打つヒントが掴めそうなものだけど……。
ズバンッ!
『ストライク!』
「嘘……。3姉妹の中でもカットに定評がある朝海が空振ったよ!?」
「はづきさんの投げる大きな変化のスクリューは元々空振りを狙う為のものではありますが、更に磨きが掛かってますね」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
(美園学院は3姉妹の守備力で、梁幽館は橘のスクリューによる三振でそれぞれ打者を打たせない……。これは投手戦になりそうだ)
コールドゲームにならない限り最低3回は3姉妹の内の1人に回ってくる。もしも梁幽館が勝って、決勝戦で私達と当たるのなら、三森3姉妹には頑張って攻略の糸口を掴んでほしい。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
1回裏。負けじと橘が3者連続三振に抑える。この試合、一体どうなるんだ……!?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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